- 117 -ついて教授する。また、がん看護において最新の知見を踏まえて、専門技術を実践していくための基礎となる最新の治療、腫瘍精神学、家族性がんについて教授する。 (2)がん看護学特論Ⅱ(がん看護理論) がん看護・緩和ケアに関連するパラダイムや主要理論、がん患者および苦痛を体験している 人々の家族を全人的に理解する上で基盤となる概念・主要理論について探求する。また、それらの実践および研究への適用について検討する。 (3)がん看護学特論Ⅲ(がん看護援助論) がん看護専門看護師として、患者と家族への実際的な看護援助方法を教授する。特に複雑な問題を抱えた患者とその家族への看護支援について、文献により新しい知見を見出し、自らの体験について理論を活用して分析する。 がん患者の意思決定のための理論について学修し、倫理的な問題を考慮した意思決定を支える看護支援について考察する。がん治療に伴う生体反応、侵襲について、オンコロジーエマージェンシーの特徴と看護援助について教授する。がんサバイバーの身体的、心理的、社会的、霊的な側面について教授し、特に遺伝、予防の観点からがんサバイバーを支える方略について学修する。 (4)がん看護学特論Ⅳ(がん薬物療法看護) がんに対する集学的治療とがん薬物療法の近年の動向などを教授し、チーム医療における看護師の役割と機能を理解する。次に、がん薬物療法看護を実践する上で基盤となる、抗がん薬の基本原則、分子標的薬の特徴、薬物動態、副作用対策と支持療法について教授する。また、薬物療法の治療計画について、特に、計画立案のために必要な情報とその解釈、代表的ながんに対する標準的治療を教授する。 最後に、緩和ケアにおける薬物療法や精神症状に対する薬物療法、代替療法について教授し、がん患者および家族の苦痛を緩和し、質の高い療養生活を送ることができるようなケアを探求する。 (5)がん看護学特論Ⅴ(がん薬物療法看護方法論) がん薬物療法を受ける患者に対する投与管理の実際について教授する。また、がん薬物療法の有害事象の症状マネジメントについて、アセスメントする能力を養う視点を教授し、がん患者および家族の苦痛を緩和し、質の高い療養生活を送ることができるようなケアを探求する。次に、がん薬物療法におけるセクシャリティの問題と課題、外来において化学療法を継続するための患者教育やセルフケア支援について教授する。更に、成人に対する学習理論を教授し、化学療法を受けているがん患者のセルフケア支援のための教育方法について探求する。 (6)がん看護学特論Ⅵ(緩和ケア) 緩和ケア領域において、高度看護実践者として役割機能を発揮する能力を育成する。緩和ケア領域におけるがん看護専門看護師の役割と機能について教授するとともに、がん患者とその家族が体験する全人的苦痛および緩和ケアにおける死生観、死の準備教育におけるがん看護専門看護師の役割を検討する。また、療養の場の違いから見た緩和ケアの課題と対策を教授し、緩和ケアの質の向上を図るために、がん看護専門看護師の役割機能をどのように発揮するかを検討する。最後に、がん患者の精神的苦悩と苦悩に対する看護介入およびエンド・オブ・ライフケア、家族のグリーフケアについて、カウンセリング理論とそれを基盤にした実際を教授する。
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