教授挨拶

診療科長のご挨拶

教授

獨協医科大学 第一外科学教室は、初代信田重光名誉教授のもと1973年に外科学講座が開講し、長島金二教授の誕生で、成人外科と小児外科の基盤が築かれています。 その後1993年に第2代教授として砂川正勝教授が就任し、消化器外科、内分泌外科(乳腺甲状腺)および小児外科を柱とした先進的な医療が引き継がれています。そして2009年より第3代教授として第一外科学診療科長を拝命し、諸先輩方によって築き上げられた輝かしい良き伝統を踏襲し、獨協医科大学ならびに外科学講座のさらなる発展に粉骨砕身の覚悟で臨む所存でございます。

 昨今の医療情勢は大きな転換期を迎えており、医療環境はかなり厳しい現況であります。2004年4月に必修化された新しい医師の臨床研修制度に端を発して、医師不足による小児医療・産科医療の崩壊、麻酔医不足による手術制限、救急医療の崩壊など様々な問題が浮彫りになっています。また中小病院、特に自治体病院の経営破綻から閉鎖に追い込まれる場合も相次ぎ、「医療崩壊」と呼ばれる現象が引き起こされています。微力ながらこの医療環境を改善すべく、大学および地域医療の発展のため精進したいと考えております。そのような状況の中で、教室の基本的な運営方針としては、(1)次世代医療人の育成、(2)先進的医療の開発・実践、(3)地域医療への貢献、(4)チーム医療の推進、を掲げて重点的に取り組んでいきたいと考えております。

 診療面においては、県民約200万人が居住する栃木県のほぼ中央に位置する大学病院として、伝統的に引き継がれた成人外科および小児外科を中心に専門性を活かした先進的医療を行うと同時に、チーム医療を推進し有機的な診療体制を行っています。消化器癌診療では、根治性を損なわずQOLの向上を目指した治療を模索し、①臓器温存治療のひとつとして内視鏡的治療の普及および適応拡大、機器の開発、②外科治療における鏡視下手術の充実、③手術前後の化学・放射線療法の強化、④再発癌に対する早期発見とその集学的治療の強化などに力を傾注しています。また内分泌外科および小児外科に関しましてもトップレベルの医療水準を保つことを目標としています。

 教育面では、医学部臨床実習生には「講義」よりも「実践」を重視し、外科手術の魅力や喜びを伝え、その充実感や満足感を味わっていただける学習環境を構築したいと思います。卒後研修医教育では 教室のスタッフ皆で教育に携わり、 幅広い臨床能力を確実に体得できるよう指導し、チーム医療の教育の一貫としてon the job training (OJT;仕事中,仕事遂行を通して訓練をすること)を徹底しています。また動物を用いた内視鏡手術のトレーニングは、地方のトレーニング教育施設を利用して行っています。診療科での専門医教育では社会人として高貴な人格を備え、高いprideとmotivationを有し、専門医および学位取得を目指す教育体制を構築したい。つまり、医学を志す若者が入局を多く希望するような魅力的な教室を築きことができるように体制の整備を計り、教室員と共に日夜研鑽を積みたいと存じます。

 研究面では基礎的・臨床的な研究に積極的に取り組み、臨床応用を常に視野に入れた研究に力を注ぎ、情報発信という大学病院の務めを果たして参りたいと考えております。また他の講座や企業との共同研究を推進し、腫瘍診断学や、再生医療および遺伝子医療を用いたトランスレーショナルリサーチの発展に取り組んでいきたいと思います。
以上、私の理念や運営方針を申し上げましたが、今後とも我々一丸となって当教室が本邦屈指の外科学教室となることを目標に努力してまいります。今後も引き続き尚一層のご指導、ご鞭撻を賜りますよう謹んでお願い申し上げます。