- 112 -臨地において専門看護職として自立した判断ができるよう、特定機能病院における役割実習、感染症看護の看護過程展開、地域の結核療養所や看護福祉施設等における実習などを行う。課題研究(2単位)は臨床における感染看護の課題に関して研究的手法で課題の探求や解決が図れる能力の育成を目的に本学において独自に設定した科目である。 主たる科目概要 (1)生体防御・感染看護学特論Ⅰ 生体防御・感染看護学を修得するにあたって必要な微生物学や免疫学の基礎を学修する科目である。 (2)生体防御・感染看護学特論Ⅱ 医療関連感染(院内感染)の歴史的変遷と今日的課題、その防御対策、新興・再興感染などの発生の背景や対策、また、感染症の治療総論として、実際に発生頻度の高い医療関連感染症の診断とそのための微生物学検査、治療などを学修する科目である。 (3)生体防御・感染看護学特論Ⅲ 易感染宿主(compromised host)、特にがんや骨髄移植患者などの免疫機能の破綻した患者、外科的侵襲を受けた患者、未熟児、新生児や高齢者に対する感染症の看護および、新興・再興感染症とその看護、さらに生体防御機能の賦活化に影響する諸因子ついて学修する科目である。 (4)地域感染制御保健学特論 地域における感染症の課題や感染症の危機管理システム、感染疫学、地域保健における感染予防のための啓蒙活動などについて学び、地域医療に貢献できる力を涵養する科目である。 (5)感染看護管理学 医原性感染の予防と治療処置や看護ケア、また、広域感染の管理としてパンデミック、エンデミックな感染事例による感染症の流行機序やその流行拡大防御の監視システム、関連法規などについての学修科目である。 (6)生体防御・感染看護学演習Ⅰ 感染管理の基本である消毒法や無菌法をはじめとして、さらに診断・治療に必要な検体採取とその取り扱い法、臨床検査法および基本的な細菌学的診断法など病原微生物の特定に関する実習を行う科目である。 (7)生体防御・感染看護学演習Ⅱ 感染防御機能の診断のためのアセスメント技法、および感染防御機能の賦活化のための呼吸法やリラクゼーション法などの演習を行う。また、これらの学習を基礎として、学生は自らが想定した仮想対象に焦点を当てたケアモデルを構築し、スーパーバイズを受け、検討を重ねながら、生体防御の視点に基づく感染看護法の開拓を体験学習する科目である。 (8)感染看護管理学臨地実習 ICT(Infection Control Team)活動に参加し、病院施設における感染制御のシステムを実体験する。また、医療関連感染の制御に関わる様々な職種の役割を理解し、チーム医療における感染専門看護師としての役割と技能を修得する実習である。
元のページ ../index.html#114