令和4年度 獨協医科大学大学院 看護学研究科シラバス
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(7)慢性看護学特論Ⅴ(慢性病者に関連する治療・療養環境整備) - 115 -支援技術について演習を通して深める。 具体的には、「慢性看護学特論Ⅲ」で学修した糖尿病、脳卒中を発症した慢性病者の治療とその看護知識を基盤として、慢性病の病期に応じて使用される行動分析理論、自己決定への支援、成人教育などの専門的看護支援について演習を通して深める。また、履修者のサブスペシャリティー領域の慢性病患者に対する高度な看護支援について、事例検討、文献検討、関連学会へ参加し、得られた新たな知見を2つ取り上げ、「研究発表の概要、関心をもった理由、その支援が有効な慢性病者の病期、状態についての考察」をレポートにまとめることや、「履修生のサブスペシャリティー領域の支援技術に関する最近の研究の動向と課題」について討議することも学習方法として含める。 (6)慢性看護学特論Ⅳ(慢性病者に関連する制度や体制) 慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)に適用される医療・福祉の制度や体制について学修する。 具体的には、慢性病者に関連する国内外の制度と体制(診療報酬、保健医療制度・体制、職種間の連携)の現状と課題を把握した上で、慢性病者の自己実現、安寧な死、QOLの向上の観点から、今後のあり方について検討する。 慢性病者と慢性病に起因する障がい者(以下、慢性病者に含む)の治療や療養環境および地域支援などを、質の高い生活に向けて調整する方策について学修する。 具体的には、人的資源としてのソーシャルサポート、セルフヘルプグループ、また、発病・急性増悪期、慢性期、回復期、終末期の療養環境、さらに、地域における支援の現況と課題を把握した上で、慢性病者の自己実現、安寧な死、QOLの向上の観点から、今後のあり方について検討する。 (8)慢性看護学実習Ⅰ(専門看護師の役割理解) 専門看護師の6つの役割(実践、教育、相談、調整、倫理、研究)を理解し、自己の専門看護師像を描き、取り組むべき課題を見出すために、専門看護師の活動に同行し、シャドーイングを通して学修する。 (9)慢性看護学実習Ⅱ(慢性期/外来) 本科目では、慢性期を維持するため、外来において、慢性病者(以下、患者と称す)を身体、心理、社会的側面から把握し、アセスメントにより医学的問題、看護問題を明確にし、慢性期を維持して患者と家族が住み慣れた場所で望む生活を過ごせるように多職種と協働し、セルフケアの調整・再獲得を支援する看護、及び医師の包括指示のもとで一部の治療を含む高度な看護を実践する能力を培う。 (10)慢性看護学実習Ⅲ(急性増悪期・回復期・終末期/病棟) 本科目では、複雑で解決困難な問題を抱える急性増悪期、回復期、終末期にある慢性病者とその家族に対して、セルフケアの調整・再獲得または安寧な死を迎えることができるように、病状の経過及び医学的治療に関するアセスメント、看護問題の適切な把握と根拠にもとづく支援方法を用いて、治療を含む看護計画を立案し、医師、看護師、多職種と協働して、患者の看護問題を解決するための質の高い看護実践能力を学修する。

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