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はじめに

   科学の進歩は、些細な好奇心に根ざす「知りたい」と言う人間の欲求から生み出されると言っても過言ではないと思う。「知る」と言うことは人に安心をもたらすと共に、今の豊かさと未知なる世界への窓口を人に与えてくれる。ただ、無節操な科学の進歩は、地球環境の破壊、人類繁栄の源である人間社会の倫理観の崩壊等をもたらす。それでは、健全な科学の進歩には何が必要か?
   科学の進歩が「知りたい」と言う自己中心的な感情から発し、探求活動を経て「知り得た」まで到達することだとすると、探求活動における利他の心こそが健全な科学の進歩に必要ではないだろうか。利他の心とは自己を取り巻く「環境や生き物、人間社会」のことを思うこと、すなわち、自己と非自己とのつながり「絆」を意識することだと思います。
   我々の社会活動では「絆」が大切ですが、約60兆個の細胞の集まりである多細胞生物であるヒトでも、健全な生命活動は約60兆個の細胞同士の「絆」によって維持されています。さらに、細胞増殖・分化、細胞運動などの細胞機能は、約3万個の蛋白質、脂質、DNA、RNAの「絆」によって維持されています。したがって、生命現象の解明は、これらの「絆」を解き明かすことと捉えることが出来ます。
   「絆」をキーワードに、私達の研究室では教室員同士の「絆」、他の教室の研究者との「絆」を大切にし、科学の進歩に少しでも貢献出来るように生命現象に潜む「絆」を解き明かすべく日々研究活動を行っています。


教室紹介

   分子細胞生物学講座は、獨協医科大学医学総合研究所の研究部門に1999年2月に新設され、その後改組により医学部に編入されました。現在、基礎医学講座の一員として、学部学生・大学院生の教育を分担すると共に、生化学的、分子生物学的、細胞生物学的アプローチを総動員して科学の発展に微力ながら貢献できるよう日夜研究を行っています。
   私達は、研究環境が必ずしも恵まれているとは言えない私立医科大学の教室から世界に向けて情報を発信するためには、限られた経済的・人的資源を有効かつ効率良く運用するために研究テーマの選択と集中が重要と考えています。そこで、私達は、細胞内小胞輸送に焦点を絞り、細胞の極性形成、細胞運動、細胞接着の分子メカニズムの解明を教室の主な研究テーマとしています。これらの細胞機能は、がん細胞の浸潤・転移、動脈硬化、免疫応答、神経可塑性等の幅広い医学・生物学的領域に関与しており、その解明は臨床医学の発展にも大きく貢献するものと考えています。現在、教室設立から約11年が経過し、細胞内小胞輸送における中心的機能分子であるSNARE系の新規関連分子としてTaxilin familyを発見することに成功し、Taxilin familyに属するalpha-Taxilinが肝細胞がんや腎がんの腫瘍マーカーの一つであることを明らかにしています。今後、新規腫瘍マーカーとしても注目されているTaxilin familyに焦点を絞り、上記の細胞機能におけるTaxilin familyの役割と作用機構を解明していく予定でいます。
   私達の教室の規模は大きくはありませんが、「山椒は小粒でもぴりりと辛い」オリジナリティーに富んだ研究を行いたいと考えています。