沿 革

当科の沿革と今後の展望
獨協医科大学埼玉医療センター 糖尿病内分泌・血液内科
主任教授 犬飼 敏彦

沿革及び現状

 当科は開院当初は「一般内科」の呼称で、竹村喜弘教授の主宰により開院式2日後の昭和59年6月21日に診療業務を開始している。 開院当初のスタッフは教授以下5名で、6月中の外来患者は新患93名、再来40名、一日平均15名との記録が残っている。 その後、竹村教授の強靭なご指導の下、文字通り順風満帆の歩みを続け、外来、入院患者とも増加の一途を辿った。

 平成13年4月1日より、竹村教授の後任として、私が当科の舵取りを司ることになった。 その後、医局の呼称の変遷に伴い、平成15年4月からは内科(内分泌代謝・血液・神経)、平成23年6月からは糖尿病内分泌・血液内科となり現在に至っている。 この間の医局スタッフとして、内分泌代謝領域の麻生教授(現在、本院の内分泌代謝内科・主任教授)、竹林准教授(現在、医局長を兼任)、 原講師、血液領域では森田教授(現在、腫瘍センター長を兼任)、栗原講師(現在、当科の非常勤講師)、 神経領域の滝口講師兼医局長(現在、当院神経内科・准教授)には医局活動のあらゆる点で強力なサポートをして頂いた。 また昨今は、東京女子医科大学より岡村准教授(血液領域)、群馬大学より土屋講師(内分泌代謝領域)を招聘し、医局指導体制がさらに盤石になった感が強い。 現在の常勤医師は教授2名、准教授2名、講師3名、助教7名、レジデント3名の計17名で診療フル活動を行っている。

 私自身の基本指導方針は、大学のミッションである“診療、教育、研究”の充実である。更に、他科あるいは近隣医療機関との密接な連携も極めて大切である。 診療面では、病院経営にも影響する高い稼動額の維持に加え、高度先進医療を目指すべく、新薬の積極的採用、最先端の臨床検査機器の導入に苦心してきた。 他方、実臨床では、生活習慣病として爆発的に急増した糖尿病患者を2000名以上抱え、血液疾患では、一点集中的に東埼玉地区の悪性リンパ腫、白血病、 多発性骨髄腫等の血液患者の診療に当たっており、上記指導者の管理の下、レジデント、助教の若手医師達の超人的活躍には心より敬服している。 教育面では医学生、研修医、若手医師を対象にエキスパート医師個人によるカンファレンスあるいはワンポイント・レッスンを通じ、きめ細かな指導を実践してきた。 更に、研究面では症例報告、基礎的・臨床的研究を学会発表(海外を含め)、論文発表を通じて多大なる成果をあげてきたと自負している。 学位取得者も最近の10年間で、計13名を数えるまでになり、一定の評価が得られている。

 一方、医局の雰囲気を明るく維持すべく、各種イベントにも配慮してきた。歓迎会、忘年会、送別会は勿論として、 4月には医局コンペ(Dog Masters Cup)、7月には納涼会(屋形船遊覧など)、秋季には医局旅行(沖縄、温泉地など)を積極的に企画している。 また、同門会(名称:獨内会(ドクナイカイ)、会長:竹村名誉教授)も立ち上げており、酒宴を通じてOBの先生方との親睦を密に計っている。


今後の展望

 当院は3年後に隣地への200床の増床が予定されており、吉田謙一郎副学長および林雅敏病院長の力強いリーダーシップの下、新しいスタイルの地域基幹病院として生まれ変わることが期待されている。 一方では、厚労省の方針を基に、病診連携の推進、専門病院・診療所の役割分担、加算に則した診療記録の充実、高齢化社会への対応等、種々の課題が提唱されている。 私達もそれらの難題に首尾よく対応し、積極的に立ち向かう姿勢が大切であろう。 また、昨今の医療訴訟の増加を背景に、医療事故防止を念頭にした危機管理意識の保持も大切である。 しかしながら、医学・医療の発展に逆行する萎縮医療だけは避けるべきであり、当科としてその為の医療環境整備に十分、配慮していきたい。

 最後に、“忙中閑”ではないが、時折“医の原点”に返ることは大切である。 私は若手医師にはよく口癖の様に、世界遺産にも登録された“マウント・フジ”を目指せと云っている。 すなわち、医師には富士山のスタイルの如く、臨床能力としての幅の広さ(generalist)、専門性の深さ(specialist)、左右対称的なバランス感覚の良さ(artist)が求められるからである。

 開院30周年を迎えた当院はまだまだ過渡期であり、高度専門医療機関として更に発展して欲しいとの思いは強い。 当科としても院内のメジャー科として“力強い一翼”を担えれば幸甚である。

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