- 120 -究する。認知症専門病院及び認知症専門外来において、医師・専門看護師・認知症認定看護師と協働して看護を実践する。 「課題研究」は、老年者と家族の抱える問題、社会システム及び臨地での問題を改善・改革するために研究的方法を用いて取り組むための基礎的能力を養うために配置する。自らが体験した老年看護学における学問的、臨床的課題の中から一つのテーマを選択し、研究計画書を作成し、修士論文(課題研究)を作成する。 主たる科目の概要 (1)老年看護学特論Ⅰ(老年看護学の基盤) 老年者の健康と生活を理解するために有用な看護理論・概念を、文献等を活用し学修を深め、老年者が健やかに老いることについて多面的に理解する力を養う。また老年者に対する社会的理解と偏見を含め、老年者がおかれている状況と倫理的課題に対する解決方法を探究する。さらに国際的な視野をもって老年看護の課題と解決策について探究し、健康生活及び人生を完結する老年者に対する看護の専門的役割を考察する。 (2)老年看護学特論Ⅱ(アセスメント・健康生活評価) 老年者の健康生活の科学的なアセスメントと実践の評価に必要な知識と知識の活用について学修する。加齢の影響を考慮した身体機能のアセスメント、また老年者に多い全身症状のアセスメントの実際を学び、心身機能の正常からの逸脱と脆弱化の悪循環を予測できるアセスメント能力を養う。加えて、認知的、心理的、社会的側面のアセスメントについて学び、老年者の健康生活を、生活機能を含めて包括的に評価できる能力を養う。 (3)老年看護学特論Ⅲ(老年病病態治療学) 老年期に多い疾患、徴候、症状や複数の疾患に加齢が加わる複雑な病態について理解を深め、複雑でハイリスク状態にある老年者の健康問題を分析し、看護の必要性を判断するアセスメント能力を養う。また老年者の生体情報の解釈の仕方や、薬物療法など治療の特徴と管理について理解を深め、老年医療の現状と課題、看護の専門的役割について考察する。 (4)老年看護学特論Ⅳ(看護介入方法) 加齢や健康障害によって生じやすい症状や徴候及び症状や徴候の生活への影響を理解し、療養環境を整えリスクを最小限にする予防的ケアについて探究する。また、健康レベル、生活の場にかかわらず安全と安楽・安心を提供でき生活の質を保証する看護介入と、老年者の強みを引き出す看護介入方法について探究する。 (5)老年看護学特論Ⅴ(保健医療福祉政策・サポートシステム) 老年者の保健・医療・福祉政策を含むサポートシステムの現状と課題について学修し、老年者のサポートシステムの構築を図るために、現状を分析、課題の発見、多職者間の連携を図り問題解決に取り組む、協調的課題解決能力を養う。また、老年者の個々の状況をとらえ、個人に適したサービスを選択し、継続して看護サービスを提供するシステム構築のプロセスを学修する。加えて、老年者を取りまく保健・医療・福祉体制の現状を分析し、よりよい老年者の健康生活の実現にむけた課題を提言できる能力を養う。 (6)老年看護学演習Ⅰ(老年急性期看護) 急性期医療を受ける複雑な健康障害をもつ老年者及び家族について理解を深め、複雑な看護問題を分析する視点と看護介入について探究する。また、具体的な事例を通して、倫理上の課
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