- 125 -と治療に関する知識と技法を修得する。さらに、事例の分析を通して、精神看護の専門看護師としてエビデンスに基づいて適切な治療技法を選択する能力を養う。 (4)精神看護学特論Ⅳ(精神看護理論) 精神科領域における健康や生活機能、社会的機能の評価について、心身相関の視点からの査定に活用できる看護理論に関する理解を深め、対象者を包括的に査定する能力を養う。また、査定に基づいた看護介入の計画する能力を養う。 査定に関しては、セルフケア理論、対人関係理論、発達理論、家族理論、ストレス・適応理論、ナラティヴ・アプローチ等の精神看護の分野で活用されている諸理論やアセスメントツールに関する理解を深め、事例の分析を通して対象者の精神機能や生活機能、社会的機能を査定する能力および看護介入を展開する能力を養う。 (5)精神看護学特論Ⅴ(援助方法) 精神看護領域における諸理論を用いて、ケースマネジメント、ストレスマネジメント、症状マネジメント、アディクションアプローチ、チーム医療の展開、精神看護領域における倫理調整などの総合的な援助方法を学修する。精神疾患患者の入院から退院、退院後の地域におけるケースマネジメントや、適切な治療・看護を促進するためのチーム医療の展開やコーディネーションについての理解を深める。また、精神看護領域におけるケースマネジメントに関する研究論文をクリティークし、その内容を基に対象に最適な援助技法についてディスカッションを行う。さらに、事例に対する援助方法に関するディスカッションを通して、最適な援助方法を選択できる能力を養う。 (6)精神看護学特論Ⅵ(リエゾン精神看護) リエゾン精神看護の目的や発展の経緯、求められる時代的背景とリエゾン精神看護専門看護師の役割と機能について、活動に必要な諸理論や概念、技法についての理解を深める。その上で、精神的諸問題を抱える患者のアセスメントと直接ケアおよび間接ケアの目的と技法について学修する。さらに、医療者へのメンタルヘルス支援のあり方についても学修する。 (7)精神看護学特論Ⅶ(児童・思春期精神看護) 児童思春期にある精神疾患患者の特徴を踏まえた上で、精神機能や身体機能および社会機能、QOLを評価する能力を養う。また、児童思春期にある精神疾患患者への薬物療法や心理社会的療法等の治療および看護、および、家族支援についての現状についての理解を深め、退院から地域生活における社会資源の活用を含めた地域生活支援について検討する能力を養う。さらに、児童思春期にある精神疾患患者のQOL向上を目指した看護についての検討を通して、看護のあり方と専門看護師としての役割と機能について自分の考えを持ち、精神看護専門看護師として児童思春期にある精神疾患患者への卓越した看護を実践する能力を養う。 (8)精神看護学特論Ⅷ(慢性期精神看護) 精神障害者の地域包括ケアシステムを踏まえて、精神機能や身体機能および社会機能、QOLを評価する能力を養う。また慢性期精神疾患患者への心理社会的療法等の治療および看護、および地域生活支援の現状についての理解を深め、退院から地域生活における社会資源の活用を含めた地域生活支援について検討する能力を養う。さらに、慢性期精神疾患患者のQOL向上を目指した看護についての検討を通して、看護のあり方と専門看護師としての役割と機能について自分の考えを持ち、精神看護専門看護師として慢性期精神疾患患者への卓越した看護を実践する能力を養う。
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