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大動脈瘤の治療方法について
大動脈瘤の大きさや形態、あなたの全身的な健康状態により、動脈瘤をどのように治療していくかが決定されます。動脈瘤が小さい場合には、動脈瘤を観察するための定期検診を薦めます。しかしながら、より大きな動脈瘤または急速に拡大しているなど破裂のリスクが高い動脈瘤等は治療を必要とします。
大動脈瘤に対するステントグラフト治療
手術を必要とされる大きさは病因や動脈瘤の形状で若干違いますが、一般的には
胸部大動脈瘤 → 5.5-6 cm
腹部大動脈瘤 → 5 cm です。

治療の方法は、次の2つの選択的手法があります。
開胸・開腹外科手術または血管内治療術です。
腹部大動脈瘤の治療の選択肢について
→ 開胸・開腹外科手術
開胸・開腹外科手術は胸部および腹部大動脈瘤の伝統的な選択枝です。これは、胸部または腹部を切開して疾患部位(動脈瘤)を人工血管で置換し、縫合糸で縫合することによって大動脈を修復する術式です。この手法では人工血管で疾患部位を置換する間は動脈血流を止める必要があります。開胸・開腹外科手術は主として全身麻酔下で行われ、手術終了までに約2-4時間を要します。患者は、通常一晩は集中治療室に入り、別途5日間以上入院します。体の治癒の速さにもよりますが、入院期間や回復期間は約3ヶ月を要することがあります。
開胸・開腹外科手術は腹部大動脈瘤の治療の手段として立証されていますが、すべての患者がこの術式に適応可能なわけではありません。開胸・開腹手法に関連したリスクは患者の全身的な健康状態に関係します。

→ 血管内治療
血管内治療は腹部大動脈瘤の治療としては比較的新しい手法です。開胸・開腹外科手術よりも侵襲性が低く、血管の疾患部の内側にステントグラフトを配置し、新しい血流路を確保することにより動脈瘤を排除(血流から密封)するものです。ステントグラフトは動脈内で拡張力や金属製のアンカーの働きにより永久的に動脈内に留置されます。血管内治療は全身麻酔、部分麻酔又は局所麻酔下で、患者の意識がある(覚醒している)状態で鎮静している間に行われ、手術の終了までに概して1-3時間を要します。患者は数日入院するだけでよく、通常では手術後6週間以内で日常生活への復帰が可能です。
この手法は特に日常的に定期的なフォローアップ受診が必要とされます。検査の実施は、手法を評価し、治療の成功を経過観察するために行われます。
全ての患者が血管内治療術に該当するわけではありませんが、当科では解剖学的に可能な限りこの血管内治療を選択する方針にしています。



胸腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療
ステントグラフトについて
現在日本では、胸部大動脈瘤に対しては2種類、腹部大動脈瘤に対しては3種類のステントグラフトが厚生労働省の承認を受けております。

本邦で使用可能な胸部用ステントグラフト
腹部大動脈瘤に対する各種ステントグラフト
術後不可欠なフォローアップ評価について

現在、フォローアップは1ヶ月、6ヶ月、その後1年毎に受診するようにします。

これらの検査や検診は、治療の成果や何らかの経時変化を評価するために必要なことから実施されています。フォローアップ検診での結果を基に追加評価を要求することもあります。これにより、動脈瘤内への血流の再流入、または動脈瘤の拡大が発見される場合もあります。

血管内治療の主な問題点
血管内修復術の長期的な安全性や有効性は確立されていません。患者の中には次のような症状について追加治療が必要とされる方もいます。

エンドリーク
エンドリークは大動脈からの血流が継続的に腹部大動脈瘤内に漏れるとき起こります。ほとんどのエンドリークは医療上の問題を起こすことはありませんが、追加治療が必要な患者も少数存在します。
大動脈瘤の増大または破裂
大動脈瘤の増長に関連した症状は常に発現するわけではありませんが、症状がでた場合、最も一般的なのは、痛み、しびれ感、脚部、背部、胸部、腹部の虚脱があげられます。
大動脈瘤破裂の症状には、眩暈、失神、頻脈または突然虚脱があげられます。
四肢閉塞
歩行時の臀部または脚部の痛み、または脚部の変色又は低体温の症状があげられます。
治療方針を決定するにあたって

ステントグラフトを用いた血管内治療について、次のようなリスクおよび利点を再確認してください。

血管内治療術と開腹外科手術間のリスクの違いについて
伝統的な開腹外科手術の潜在的な優位点について
血管内治療術の潜在的な優位点について
初回の血管内治療術後に必要とされる可能性がある二次的な血管内治療または外科手術の可能性について

血管内治療術のリスクおよびベネフィットだけでなく安全かつ有効な結果を持続させるために必要な術後のフォローアップについても、同意頂くようにお願いします。

更に詳しい情報をお求めの方は日本ステントグラフト実施基準管理委員会のホームページをご参照ください。

胸部大動脈ステントグラフト指導医
福田 宏嗣
井上 有方
堀  貴行
武井 祐介
胸部大動脈ステントグラフト実施医
桒田 俊之
清水 理葉(日光医療センター)
腹部大動脈ステントグラフト指導医
福田 宏嗣
緒方 孝治
井上 有方
桒田 俊之
堀  貴行
清水 理葉(日光医療センター)
武井 祐介
腹部大動脈ステントグラフト実施医
土屋 豪
小川 博永
関  雅浩