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大動脈弁閉鎖不全症を伴う大動脈弁輪拡張症(AAE)に対する手術について
大動脈弁閉鎖不全症を伴う大動脈弁輪拡張症(AAE)に対する手術について

AAEは人工弁付き人工血管を用いて大動脈弁置換を行い、冠動脈は人工血管の側面に直接吻合し、大動脈基部を完全置換するBentall手術が基本術式となっており、自己の大動脈弁を温存し人工弁を用いない自己弁温存大動脈基部置換術(AVS)は我が国において未だ13%の症例にしか行われていません。AVSの最大の利点は抗凝固療法を一切必要とせず、人工弁に関連する合併症を避けることができ、長期予後も含め良好な遠隔成績が期待できることです。AVSにはreimplantaion法、remodeling法の二つの方法があり、各々長所・短所があります。Valsalva洞の形態が保たれる点ではremodeling法が有利と考えられ、弁輪拡大の予防における点ではreimplantation法が有利であるとされてきました。
しかし最近では各々の短所を補う方法がとられ、reimplantation法においてはValsalva洞付き人工血管が用いられ、remodeling法では弁輪形成が行われてきています(図1)。 当科におきましてはreimplantation法に比べて大動脈基部の剥離が少なく、技術的に簡便であり、手術時間短縮や大動脈遮断時間が短縮できる弁輪形成を併用したremodeling法を2014年10月から開始しました(図2)。これまでにAAE6例の全例に実施され、短期成績は良好です。今後AAEのみならず、若年者、特に二尖弁の大動脈弁閉鎖不全症に対しても自己弁を温存した大動脈弁形成術(図3、図4)を積極的に行っていく所存であります。

図1 remodeling法、reimplantation法

図2 術前CT・術後CT

図3 大動脈二尖弁における弁尖形成法 Arantius小体縫縮による自由縁短縮

図4 大動脈二尖弁における弁尖形成法 rapheの切除及び縫合