獨協医科大学 保健センター年報2021 年度
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保健センター長 菅原 典夫 さて、世の中を顧みれば、COVID-19 による緊急事態宣言が出される中、我が国でオリンピックが開催されました。『 安全安心の五輪 』を実施するために選手・関係者を隔離し外部と遮断する『 バブル方式 』や感染対策の指針である『 プレイブック 』に従うことの義務化など、これまでにない管理体制のもとで運営されましたが、後に報告された推計 ( PMID: 36127076 ) によると開催による COVID-19 症例数の増加が認められたようです。人の流れや交流を止めない限り、国を挙げての対策を施しても感染症のコントロールを行うことは難しいという事実を示すものでありましょうし、また、本当にそれらを止め続けることが出来るのかという問いを私たちに突きつけたのかもしれません。そもそも、賛否両論あるなかで開催されたということは、これを止めることが出来ない強力なロジックがあったと見るべきでしょうし、そうしたロジックは他の場面でも出てくることでしょう。COVID-19 の流行前には、それがあることが当たり前と思っていた多くのイベントが私たちの目の前から消えています。感染症のリスクを考えるのは現代の習い性になっている一方で、さまざまなイベントの存在意義を感じることもあり、どのように折り合いをつけていくのかが、今後の社会的な課題であると思います。 または安全な状態で学業や勤務に邁進できるよう、今後も日々、取り組んで参ります。本誌をご高覧いただき、当センターへのご提言、ご教示等いただければありがたく存じます。これからも本センターへの温かいご支援、ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます。 -1-2021 年度、獨協医科大学保健センターの年報をお届けします。依然として COVID-19 の流行が続いており、蓄積してきたこの感染症についての知見や感染対策のノウハウを踏まえて、日常業務と感染対策を両立させるべく活動した 1 年となりました。本年度は、4 月~ 9 月の第 5 波、さらに 2022 年 1 月からのオミクロン株による未曽有の第 6 波に際して、本学学生・職員でも相当数の陽性例や濃厚接触例があり、当センタースタッフもフォローに多忙を極めましたが、重症化なく軽快しました。この間、定例である学生・職員の定期健康診断および事後措置、 4 種ワクチン同時接種やインフルエンザワクチン接種も大過なく行われました。ご協力下さいました病院・学内の関係各位の方々に対し、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。 COVID-19 のパンデミックが終息するには未だ時間を要する模様で、今後も物理的な 3 密を回避しつつ、心的つながりを保つよう努力したいところです。保健センターでは、学生・職員が健康巻頭言

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