令和4年度 獨協医科大学大学院 看護学研究科シラバス
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- 118 -(7)がん看護学特論Ⅵ演習(緩和ケア演習) がん患者および家族に対する看護に活用できるアセスメントの実際について学修するとともに、がん患者および家族に関わるケアマネジメントの理論と実践について探求する。次に、症状マネジメントモデルを教授し、それを基盤にした事例分析の方法を学修する。また、がんがもたらす苦痛症状を包括的に理解し、患者のセルフケアを高めながら症状を緩和するケアを、エビデンスにもとづいて提供する能力を育成する。地域で暮らすがん患者と家族の支援についても教授する。 最後に、がん看護専門看護師としての機能である倫理問題、コンサルテーション、調整について、事例の分析を通してその方策を学修する。 (8)がん看護学実習Ⅰ(診断と治療) がん診療の場において、状態の改善および維持のために治療を受けるがん患者を身体的、心理的、社会的、霊的側面からアセスメントし、医学的問題を明確にする。 ケアとキュアを統合し、患者に必要な看護支援を提供する能力を養う。あらゆる治療、状況、場面において、患者の苦痛緩和のための身体的管理方法と治療を遂行するために必要な医師と協働する医療処置について、卓越した判断能力や直接ケア能力を養う。 (9)がん看護学実習Ⅱ(高度実践・役割) CNSの指導のもとで、実際に行われている臨床での活動(実践、相談、調整、倫理調整、教育、研究)を学ぶ。また、包括的なアセスメントに基づき、複雑で対応が困難ながん患者とその家族に対して、苦痛の緩和、日常生活の回復・適応を促進するために、理論を活用しながら看護実践を行う。 (10)がん看護学実習Ⅲ(緩和ケア) 緩和ケアを受ける複雑で対応の困難ながん患者および家族に対して、薬物療法や理論に基づいた苦痛緩和ための高度な看護を実践する。また、緩和ケア病棟から在宅への移行に際して必要とされる看護支援について理解し、地域の看護スタッフと協働して実践する。がん医療における地域連携を理解し、必要なシステムやCNSに求められている役割を見いだす。 (11)がん看護学実習Ⅳ(在宅緩和ケア) 在宅において終末期を迎え、緩和ケアを受ける複雑で対応の困難ながん患者とその家族に対して、苦痛緩和とQOLを高める看護支援について理解し、在宅ホスピス医および地域の看護スタッフと協働して実践する。終末期医療・在宅医療における地域連携を理解し、必要なシステムやCNSに求められている役割を見いだす。 (12)課題研究 共通科目や専門科目の学修を統合し、実践経験と文献クリティークを通して自己の研究課題を明確にして研究計画書を作成し、修士論文(課題研究)を作成することを目標としている。本科目を通して、専門看護師の役割の一つである研究に必要な基礎的な能力を学修する。 「老年看護学領域」では、入院患者の大半を老年者が占める医療の現場や認知症高齢者の急増が示唆されている高齢社会の中で、加齢を正しく理解し、加齢変化と健康障害によって出現する生体・心理・社会的反応の違いを正しく判断し、保健医療福祉の連携を図り、多様で複雑な看護問題を解4)老年看護学領域の科目構成

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