麻酔ついて
ペインクリニックについて
外来担当医

麻酔科診療について

⦿ ペインクリニックについて


◆ペインクリニックって何?

 「痛み」は人間が生活していく上でなくてはならない非常に重要な危険信号です。もし痛みを感じることができなかったら体が傷ついても分からなかったり、お腹の調子が悪くなっても気付かなかったりして決して長生きすることはできないでしょう。しかしこの「痛み」は警告としての役割を終えて原因を究明した後では非常に有害なストレスとなります
 人はこの痛みのストレスが長く続くと、自律神経のバランスが崩れ交感神経の緊張が強くなり各所で血液の循環障害が起こります。その結果新たな発痛物質が表れ、元々あった痛みが強くなったり、他の場所に新しい痛みが出現したりとさらなるストレスが加わります。このようにして「痛み」のストレスをためていくことで痛みの悪循環が起こりなかなか治らない、時には生活に支障をきたすような長くつらい痛みとなっていきます。
 ペインクリニックでは交感神経ブロックという注射療法を中心に薬物療法や温熱療法などを併用しながらこの痛みの悪循環をなくし、平穏な日常を送ることを目標とした治療をおこなっています。

◆どんな疾患が対象なの?

 痛みを伴うすべての疾患、本来の痛みの機能に由来する痛み(侵害受容性疼痛)、病的な痛み(神経障害性疼痛)、心情と密接に関係する痛み(心因性疼痛)などがペインクリニックの対象となります。具体的には腰椎椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症などの腰痛や下肢痛、頸椎症頸椎椎間板ヘルニアなどの頚部上肢の痛み、肩こりが原因の緊張型頭痛、帯状疱疹や帯状疱疹後神経痛による痛み、三叉神経痛、手術後や外傷後の長引く痛み、幻肢痛などと幅広く、部位別にみても、頭部・顔面痛・頚肩腕痛・胸背部痛・腹痛・腰下肢痛・骨盤内・陰部痛など身体のあらゆる箇所の痛みが対象となります。
 その他にもバージャー病や膠原病または閉塞性動脈硬化症などによる末梢血流障害、多汗症、顔面神経麻痺、突発性難聴、網膜中心動脈閉塞、顔面痙攣、痙性斜頸なども治療の対象になります。

◆どんな治療をするの?

 血流改善を目的とした交感神経ブロックを中心に、その他の知覚神経や運動神経に対する神経ブロック、筋膜の炎症部位に注射をするトリガーポイント注射、膝や脊椎の関節への関節腔内注射など数多くの注射療法を主力に痛みの治療を行っています。他に赤外線やキセノンを用いた光線療法、鍼治療、経皮的電気治療、イオントフォレーゼ、脊髄電気刺激療法などの各種鎮痛処置も行っております。
 また各種様々な原因の痛みに対応した薬物療法も重要な治療法の一つです。一般的な消炎鎮痛薬のほかに抗不安薬や抗けいれん薬、抗不整脈薬などを組み合わせてつらい痛みを和らげていきます。これらの薬剤は鎮痛薬ではないが鎮痛作用を発揮する薬剤で鎮痛補助薬と呼ばれます。しかし慢性疼痛の場合はこれらの薬物療法では効果の少ないことも多く漢方薬も多く併用しています。漢方薬には気、血、水の流れを改善する効果があり、他の薬剤では対応しきれない様々な痛みの原因を取り除く作用を持っています。
 これらの治療を用いても十分な鎮痛が得られない場合には麻薬性鎮痛薬と呼ばれる医療用麻薬を用いて痛みを取り除く方法もあります。

◆神経ブロックって何?

 ペインクリニックでは硬膜外ブロック星状神経節ブロックに代表される交感神経ブロックを頻用しています。これらのブロックは局所麻酔薬といわれる神経伝達を妨げる薬を注射し一時的に交感神経の働きを抑えることを目的としています。交感神経の働きが抑制された結果、副交感神経の働きが強くなりその支配領域の血流増加が起こります。ダメージを受けて傷み炎症を起こした神経や筋組織は、この血流増加効果によってその炎症を抑えられダメージの回復が促進されます。つまり交感神経ブロックは局所の血流増加させることによって組織の復活を手助けする治療です。この神経ブロックを何回か繰り返し神経や筋組織のダメージが回復することによって痛みを緩和させるのがペインクリニックにける交感神経ブロックです。しかし炎症が激しい場合には残念ながら数回の注射で痛みをきれいに消し去ることは難しく長期にわたり治療が必要となることもあります。しかし交感神経ブロックは体の中の異物を除去する能力を活性化させる働きもあるため交感神経ブロックを繰り返すことによって椎間板ヘルニアがなくなったという報告も数多くあります。
 その他前述した血流障害が主症状となる疾患では大変効果的な治療手段となります。


トップに戻る