令和4年度 獨協医科大学大学院 看護学研究科シラバス
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- 121 -題や急性期医療に伴う看護上の課題を解決するための方法を学ぶ。さらに高度看護専門職者としての役割について探究する。特に治療環境下における輸液や鎮静剤の適性投与を、老年者のQOLの視点からとらえ、治療過程におけるキュアとケアの統合を図る、老年看護実践について探究する。 (7)老年看護学演習Ⅱ(認知症高齢者看護) 複雑で困難な課題を抱える認知症高齢者への高度な看護実践能力を養うために認知症の人の体験、援助理論と具体的な援助方法、倫理的課題について学修する。 文献とフィールドワークから認知症高齢者と家族の体験を理解し,その人らしい生活を実現するために重要なケア関係とコミュニケーション能力を養い、その人を尊重した看護実践の課題と、認知症看護における専門看護師の役割について考察を深める。 (8)老年看護学実習Ⅰ(老年急性期高度実践看護・役割) 専門分野の講義及び演習での学修を発展、統合させて、急性期医療を必要とする複雑な看護問題をもつ老年者と家族を受け持ち、演習で探究した急性期老年者の看護を実践、評価する。看護実践を通して老年者と家族に対する、キュアとケアを統合した安全、安楽、安心で老年者の強みを引き出す看護実践を探究し、統一した看護ケアを提供するための教育及び多職者と協働を図り協調的問題解決を図るための相談・調整能力を修得する。 また老年者及び家族の意思決定を支えQOLを高めるための支援、倫理的課題への対応について探究する能力を修得する。さらに専門看護師との協働を通して自己の課題を明確し、専門看護師の役割と自律的活動について探究する。 (9)老年看護学課題実習Ⅱ(認知症高齢者高度実践看護・役割) 本実習では、施設で生活する認知症高齢者への高度な実践能力を養うことを目的とする。認知症外来実習では診断、治療を受ける認知症高齢者と家族への支援、在宅認知症高齢者と家族が生活を再構築し在宅生活を継続するための支援の実際を学び、既習の特論・演習での学修を統合して認知症高齢者と家族が辿る療養生活の軌跡を理解し、施設での療養支援および施設から在宅へ生活の場の移行への支援に必要なケア対象者の理解を深める。 認知症専門病院実習では、複雑で困難な課題をもつ認知症高齢者を受け持ち、受け持ち認知症高齢者と家族への実践を通して、認知症高齢者への高度なアセスメント能力と認知症高齢者の意思を尊重した実践能力およびケア提供者の倫理的ジレンマに気づき倫理調整を行う能力を養う。また、認知症ケアの質の向上に向けた、看護師間や多職種との調整、教育、相談能力を養う。 (10)課題研究 老年看護学の講義や演習、そして実習から、関心ある老年看護学上のテーマを選択し文献検討を進める。文献検討から焦点化された研究課題を取り上げ、老年看護学発展及び専門的な知識や技術、ケアの質の改善を図るなど看護実践上の課題の解決に寄与する、研究課題を解決するために研究計画書を立案する。 専門科目(10単位)は、在宅看護専門看護師の修得すべき知識として、在宅療養者と家族の支援を包括的に考えて実践するための保健医療福祉制度を探求する「在宅看護学特論Ⅰ(保健医療福祉制度とケアマネジメント)」、高度で専門的な身体・心理・社会的な診断能力を培うための「在宅5)在宅看護学領域の科目構成

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