Ⅰ.診療対象としている疾患

  1. 小児心身症、摂食障害、神経症(不安障害、強迫障害、パニック障害)、適応障害(不登校)
  2. 発達障害(広汎性発達障害、AD/HD、学習障害、精神発達遅滞など)
  3. 被虐待児
  4. 基礎に神経学的な障害をもっている子どもたち(てんかん、先天性代謝異常、遺伝病など)

Ⅱ.医師による診療内容は?

  • 発達障害でも心身症でも、内科的な診察が重要です。
    特に乳幼児期では、脳の発達異常やてんかん、染色体異常、先天代謝異常、その他遺伝性の疾患も精神発達遅滞や情緒障害を合併します。
    ですから、基礎疾患の有無を行います。小児科の各専門グループ(神経、遺伝、内分泌、腎臓、アレルギー、新生児など)との連携を行っています。
  • 心身症でも、同様に、たとえば頭痛で来院された場合、脳腫瘍など重大な脳の病気が隠れていることもあります。まずは身体的疾患の有無を検討します。場合によって、小児病棟へ入院していただき精査します。
    発達障害では、療育相談を外来で行います。
  • また、周辺の療育機関と連携を取っています (中川の郷療育センター、都立北療育センター城北分園、埼玉県立小児医療センター、地域の教育センター、言葉の教室、保健センター親子グループ療法などへの紹介)。
  • 摂食障害では身体的治療も必要であり小児科へ入院していただくこともあります。

    発達障害・心身症ともに臨床心理士との共同診療を重視しています。

Ⅲ.心理外来とは

  1. 獨協医科大学越谷病院子どものこころ診療センターでは、専門外来として臨床心理士による心理外来をおこなっております。
    不登校や心身症、発達に関するご相談などを受け付けております。
    また、気がかりな事、困った事があっても、それをどこへ相談したらよいのか、わからない場合もあるかと思います。そういったご相談にも対応させていただきます。
    内容は、個人への面接(カウンセリング)はもちろんの事、ご家族への対応、集団療法、各種心理・発達検査など、患者さんにあった方法で対応していきます。
    なお、当外来は、小児科医(小児神経科医)の診察と並行して受診していただくことになりますので、ご希望の方は、医療連携室を通して当センター医師の診察の予約をお取りください。
  2. 発達心理外来って?
    ≪発達心理外来≫
     子どものこころ診療センターでは、発達に何らかの課題がある、もしくは心配な点があるお子さんを対象に、臨床心理士による発達相談を行なっております。学習や運動発達についての相談だけではなく、じっとしていることができない、感情コントロールが苦手、こだわりがあるなど、いろいろな相談をお受けしています。
    ≪面接の流れ≫
    ・生育歴の聴取、知能・心理検査   ⇒お子さんの発達状態を明確にして、難しさの原因を探ります。
    ・対応を考える   ⇒どうすればお子さんの自信を失わず、苦手部分を伸ばし困難さを減らせるか、    検査結果をもとに一緒に考えます。
    ・必要なサポートを考える   ⇒将来に向けて、今どのようなサポートがあり必要か、一緒に検討していきます。
     発達の課題は、お子さんの努力不足でもなければ、育て方の問題でもなく、生まれもったものと言われています。どのように伸ばしていくか一緒に考えて行きましょう。

Ⅳ.言語療法とは

    ◇ (2017年10月)現在、言語療法では新患を受け付けておりません。◇ 
  • 言語療法では、様々な子ども達の言語に関する困難さに対して支援しています。


子どものこころ診療センター「言語療法」の紹介 2015.02 【訓練内容】
  1. ことばの訓練
    ことばの遅れがあるお子さんに、遊びやプリント課題などを通してことばを促すようなトレーニングを行っています。






  2. コミュニケーションの訓練
    人への関心が低いお子さんや人との関わりが苦手なお子さんに、ゲームやロールプレイなどを通して注意を向ける練習や人との関わりを楽しむ体験をしコミュニケーション力を伸ばしていきます。

  3. 読み書きの訓練
    読み書きや学習に困難があるお子さんの特性を理解し、それぞれにあった学習方法を見つけていきます。

  4. 注意・記憶の訓練
    落ち着きがない、注意が散漫、覚えられない、指示に従えない、動作がゆっくりなどの問題を抱えるお子さんに、注意を持続する力の発達を促します。
    うまく注意を向けられないお子さんに、聞く練習や見る練習をします。
    また、指示に従えなかったり、行動がワンテンポ遅れてしまうお子さんの中には、覚えることが苦手なお子さんがいます。得意な覚え方を探しながら、記憶のトレーニングを行います。







  5. 構音訓練
    正しい発音ができない、言っていることがはっきりしないなどの発音の問題を抱えるお子さんに構音訓練を行います。
    お家での練習の仕方をアドバイスしながら、毎日のトレーニングのサポートをします。

  6. 吃音の訓練
    ことばのはじめの音を繰り返す、音を引き伸ばす、話そうとするとつまったようになってしまうなどの吃音のあるお子さんに、話し方の練習を行います。
    併せて、周りの関わり方のアドバイスもします。

  7. ソーシャルスキルトレーニング
    あいさつができない、お友達とうまく関われない、気持ちを読み取るのが苦手といった特性のあるお子さんと、ワークシートを用いながらソーシャルスキルを習得するトレーニングをします。
    ※文字(平仮名)が読めるお子さんが対象です。
  • 訓練で行ったことをお家でも続けやすいように、カレンダーなどを使っています。




【訓練室の様子】  現在、小児言語療法室が1つあります。

Ⅴ.音楽療法とは


音楽療法(ジュバラント)アクティビティレポート。
  • 当センターでは、小学生~中学生の発達障害のお子さんに月1回の音楽療法のセッションと、年1回の発表会、交流を深めるBBQ大会などを行っています。
  • それでは当センターで行っている発達障害のお子さんに対する音楽療法とはどのようなものなのでしょうか。

1. 音楽を学ぶのではありません!
 音楽療法というと、ピアノなどの楽器を習ったり、歌の練習をして音楽技術の向上を目指すと勘違いされがちですが、まったく違います。もちろんセッションの中で音楽は沢山使いますが、音楽教育ではないので、音楽技術の向上を目的にはしていません。
2. 音楽によって癒されるわけでもありません!
 音楽療法というと、心穏やかになる演奏やCDを聴いて心を落ち着かせる、と勘違いされがちですが、正しくありません。広い意味で音楽療法の一部であり、発達障害のお子さんに対してたまにこのような手法がとられることもありますが(リラックスの仕方を学ぶ場合など)、当センターで行っている音楽療法の目的は癒されることではありません!

3. では何のために行うの?
 お子さんによって目的は違いますが、多いのは
「やっていることに注目する」
「集中する」
「要求を相手に伝える」
「着席する」
「順番を待つ」
「自発性をもつ」
「お友達を誘う」
「お友達と協力する」
などです。つまり・・・コミュニケーションや社会性の促進!です。

4. 具体的に誰がどんな感じでどんな風にやってるの?
①形態・雰囲気は?
 現在、主に小学生から中学生の発達障害のお子さん約30名がセッションに参加しています。セッションへの参加は一年ごとに契約をします。5~10名のグループに分かれ、月1回60分セッションを行います。スタッフは音楽療法士4名、臨床心理士1名、小児神経科医1名です。保護者は後ろで見学をしています。お子さんは半円形に座ります。全体を通して、和やかな中で適度な緊張感が持てるような雰囲気作りを心がけています。

②使うものは?      
ハンドドラム       ベルハーモニー ビブラスラップ
オートハープ             フルーツシェーカー ウッドブロック
ラッパ レインスティック カバサ
その他いろいろな楽器や、魅力的な教材、綺麗なスカーフ、魅力的なくじびきなど、目的に合わせて様々なものを使います。
③どんな風にやるの?
 「つまらないことを無理やりやらせるのはイヤ!」というのが基本的な音楽療法士の考えかたです。お子さんが思わずやりたくなっちゃうような楽器や音楽などを使って、活動の中にいかにそのお子さんの課題を組み込んでいくか毎回スタッフで話し合ってプログラムを考えます。対象のお子さんが決まると、スタッフは実際のセッションでお子さんの様子を細かく見たり、ご両親や主治医などからの情報や医学的・心理的検査などを総合して、一人一人の状態を把握し、保護者とも相談の上、目標を設定します。目標達成にはどのような手段、手順をとるのが適切か、スタッフで相談します。セッションは後で振り返ることができるようにビデオで撮影し、筆記でも記録をとります。セッション後は毎回スタッフ皆で、お子さん一人一人の目標設定や課題の手続きが正しかったか、今後どのように取り組むか、などを相談し、次回の準備を行います。  
 
   

5.効果はあるの?
お子さんや目指す目的によって、変化が出るまでの期間は様々です。学校では引っ込み思案だけど、初回のセッションから手を上げたり意見を述べたりして積極的に参加するお子さん、集団が苦手でこだわりが強く、セッションの輪に入れるまでに半年かかるお子さん、いずれにしても、月1回のセッションに継続してお越しいただくことが変化をもたらし維持をさせる大きな要因です。ただ、すべてのお子さんにとって音楽療法が一番の療育方法という訳でもないと思います。お子さんの性格や得意分野によって、ダンスや絵画などの他の方法が最適ということもあると思います。

6.どうやったら参加できるの?
獨協医科大学子どものこころの診療センター・小児科の医師を受診し、音楽療法希望の旨をお伝えください。医師とご相談いただき、音楽療法が適当でありそうな場合、見学をしていただきます。ご見学終了後、ご参加の有無を音楽療法スタッフにご連絡ください。