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肥厚性幽門狭窄症は生後3週から3カ月前後の乳児にみられ、飲んだ母乳やミルクを吐く(吐乳)ことから症状が始まります。

男児に多く、300人から900人の赤ちゃんに1人の割合で発症するとも言われています。


胃の出口の筋肉(幽門筋)が厚くなり胃の内容が十二指腸へ流れなくなることが原因です。

幽門筋(矢印)が厚くなり(肥厚)、胃の出口が細くミルクが流れない

進行すると母乳やミルクを勢いよく吐くようになり(噴水状嘔吐)、あかちゃんの体重が減ったり、コーヒーかすを含んだような嘔吐(コーヒー残渣様嘔吐)や黄疸などが見られます。
おなかの触診で肥厚した幽門筋(オリーブ)を確認します。

触診でオリーブの確認が難しい場合には、胃の造影検査や腹部の超音波検査により診断します。

超音波検査で幽門筋の厚さ や幽門の長さを測定し、幽門筋の肥厚(厚さ3mm以上)や幽門管の延長(17mm以上)が認められれば、胃の造影検査は省略し診断することができます。

肥厚性幽門狭窄症の胃造影検査

幽門筋の肥厚のため胃の出口が細くなっている(矢印)
肥厚性幽門狭窄症の腹部超音波検査

幽門筋が肥厚している(赤い矢印)

入院後、点滴(輸液)治療を開始します。

脱水が改善されたら厚くなった幽門筋を切開し胃の内容の通りみちを広げる幽門筋切開術を行なうのが一般的です。

通常、手術の翌日から哺乳を開始し1週間以内に退院することが可能です。


従来、幽門筋切開術を行なうため右上腹部の横切開(肋骨の下を横に4cm程度切開する方法)が用いられてきました。
しかし、最近では整容的(美容的)観点から臍部弧状切開法(おへそに沿った切開)が用いられるようになり手術後の傷あとはほとんど目立ちません(創あとの小さい手術を参照)。

また腹腔鏡を用いたアプローチで幽門筋切開術を行なう施設もあります。

獨協医科大学越谷病院小児外科では臍部弧状切開法を用いて幽門筋切開術を行なっています。


従来の切開法 現在の臍部弧状切開法



獨協医科大学越谷病院小児外科の手術の実績:

従来の右上腹部横
切開法
現在の臍部弧状切開法
実施時期 1994年から2000年 2000年から2004年
症例数 19例 20例
特徴 創(きず)が目立たない
手術時間(中央値) 40分 65分
術後在院日数(中央値) 8日 6日
術中・術後の合併症 術後腸閉塞1例 縫合糸膿腫1例

* 臍部弧状切開法では手術時間が1.5倍に延長します。
当院の過去10年間の経験では幽門筋切開時の粘膜穿孔や不十分な筋切開による再手術などは1例もありません。


近年、手術を行なわず硫酸アトロピンの内服や注射で肥厚性幽門狭窄症を治療する内科的治療を行なう施設もあります。
しかし、硫酸アトロピンを用いた治療法は治療や入院に長期間を要したり、また効果が不確実であったりすることから、一般には外科的治療が選択されます。
SCIENCE

肥厚性幽門狭窄症の原因:

肥厚性幽門狭窄症の成因に関しては古くから様々な仮説がある。最近では一酸化窒素(NO)合成酵素の欠損が関与するとの説がしめされたり、消化管ホルモン“モチリン”と同様の作用を有する抗生物質エリスロマイシンを乳児に投与したら肥厚性幽門狭窄症が多発したとの報告もあり、本症の発生原因を考える上で大変、興味深い。

また、家族内に発生することも3%‐18%の頻度でみられ、遺伝的素因が本症の発生に関与することも想定されている
Last Update 2013/10/16