獨協医科大学埼玉医療センター整形外科

獨協医科大学埼玉医療センター
整形外科専門医養成プログラム

目次


  • 1. 専門研修の理念と使命
  • 2. 専門研修後の成果
  • 3. プログラムの目標と特徴
  • 4. 研修の環境とスケジュール
  • 4-1 研修施設
  • 4-2 研修スケジュールの概要
  • 4-3 研修モデルプラン
  • 5. 研修方法
  • 5-1 基本方針
  • 5-2 研修計画
  • 5-3 研修およびプログラムの評価計画
  • 5-4 専攻医の就業環境の整備機能
  • 5-5 整形外科研修の休止、中断、プログラムの移動、プログラム外研修の条件について
  • 5-6 修了要件
  • 6. 専門研修プログラムを支える体制
  • 7. 募集人数と応募方法、病院見学の申し込みについて
  • 8. 添付資料

1.専門研修の理念と使命

1) 医学とは

 人間はひとりでは生きていけない。人と人がつながり社会を形成し、ひとりひとりの努力によってより良い社会が生まれる。私たちが生きる民主主義社会においては、「すべての人間は、生れながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」とする基本的人権は尊重されなければならない。病める人々の人格を尊重し、法に則りを病める人々を助けるための学問が医学である。医学は科学であり、病の本質を見極め、治療の糸口を探し、治療の結果を客観的に検証しevidenceを構築する。全ての医学研究は、ヘルシンキ宣言の倫理的原則に則り実施される。研究者は、その成果を公表し、すべての医学に携わる人と知識を共有し、人類の幸福に寄与することができる。

2) 整形外科の役割

 人は考え、行動する。この世に生を受けてからこの世に別れを告げるまで、常に行動することに喜びを見出す。行動を妨げる運動器の障害を解決し、運動器の健全な発育と健康維持に貢献するのが整形外科である。したがって、出生直後に発見される四肢の形成異常から、スポーツ活動などにより起こる外傷・障害、高齢となることで起こる変性疾患まで、担当する年齢と分野は極めて広範である。整形外科治療では多くの場合、明確な成果を得られる。患者と医師とが治療結果の“喜び”を共有できるのが大きな特徴である。

3) 研修の理念と使命

 安全で質の高い運動器医療を提供できる整形外科専門医を養成するため、医師としての臨床能力だけでなくすべての運動器疾患について基本的・応用的・実践的能力を教育し、国民の運動器の健全な発育と健康維持に貢献することを理念とします。 研修を通して、社会的倫理観を備え、運動器に関する科学的知識と高い診療実践能力を備え、常に進歩する医学の新しい知識と技術を習得し開拓していく能力を研鑽します。整形外科専門医は、正確で迅速な運動器の診断と、個々の患者のこころと、置かれている社会的背景とを理解し、保存療法、手術療法、リハビリテーション治療を実践し、常により良い医療を提供するため自己改革してゆく使命があります。


2.専門研修後の成果

 獨協医科大学埼玉医療センター整形外科専門医養成プログラム(以下本プログラム)を修了すると、高い社会的倫理観を備え、運動器に関する科学的知識と常に進歩する医学の知識と技能を修得できる幅広い基本的な臨床能力(知識・技能・態度)を獲得できます。その中心となる知識と技術は以下のようなものです。

  1. 患者の障害と背景を理解し、患者や医療関係者と共に考えるコミュニケーション能力。
  2. エレガントでプロフェッショナルな医師として、独立した判断力を備え、誠実に責務を果たし、周囲から信頼される能力。
  3. 診療記録の適確な記載ができること。
  4. 医の倫理、医療安全に習熟し、患者中心の医療を実践できること。
  5. 臨床から学び基礎医学・臨床医学の知識や技術を修得し更新すること。
  6. チーム医療の一員として行動し、医療を遂行するリーダーシップを修練すること。
  7. 後輩医師に教育・指導を行い、整形外科の良き伝統を伝承すること。

3.プログラムの目標と特徴

 本プログラムの目標は、「運動器を広く深く理解し、障害の本質を見出し、広い視野から治療のゴールを呈示できる」専門医を育成することです。獨協医科大学埼玉医療センター整形外科の源流は、ドイツから九州大学に伝えられた整形外科学で、その後、島啓吾教授により北海道大学に導入され、松野誠夫教授により更なる発展を遂げて、1984年に創設された当教室に伝えられました。北海道大学の整形外科の伝統を継承し、私たちは運動器の広範な諸問題に正面から取り組んできました。整形外科学は、新生児から高齢者まで、運動器の機能と形態の維持・再建をめざす臨床医学であり、脊椎、上肢、下肢などの広範な診療領域を扱います。獨協医科大学埼玉医療センター整形外科では、脊椎、上肢、下肢の3つの治療班が、互いに協力しながら治療の難しい病態を中心に、最先端の技術を駆使して取り組んでいます。特に、Ilizarov 法の牽引性組織誘導術を応用した骨延長術や変形矯正術、マイクロサージャリーを応用した複合組織再建術、脊椎インストウルメンテーションによる側弯症や脊椎変形の矯正術、先天性内反足をはじめとする小児整形外科治療、関節鏡視下手術によるスポーツ医学などは、当科を特徴付ける業績となっています。
 私たちには、崇高な治療哲学と優れた手術技能を持つ多数の専門研修連携施設が有ります。埼玉、千葉など隣接の連携施設だけで無く、北海道にも優れた指導者と連携施設を持っているのが私たちの誇りです。また、学術的研修の一環として、獨協医科大学と北海道大学とで研修を行うことが可能です。限られた研修期間に整形外科の全てを吸収することは容易なことではありませんが、国際的な学会活動を物心両面から支援し、国際的で広い視野を持った専門医を育成します。 病める人々への「愛」と、正確な診断と適切な治療への自信に裏打ちされた「勇気」を身につけたとき、人々を幸福に出来る本当の整形外科医が誕生します。教室は、全力で研修を支援します。


4.研修の環境とプログラムの概略

 本プログラムでは、日本整形外科学会が策定した整形外科専門研修プログラム整備基準(以下『整備基準』、http://www.joa.or.jp/jp/edu/index.html)に沿って、定められた全分野をバランスよくシステマチックに習得できる研修の環境とプログラムを準備しています.

4.1. 研修施設(表1,2).

1 獨協医科大学埼玉医療センター.

 埼玉県越谷市にある当院は埼玉県東部地区の基幹病院であり、近隣の多くの施設からの紹介症例を幅広く受け入れています。また、JR武蔵野線南越谷駅と東武スカイツリー線新越谷駅の2駅から徒歩3分と公共交通アクセスが良好なため、特殊症例に関しては埼玉県内の他地域や千葉県や栃木県、東京都内からも紹介を受けています。現在の病床数は723床ですが、隣接地への新棟建築による規模拡大計画が進行中で、今後ますますの症例増加が見込まれます。整形外科は、下肢・上肢・脊椎の3つの専門診療班に分かれ,連携をとりながら活動しています。(週間・月間計画は添付資料1,2を参照) 下肢診療班は、本プログラムの統括責任者である大関 覚(主任教授)を中心に骨盤から足部までの筋骨格系の疾患や外傷の治療を幅広く取り扱っています。特に力を入れている分野は、 Ilizarov 創外固定器を用いた牽引性組織誘導術を応用した骨延長術や変形矯正術、先天性内反足治療、成人足変形、膝・足関節の変形性関節症に対する矯正骨切り術、膝・足関節の靱帯再建術などです。 また、大関が理事長を務める日本足の外科学会の主催で、当班が運営主体となっている『足の外科機能解剖セミナー』への関与や、他にも屍体標本を使用した卒後教育プログラムへの参加を通じて、手術テクニックの効率的な習得に重要な臨床解剖や生体外手術トレーニングを行う機会を提供していることも特徴です。
上肢診療班は、肩甲帯から手指までの疾患を対象とし治療をおこなっています。当院は日本手外科学会認研修施設となっており手外科領域全般の専門的研修が可能です。肩、肘関節では人工関節、関節鏡手術、スポーツ障害に対する低侵襲手術をおこなっており良好な成績が得られています。骨折、腱損傷、神経障害、切断指や遊離組織移植などのマイクロサージェリーに加え、関節リウマチ患者の機能再建やスポーツ障害など広範囲にわたる疾患を対象としているのが特徴です。 脊椎診療班には、脊椎脊髄外科学会認定指導医が常勤しており、頸椎から仙椎までの脊椎と脊髄の疾患や外傷を広く取り扱っています。特に脊柱変形の手術矯正には積極的に取り組んでおり、若年者の脊柱側弯症および中高齢者の脊柱変性後側弯症に関しては国内有数の手術件数実績を誇ります。また、近年注目を浴びている小侵襲脊椎手術にも積極的に取り組み、国内からの手術見学者も多数受け入れております。 救命救急センターにも整形外科スタッフが所属し、各専門診療班と連携しながら重症外傷の治療を行っています。


2 東埼玉総合病院

 埼玉県幸手市にある病床数173の地域密着型病院で、埼玉県内でも特に医療過疎が問題となっている利根保健医療圏の地域医療を広く担っています。整形外科は常勤スタッフが5名と多く、年間手術件数は500件以上と活動は活発です。整形外科一般の地域医療だけではなく、併設される埼玉脊椎脊髄病センターでは、2名の脊椎脊髄外科学会認定指導医を中心に専門性の高い医療も行っているのが特徴です。


3 久喜総合病院

 埼玉県久喜市にある病床数300の地域拠点病院で、東埼玉総合病院と同様に利根保健医療圏の地域医療を広く担っています。また、救急医療にも力を入れており、災害拠点病院の指定を受けています。整形外科の常勤スタッフは3名で、一般整形外科治療に加え、関節外科(とくに股関節と膝関節変形性関節症)の治療に関しては専門性の高い医療を提供しています。


4 越谷誠和病院(埼玉県越谷市)

埼玉県越谷市にある病床数195の中核病院で、地域医療に貢献する一方で救急指定病院として埼玉県東部地区の救急医療の一端を担っています。また、獨協医大越谷病院のスタッフが定期的に出張しており、脊椎外科や手の外科の専門的手術が数多く行われているのも特徴です。


5 流山中央病院

千葉県流山市にある病床数156の病院で、地域医療や救急医療に貢献する一方で、常勤の脊椎脊髄外科学会認定指導医が脊椎外科の専門的手術(特に最小侵襲手術)に積極的に取り組んでいます。また、獨協医大越谷病院下肢班のスタッフが定期的に出張しており、下肢荷重関節の専門的手術が数多く行われているのも特徴です。


6 春日部厚生病院

埼玉県春日部市にある病床数190の病院で、主に地域医療に貢献しています。


7 みさと健和病院

埼玉県三郷市にある病床数282の中核病院で、併設されるみさと健和クリニックとともに地元の地域医療と埼玉県東部地区の救急医療に貢献しています。


8 獨協医科大学病院

栃木県壬生町にある病床数1125の特定機能病院で、高度な医療の提供と医療に関する開発・評価及び研修を行う一方で、地域医療の中核として地元に貢献います。


9 北海道大学病院

北海道札幌市にある病床数936の特定機能病院で、北海道大学医学部・歯学部附属の教育・研究施設として、医科・歯科の高度・良質な統合的医療に基づく、全人的医療の提供ならびに全人教育を実践する道内随一の医療施設です。


10 えにわ病院

北海道恵庭市にある病床数150の整形外科に特化した専門性の高い病院で、年間2000件以上の整形外科手術実績を誇ります。


11 函館整形外科クリニック

北海道函館市にある膝関節外科に特化した病床数19の有床クリニックです。人工膝関節置換術や膝靭帯再建術の症例が豊富です。

表1.施設別の研修担当分野一覧

指導医別の研修担当分野は,添付資料3を参照.

表2.施設別の症例実績一覧


4-2.研修スケジュールの概要

 医学の進歩とともに専門医に求められる医療レベルはますます高度化し、従来の『徒弟制度』では習得すべき知識や技術の教育が十分にカバーしきれないとの考えの元に研修制度の改革は進んできました。しかし、外科的技術を確実に身に着けるためには、 “See one, do one, teach one” (最初は熟練者の技術を見て学び、次には自ら実践しつつその経験の中から学び、さらにそうして獲得した知識や技術を後輩に伝える作業を通して自らの能力を完成させてゆく)という洋の東西を問わず伝統的に用いられてきたスキームが欠かせません。そこで、本プログラムでは、専門医養成に向けた4年間の研修期間のうち1~2年目(PGY-1&2)を学習(See one)期、3年目(PGY-3)を 実践(Do one)期、4年目(PGY-4)を 完成(Teach one)期と規定して研修を進めます。各学年における研修内容の概略は以下の通りです。

PGY-1: 初年度目標は、基本的知識の習得です。1年間を通じて本プログラムの基幹施設である獨協医科大学埼玉医療センターで研修を行い、下肢・上肢・脊椎の各班を4か月間ずつローテーションして、主に病棟業務を担いながら整形外科臨床診療に基礎的な知識と技術を学びます。各種整形外科疾患に関する学術的知識は、術前カンファレンスで行う症例プレゼンテーションに向けての準備を通して、上級医の指導の下で学びます。担当患者の手術には助手として参加し、高度な外科的技術を間近で観察しながら上級医との質疑応答を繰り返し、生きた知識を吸収します。手術スキルに関しては、基礎的技術を身に着けるトレーニングを日々行ってゆく一方で、国内外の臨床解剖セミナーへの参加により関節鏡などの高度技術の臨床外トレーニングを行う機会も提供します。

PGY-2: この年度の目標は、基礎的診断能力の獲得です。引き続き臨床的知識や技術を学びながら、上級医の指導の下で外来診療にも参加して診断能力を磨きます。初診患者の問診や身体所見、画像診断などから得た情報を、自らの持つ知識や文献上情報と照らし合わせて病態を理解し、的確な治療方針を立てるという一連の過程を独力で行うためのトレーニングをしてゆきます。手術スキルに関しては、上級医の指導の下で基本的整形外科手術を術者として行うトレーニングを開始します。

PGY-3: この年度の目標は、実践を通しての臨床能力の向上です。外来診療は、自らの診断の元に治療方針を立てその結果を評価して方針の修正をしてゆくという一連の過程を、上級医のバックアップを得ながらも基本的には独力で行うトレーニングをします。手術に関しても、上級医の指導の下でより自ら方針を立て、実践してゆくトレーニングをします。また技術の向上に合わせて、より高度な手術にも挑戦してゆきます。なお、自らが行った治療行為の結果から学ぶために、この年度の研修は基本的には通年同一施設で行います。

PGY-4: この年度の目標は、整形外科専門医に必要とされる基本的な知識とスキルの完成です。主な研修施設は大学病院で、専門スタッフの監督下で初年度専攻医や初期研修医の指導をする事により、自らの基礎知識や臨床能力を高めます。手術に関しては、引き続き自らの技術を磨くとともに、専門性の高い手術の計画・実行・フォローという一連の過程に深く関与することにより、専門医資格取得後のサブスペシャリティー選択に備えます。

4-3 研修モデルプラン

提携施設のローテーションスケジュールは、専攻医の希望を最大限に考慮しながら、プログラム在籍中の専攻医数と提携施設における指導準備態勢にしたがって年度毎に決定するため、代表的なモデルプランを下表に提示する。 Plan #1と#2は一般整形外科診療に必要とされる知識と技術を網羅しつつ、より専門的なサブスペシャリティーを持つ整形外科専門医を養成することを目指す一般的プランです。Plan #3と#4は、より高度な専門研修を行いつつ学術研究のスキルも身に着けることを目指すプランで、一般整形外科研修を3年目までにほぼ終了し、4年目には北海道大学とその関連の専門性の高い提携施設で半年間ずつの研修を組み込んだことが特徴です。また、希望者により地域医療に特化した研修プランのアレンジも可能です。






5.研修実施方法の詳細と規定

参照資料: 整形外科専門研修プログラム整備基準及び付属資料(日本整形外科学会HP)http://www.joa.or.jp/jp/edu/index.html

5-1 基本方針:

日本整形外科学会が策定した整形外科専門研修プログラム整備基準(以下『整備基準』)の「整形外科専門研修カリキュラム」(付属資料3)に沿って、獨協医科大学埼玉医療センター(基幹施設)および連携施設群において研修を行います。専門知識習得の年時毎の到達目標と専門技能修得の年時毎の到達目標は、「専門知識習得の年次毎の到達目標」(付属資料1)および「専門技能習得の年次毎の到達目標」(付属資料2)を参照して下さい。
研修実績の記録と評価には、日本整形外科学会整形外科専門医管理システムを用います。専攻医は、各研修領域終了時および研修施設移動時に日本整形外科学会が作成したカリキュラム成績表の自己評価欄に行動目標毎の自己評価を行います。また指導医評価表で指導体制、研修環境に対する評価を行います。指導医は、専攻医が行動目標の自己評価を終えた後にカリキュラム成績表の指導医評価欄に専攻医の行動目標の達成度を評価します。また、指導医は抄読会や勉強会、カンファランスの際に専攻医に対して教育的な建設的フィードバックを行います。

研修実績と評価をもとに、専門研修最終年度の3月に研修プログラム管理委員会において、専門研修修了判定を行います。判定基準は【5。6修了要件】に定めるとおりです。 このプログラムおよび専門研修プログラム管理委員会はサイトビジットを含む第3者の評価・指導を受けます。またその際に研修プログラム統括責任者、研修連携施設指導管理責任者、指導医ならびに専攻医は真摯に対応いたします。


5-2 研修計画

整形外科の研修で経験すべき疾患・病態は、骨、軟骨、筋、靱帯、神経などの運動器官を形成するすべての組織の疾病・外傷・加齢変性です。また新生児、小児、学童から成人、高齢者まで全ての年齢層が対象となり、その内容は多様です。この多様な疾患に対する専門技能を研修するために、整形外科専門研修は1ヶ月の研修を1単位とする単位制をとり、全カリキュラムを脊椎、上肢・手、下肢、外傷、リウマチ、リハビリテーション、スポーツ、地域医療、小児、腫瘍の10の研修領域に分割し、専攻医が基幹病院および連携病院をローテンションすることで、それぞれの領域で定められた修得単位数以上を修得し、4年間で48単位を修得する修練プロセスで研修します。

① 専門知識の習得計画

「整形外科専門研修カリキュラム」(『整備基準』付属資料3)に沿って専門知識研修を実施します。知識習得状況は、6ヵ月毎に自己評価および指導医評価の両面から評価し、「カリキュラム成績表」(『整備基準』付属資料7)に記録します。また、専門研修プログラム管理委員会による専攻医面接を年1回行い、この成績表を参照しながら知識習得に関する目標設定・取得単位調整・指導を行います。 専攻医の過半数が獲得できていない知識があれば、これを獲得するためのセミナーを専門研修プログラム管理委員会が開催します。


② 専門技能の習得計画

「整形外科専門研修カリキュラム」(『整備基準』付属資料3)に沿って専門技能研修を実施します。技能習得状況は、6ヵ月毎に自己評価および指導医評価の両面から評価し、「カリキュラム成績表」(『整備基準』付属資料7)に記録します。また、専門研修プログラム管理委員会による専攻医面接を年1回行い、この成績表を参照しながら技能習得に関する目標設定・取得単位調整・指導を行います。
専攻医の過半数が獲得できていない技能があれば、これを獲得するための セミナーを専門研修プログラム管理委員会が開催します。


③ 経験目標(経験すべき疾患・病態、診察・検査等、手術処置等)

「整形外科専門研修カリキュラム」(『整備基準』付属資料3)に明示された各項目における経験症例数以上を、獨協医科大学埼玉医療センター及び連携施設で偏りがないように経験することができます。


④ プログラム全体と各施設によるカンファレンス

「整形 各研修施設の研修委員会の計画の下、症例検討・抄読会はすべての施設で行います。専攻医の知識・技能習得のためのセミナーを専門研修プログラム管理委員会が企画・開催します。


⑤ リサーチマインドの養成計画

毎年1月に開催される『獨協医科大学埼玉医療センター整形外科集談会』において、すべての専攻医は自ら経験した症例を用いた研究成果を発表します。研究指導は各施設の指導医が行います。特に優れた研究成果は、基幹施設と連携施設の指導医が連携して指導し、国内外の専門学会への発表・論文化をサポートします。(主発表者としての学会発表に対しては、プログラムが必要経費をサポートします。)


⑥ 学術活動に関する具体的目標とその指導体制

専攻医が学会発表年1回以上、また論文執筆を年1本以上行えるように指導します。専門研修プログラム管理委員会は全専攻医の学会発表数および論文執筆数を年1回集計し、面接時に指導・助言します。


⑦ コアコンピテンシーの研修計画(医療倫理、医療安全、院内感染対策等)

整形外科専門医としての臨床能力(コンピテンシー)には、専門的知識・技能だけでなく、医師としての基本的診療能力(コアコンピテンシー)が重要であることから、どの領域から研修を開始してもコアコンピテンシーを身につけさせることを重視しながら指導し、さらに専攻医評価表を用いてフィードバックをすることによってコアコンピテンシーを早期に獲得させます。
獨協医科大学埼玉医療センターおよび各研修施設の医療倫理・医療安全講習会に参加し、その参加状況を年1回専門研修プログラム管理委員会に報告します。


⑧ 地域医療に関する研修計画

本プログラムの基幹病院である獨協医科大学埼玉医療センターが所属する埼玉県は、人口10万人あたりの医師数が142.6人(2010年調査)と全国平均の219.0人を大幅に下まわり、人口対比率が全国最下位の医療過疎県である。本プログラムの研修施設群がおおく存在する東部地区と利根地区はこの典型的地域であり、プログラム中の研修は必然的にこうした医師不足地域の中核病院や中小病院を中心に行うこととなる。


⑨ サブスペシャルティ領域との連続性について

整形外科専門医のサブスペシャルティ領域として、日本脊椎脊髄病学会専門医、日本リウマチ医学会専門医、日本手外科学会専門医があります。本プログラムの基幹施設である獨協医科大学埼玉医療センターおよび連携施設にはこれらサブスペシャルティ領域の研修施設が複数施設ずつ含まれています。整形外科専門研修期間からこれらのサブスペシャルティ領域の研修を行うことができ、専攻医のサブスペシャルティ領域の専門研修や学術活動を支援します。


5-3 研修およびプログラムの評価計画

① 専攻医の評価時期と方法

各専攻医は、6か月毎(9月末および3月末)に研修達成度の自己評価を行うとともに指導医からの評価を受け、結果を記録した「カリキュラム成績表」(『整備基準』付属資料7)を専門研修プログラム管理委員会に提出して研修プログラム単位の認定を受けます。また各施設での研修終了時には、「専攻医評価表」(『整備基準』付属資料10)により他職種からの評価を含む研修態度の総合評価を受け、この結果は各研修施設の専門研修指導責任者から委員会に提出されます。 年度末には、学会発表および論文執筆の記録と教育研修講演受講状況も専門研修プログラム管理委員会に提出し、プログラム単位の取得状況を中心とした研修進行状況の総合的な年次評価を受けます。


② 専門研修プログラム管理委員会の運営計画

専門研修プログラム管理委員会は、プログラム統括責任者を委員長、各連携施設の専門研修指導責任者を委員として、基幹施設(獨協医科大学埼玉医療センター)内に設置されます。管理委員会のおもな業務は以下の通りです。

(プログラム運営に係る財務および事務は、同施設内に設置された管理事務局が行います。)
・定期委員会を年4回(6, 9, 12, 3月)開催(プログラムの運営状況を確認し、問題があれば逐次対処。必要時に応じて臨時委員会を開催。)
・年度末(3月)に専攻医面接と総合的年次評価
・年度末(3月)に専攻医4年次の修了判定
・活動報告をまとめてウェブサイト上に公開


③ プログラムとしてのFD(Faculty Development)の計画

指導医は「整形外科指導医マニュアル」(『整備基準』付属資料12)に従って専攻医を指導します。
指導医の指導技能向上のためのセミナーを専門研修プログラム管理委員会が企画・開催します。厚生労働省および日本整形外科学会主催の指導医講習会へ参加し、その参加状況を年1回専門研修プログラム管理委員会に報告します。


④ 専門研修プログラムの改善方法

専門研修プログラム管理委員会で年1回検討し、必要に応じてプログラム改定を行います。また年度末の委員会前には、専攻医および指導医を対象として改善点を抽出するためのアンケート調査を行います。

5-4 専攻医の就業環境の整備機能(労務管理)

専門研修プログラム管理委員会は、専攻医に対するアンケートと面接で各施設の就業環境を調査します。就業環境に改善が必要であると判断した場合には、当該施設の施設長および専門研修指導責任者に文書で通達・指導します。

5-5 研修プログラムの休止・中断・他プログラムへの移動・プログラム外研修の条件

傷病、妊娠、出産、育児、その他やむを得ない理由がある場合の休止期間は、合計6ヶ月間以内とします。限度を超えたときは、原則として少なくとも不足期間分を追加履修することとなります。疾病の場合は診断書、妊娠・出産の場合はそれを証明する書類の提出が必要です。留学や診療実績のない大学院の期間は、研修期間に組み入れることはできません。また研修の休止期間が6ヶ月を超えた場合には、専門医取得のための専門医試験受験が1年間遅れる場合があります。専門研修プログラムの移動に際しては、移動前・後のプログラム統括責任者及び整形外科領域の研修委員会の同意が必要です。

5-6 修了要件

① 各修得すべき領域分野に求められているすべての必要単位の取得
② 行動目標のすべての必修項目について目標を達成
③ 臨床医として十分な適性が備わっていること
④ 研修期間中に日本整形外科学会が主催又は認定する教育研修会を受講し、所定の手続により30単位を修得
⑤ 1回以上の学会発表を行い、筆頭著者として1編以上の論文を公表
以上①~⑤の修了認定基準をもとに、専攻研修4年目の3月に専門研修プログラム管理委員会において修了判定を行います。


6.専門研修プログラムを支える体制

①専門研修プログラムの管理運営体制

基幹施設である獨協医科大学埼玉医療センターにおいては、指導管理責任者(プログラム統括責任者を兼務)および指導医の協力により、また専門研修連携施設においては指導管理責任者および指導医の協力により専攻医の評価ができる体制を整備します。専門研修プログラムの管理には日本整形外科学会が作成した指導医評価表や専攻医評価表などを用いた双方向の評価システムにより、互いにフィードバックすることによって研修プログラムの改善を行います。
 上記目的達成のために獨協医科大学埼玉医療センターに専門研修プログラムと専攻医を統括的に管理する整形外科専門研修プログラム管理委員会を置きます。本研修プログラム群には、整形外科専門研修プログラム統括責任者1名およびこれを補佐する副プログラム統括責任者1名置きを置きます。

② 基幹施設の役割

基幹施設である獨協医科大学埼玉医療センターは専門研修プログラムを管理し、プログラムに参加する専攻医および連携施設を統括します。 獨協医科大学埼玉医療センターは研修環境を整備し、専攻医が整形外科の幅広い研修領域が研修でき、研修修了時に修得すべき領域の単位をすべて修得できるような専門研修施設群を形成し、専門研修プログラム管理委員会を中心として、専攻医と連携11 施設を統括し、専門研修プログラム全体の管理を行います。

③ 専門研修指導医

指導医は専門研修認定施設に勤務し、整形外科専門医の資格を1回以上更新し、なおかつ日本整形外科学会が開催する指導医講習会を5年に1回以上受講している整形外科専門医であり、本研修プログラムの指導医は上記の基準を満たした専門医です。

④ プログラム管理委員会の役割と権限

1) 整形外科研修プログラム管理委員会は、研修プログラムの作成や研修プログラム相互間の調整、専攻医の管理及び専攻医の採用・中断・修了の際の評価等専門医研修の実施の統括管理を行います。
2) 整形外科研修プログラム管理委員会は研修の評価及び認定において、必要に応じて指導医から各専攻医の研修進捗状況について情報提供を受けることにより、各専攻医の研修進捗状況を把握、評価し、修了基準に不足している部分についての研修が行えるよう、整形外科専門研修プログラム統括責任者や指導医に指導・助言する等、有効な研修が行われるよう配慮します。
3) 研修プログラム管理委員会は、専攻医が研修を継続することが困難であると認める場合には、当該専攻医がそれまでに受けた専門医研修に係る当該専攻医の評価を行い、管理者に対し、当該専攻医の専門医研修を中断することを勧告することができます。
4) 研修プログラム管理委員会は、専攻医の研修期間の終了に際し、専門医研修に関する当該専攻医の評価を行い、管理者に対し当該専攻医の評価を報告します。
5) 整形外科専門研修プログラム管理委員会の責任者である専門研修プログラム統括責任者が、整形外科専門研修プログラム管理委員会における評価に基づいて、専攻医の最終的な研修終了判定を行います。
6) 獨協医科大学埼玉医療センターは連携施設とともに研修施設群を形成します。常陸大学付属病院に置かれたプログラム統括責任者は、総括的評価を行い、修了判定を行います。また、プログラムの改善を行います。

⑤ プログラム統括責任者の役割と権限

プログラム統括責任者は、整形外科領域における十分な診療経験と教育指導能力を有し、以下の整形外科診療および整形外科研究に従事した期間、業績、研究実績を満たした整形外科医とされており、本研修プログラム統括責任者はこの基準を満たしています。 1) 整形外科専門研修指導医の基準を満たす整形外科専門医 2) 医学博士号またはピアレビューを受けた英語による筆頭原著論文3編を有する者。

プログラム統括責任者の役割・権限は以下の通りとします。

1) 専門研修基幹施設である常陸大学部附属病院における研修プログラム管理委員会の責任者であり、プログラムの作成、運営、管理を担う。
2) 専門研修プログラムの管理・遂行や専攻医の採用・修了判定につき最終責任を負う。

⑥労働環境、労働安全、勤務条件

獨協医科大学埼玉医療センターや各研修連携施設の病院規定によりますが、労働環境、労働安全、勤務条件等へ以下に示す配慮をします。
・研修施設の責任者は専攻医のために適切な労働環境の整備に努めます。
・研修施設の責任者は専攻医の心身の健康維持に配慮します。
・過剰な時間外勤務を命じないようにします。
・施設の給与体系を明示します。


7.募集人数と応募方法

専攻医受入数: 各年次 4名(合計 16名)
応募資格: 2年間の初期臨床研修を修了または修了見込みであり、原則的にはプログラム開始時点で医師免許取得後3または4年目となる者
募集時期: 7月1日頃から
選考時期: 8月1日頃から

【応募方法】

応募に必要な以下の書類を郵送または持参して下さい。選考は書類審査および希望診療科での面接で行います。必要書類の一部は、獨協医科大学埼玉医療センターレジデント募集特設ページ(URL: http://www.dokkyomed.ac.jp/hosp-k/bosyu/116.html)よりダウンロードして下さい。
1. 応募願書(所定用紙ダウンロードできます)
2. 履歴書(所定用紙ダウンロードできます)
3. 健康診断書(所定用紙ダウンロードできます)
4. 医師免許証(写し)
5. 臨床研修病院の修了見込書(研修病院発行のもの)
6. 臨床研修病院の推薦書(または評価表の写し)
  ※獨協医科大学埼玉医療センター初期臨床研修修了見込みの者は3~6は免除 

【病院見学の申し込みについて】

獨協医科大学埼玉医療センターは随時、病院見学を受け付けております。レジデント募集特設ページ(URL: http://www.dokkyomed.ac.jp/hosp-k/bosyu/116.html)のガイダンスに従ってお申込み下さい。

【応募方に関する問い合わせ】

〒343-8555 埼玉県越谷市南越谷2-1-50
獨協医科大学埼玉医療センター臨床研修センター
Tel: 048-965-7842 Fax: 048-965-9356
E-mail: k-kenshu@dokkyomed.ac.jp

【問い合わせ先】

〒343-8555 埼玉県越谷市南越谷2-1-50
獨協医科大学埼玉医療センター整形外科
担当: 小川 真人 (プログラムマネージャー)
Tel: 048-965-1111 Fax: 048-965-4700
E-mail: k1koshigaya@dokkyomed.ac.jp


8.添付資料

資料1: 獨協医科大学埼玉医療センター整形外科の診療班別週間スケジュール

資料2: 獨協医科大学埼玉医療センター整形外科の月間スケジュール

備考
・術後カンファレンス(全グループ合同)では、前週に行われた手術の内容を執刀医が報告し、初期研修医や専攻医の疑問にも回答する.
・総回診後の病棟カンファレンスには、看護師や理学療法士も参加し、入院症例の総合的問題点とその解決策を検討する.
・術前カンファレンス(全グループ合同)では、その日の手術症例の現状と治療方針を受け持ちの初期研修医や専攻医がプレゼンテーションする.
・研修医症例検討会は、翌日の術前カンファレンスで初期研修医や専攻医がプレゼンテーションする症例について指導医および上級医が指導する.