第2回 子どものこころ診療センターセミナー5月15日(日)報告

  • 第2回はもともと3月26日に開催予定していましたが、東日本大震災直後であり延期し、テーマも「災害による子どもと家族のストレスへの対応」に変更、平成23年5月15日日曜日、獨協医科大学越谷病院の会議室で開催いたしました。
    当日は、日曜日の午後にも関わらず会場は満員となり、出席者の熱気が伝わってきました。
    今回、我々がもっとも意図したのは、災害後我々がいかに普通の生活に戻れるか?でした。
    まず、こころの診療部教授 井原裕先生が、「災害後を生きる:トラウマと思春期」と題して、いつものように分かりやすく、丁寧に震災を受けた人の心理経過(茫然自失、ハネムーン、幻滅、そして再建)、災害後に我々のすべきことは?「本来の生活・1日を忙しく過ごす、行動により不安への直面化を避けるなど」ポイントを解説しました。
    質疑応答では、福島から埼玉県へ避難している住民のケアのボランティアをしている方から、現実に子どもたちが「不安を訴えていること」が述べられました。
    次に、作田が、「発達障害の子どもへの対応」を解説。実際に獨協医大受診中の発達障害と心身症の子どもたちの反応の違いなどをお話ししました。
    臨床心理士の田副先生は、リラクゼーションの技法として「自律訓練法」を実技を交えて楽しく教えていただきました。
    最後に、災害後のどんよりした気持ちは会場に来ていただいた皆さん自身がお持ちであろうと考え、噺家の林家たけ平さん(実は、私の友人)に特別講義?として、落語ってこんな表現をするんですよ、という入門編から、後半は「目薬」という夫婦の話をしてもらい、会場爆笑のうちに閉会となりました。
    閉会の挨拶の時、会場の皆さんの顔が、本当に生き生きと笑い顔に満ちていたのが、私にとっても嬉しく、励みになりました。来場して頂いた方々に心より感謝申し上げます。 今後、子どものこころ診療センターは、災害後の子どもたちの心のケアに取り組んでまいります。問題のあるお子さんがいて、対応に困っている方はご連絡ください。

    次回のセミナーは、8月27日土曜日「発達障害の子どもたちの問題:ぎこちない運動、睡眠障害、対人コミュニケーションを学ぼう」を越谷コミュニティーセンターで行いますので、ご興味ある方は、早めにご予約お願いします。

  • (作田 亮一)

東日本大震災

  • 1月24日に1回目のコラムを書いてから、だいぶ日にちが経ってしまいました。それまでに色々なことがありました。しかし、3月11日で全てがリセットされてしまいました。夢であって欲しいと思います。しかし、東北関東を襲ったマグニチュード9.0という未だかつて日本人が経験したことのない大地震と大津波は真実でした。1万人を超える犠牲者の方々、言葉もありません。
    心よりご冥福をお祈り申し上げます。
    東北地震の当日はちょうど診療中でした。待合に多くの患者さんがいらっしゃいました。大きな揺れに動揺されていましたが、パニックに陥らず怪我もなく無事でした。震災の日から、テレビでは一日中三陸の大津波の映像が流れ、さらに原発事故の報道。交通機関はマヒし、都内はもちろん、埼玉県でも多くの帰宅難民が出ました。深夜までタクシー待ちをしたり、歩いて何時間もかけて帰宅した方も多いと思います。その後に計画停電と続き、本当に大多数の方々は普通の生活に戻れず閉塞感の中で過ごしていらっしゃると思います。私自身も、直接大きな被害に遭ったわけではないのに、何かをしようとしてもぼんやりしていました。地震酔いというのがあることを初めて経験しました。
    このような中、甲子園で東北高校野球部が被災地のボランティアをぎりぎりまでしながら元気に出場し、Jリーグのチャリティー試合なども開催、多くの募金活動が活発に始まるなど、日本人の心の中に、互いを思いやる心のともし火がワット燃え上がってくるのを感じます。被災を受けた人々は、本当に辛く厳しい状況にも関わらず互いに助け合っています。頭が下がります。この災害は、第2次世界大戦後日本人が経験する、最大の危機的状況だと思いますが、それだけに今ほどマイナス思考でなく自分にできることを実行することが、誰かのためになる・生かせる時でもあると思います。
    外来にいらっしゃる患者さん全員に「3月11日の状況とその後の生活について」聞いています。思いがけない災害の直後の不安、そしてしばらく経過したのちの気持ちの変化など知ることにより、心の医療を行っている者として、これから何が患者さんの為に必要で、何をすべきか?検討します。また、被災地の子どもたちの心のケアに関して、小児心身医学会を通じて派遣医師の登録をしました。被災地のインフラが整った後の時期になると思いますが、自分のできることをしたいと考えています。
    最後に、昨日のニュースで被災地の方が「がんぼろう、日本!じゃなくて、私らは、頑張ってるぞ被災地!だよ」と笑顔でおっしゃるのを見て、東北人の芯の強さに逆に勇気づけられました。(さくた)

  • (作田 亮一)

ようやくセンターのホームページが完成しました。

  • 子どものこころ診療センターは、2009年に小児科神経グループの「発達・心身症」部門が独立した形で誕生しました。
    すでに約2年が経過。その間、特別宣伝しませんでしたが子どものこころ診療のニーズは増すばかりです。
    特に学校不適応の子どもたちの相談が多くなっています。
    子どもたちの環境は私の子どものころ(昭和31年生まれ)と比べて飛躍的に良くなったのにどうして?色々学説はあります。
    私のこれは印象でしかありませんが、ここ2-30年に日本という国が経済的に十分豊かになってしまった?ことが一番関係あるのだろうと思います。
    豊かになったのに、何か達成感が得られない今の日本。不況、不況と言っていますが、たくさん物が溢れ欲しいものは手に入る。
    貧乏というけれど、どうにか暮らしていける。 2番じゃダメなんですか?と言いつつも中国にGDPで抜かれたと騒ぐ。ゆとりある社会を目指していたんじゃないの?矛盾だらけ。どうしても自信が持てない日本人。働いても、働かなくても同じ、という閉塞感。上を向いて歩けない大人。子どもたちは大人を見て育っていきます。子どもたちに「生きていれば必ず自分をもっと生かせる未来がある!」という夢を持ってもらいたい。そして、動けない子どもさんたちのご両親の苦労を一緒に聞いていくこと。これしか、今の私にはできませんが、これからも「夢」について考え続けていきたいと思っています。センターを訪れるすべての子どもたちが「風が吹いてもぐっと踏ん張っていられる」子どもたちになって欲しいですから。
    最後に、ホームページを作ってくれた、高校時代からの友人「35ルームの服部利充君」に深謝いたします(私は32ルームでした)。

  • (作田 亮一)


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