「小児がんの臨床試験」


以下は「平成19年度 厚生労働科学研究[がん臨床研究事業]研究成果発表会(一般向け)」のプログラムに掲載したものです。

 今や国民の4人に1人ががんで亡くなる時代と言われており、がんの征圧は重要な政策課題としても認識されております。幸い、小児のがんは比較的稀な病気であり、治療法もここ20 年ほどの間に大きく進歩し、治療成績は3人に2人が助かるまでに改善しました。しかし、いまだに小児がんの真の原因究明には時間がかかり、その予防策は不明であり、また一部にはなかなか治療成績の改善がみられない病気があるのも事実です。たとえ小児がんから治癒しても、治療による障害(晩期障害)に向きあわなければならないこともあります。
このような決して数多くない病気(稀少疾患)の治療成績を改善するためには、医療者が互いに協力しあってよりよい治療法を見いだす努力をする必要があります。日本では1980年代の中頃から神経芽腫のグループ研究が開始されました。治療する医師が全国的な協力体制を作って優れた治療法を見出そうとする努力です。その後、このような努力は他の小児がんにもひろがり、現在ではグループ研究により実施される臨床研究や臨床試験は新たな治療法の開発のためには欠かせないものとなりました。医師の経験や信念に基づく医療とは異なり、臨床試験では治療法の科学的根拠が示され、また数多い医師が参加しますので治療の質が保証されます。したがって患者さんは、臨床試験に参加することによって最善の治療の機会が得られるといっても決して過言ではありません。
現在、小児がんに携わる医師や学会では、小児がんと闘う子どもたちが一人でも多く病気を克服し健やかに成長できるようにと願い、臨床研究や臨床試験を実施し、また医療体制の整備にも力を注いでおります。本研究成果発表会はその一端を理解していただこうと企画されたものです。多くの皆様のご出席と討議へのご参加を心よりお願い申し上げる次第です。


 獨協医科大学越谷病院小児外科教授 池田 均
                        
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Last Update 2013/10/16