慢性呼吸器疾患(CRD)とは

COPDのファクト

プライマリケアでの対応と病診連携

IPAG診断・治療ハンドブック 日本語版 日常診療の中でスパイロメトリーを行ってみると多くのCOPD患者が発見される。プライマリケア医を受診中の患者には、約20%前後のCOPDが存在する可能性が報告されている。これらの成績は、我々が日常診療で診ている症例の中で多くのCOPD患者が見逃されていることを示すものである。
 したがって、プライマリケア医での積極的な診断と治療が重要である。そこで、プライマリケア医向けの、わかりやすいIPAG(International Primary Care Airway Group)ハンドブックが世界一般医・家庭医学会(WONCA)より刊行されている。これは、問診と診断的治療を中心に診断を進めて行こうとするものであり、プライマリケア医が容易に行うことの出来る管理法を示している。
 COPDの確定診断にはスパイロメトリーが必要であるが、プライマリケアでのスパイロメトリーの普及率は極めて低いのが現状である。そこで、このような方法を用いることによって、より積極的にCOPDを診断・治療していこうとするものである。表3にCOPDの問診票を示しているが、この質問票で17点以上だとCOPDが強く疑われるので、次に表4に示したCOPD診断ツールを利用する。ここで最も重要なものはスパイロメトリーであるが、それがない時は診断的治療を行う。たとえば、長時間作用型の抗コリン薬により、症状やQOLに改善がみられたら、一応COPDと診断してよい。しかしながら、どこかの段階で確定診断のためのスパイロメトリーは行うべきであり、また必要に応じて専門医にコンサルトしたほうがよいので、このハンドブックを基に診療しながら病診連携を進めていくことが望まれる。専門医への紹介が必要なのは、(1)確定診断が難しいとき、(2)合併症の診断や、重症度の判断が難しいとき、(3)初期治療において反応しないとき、(4)これまでの治療に反応しなくなったとき、(5)その他、自分の手に余ると判断したときなどであろう。このIPAG ハンドブックが普及し活用され、多くのCOPD患者がそれにより恩恵を受けることを期待する。