慢性呼吸器疾患(CRD)とは

COPDのファクト

疫学

 COPDは世界的に有病率・罹患率・死亡率が高く、その経済的・社会的負担は大きく、しかも増大し続けている。COPDの有病率、罹病率、死亡率は各国間だけでなく国内でも各集団間で異なるが、一般に喫煙の普及率と直接関連している。また、木材や他の動植物から再生した有機性資源燃料の燃焼による大気汚染もCOPDの危険因子である。これらの危険因子への曝露が継続すること、世界人口の年齢構造が高齢化することにより、COPDの有病率と負担は今後数十年間にわたり増大すると予測されている。


図2

 COPDの有病率は欧米では5.7%から8.6%と報告されているのに対し(図2)、我が国では1996年の厚生省の患者調査によるとCOPD患者は約22万人と報告されており、欧米と比較して非常に少ないと考えられていた。しかし、2000年から2001年にかけて行われた日本COPD疫学調査(Nippon COPD Epidemiology Study; NICE Study)では、図3に示したように、40歳以上全体では約8.5%がCOPDと考えられた。この調査が行われた2000年から2001年における我が国の人口構成から計算すると約530万人のCOPD患者が存在すると考えられた。重症度別にみると、約半数は軽症であるが、4%の重症、2%の最重症例を含め半数の中等症例が存在するにもかかわらず、90%は未診断であった。これは、多くのCOPD患者が見逃されていることを示しており、このように過小評価されているCOPDに対する認知度を高めることが重要である。


図3