令和4年度 獨協医科大学大学院 看護学研究科シラバス
143/380

- 141 - (オフィスアワー・Email) 看護倫理 科目名・英名 Nursing Ethics 教員名 長尾 式子 単位数 1単位 近年、社会の人々の価値観が多様化し、医療への期待や権利意識が高まる一方で、急速に進展高度化する医療技術に伴うさまざまな新たな倫理的問題が生じている。これに対して、患者の擁護者である看護職は倫理的感受性と調整力が求められる。 科目概要 本科目では、このような状況下において、看護職はどのように考え、判断、対応したらよいか、看護専門職に求められる倫理的問題への対応について探究することを目的とする。具体的には、倫理的問題への対応のために必要な基礎的知識について講義し、医療 現場やライフサイクルで看護職が直面する葛藤やジレンマを感じる場面を取り上げ、検討する。 倫理的課題について多角的に分析し、高い倫理観に基づいた看護実践や、複雑な倫理的課題をめぐって当事者間で調整する能力、科学的及び倫理的側面の配慮に基づく研究能力に関する知識、態度を修得し、創造できる。 1.看護倫理の変遷を説明する。 2.看護倫理に関する基礎知識を説明する。 3.倫理的意思決定モデルを用いた看護への活用を説明する。 4.ライフサイクル(出生から終末まで)における倫理的問題を説明する。 5.専門職看護師に求められる倫理的役割と責任を説明する。 授業目的 到達目標 回 1 看護倫理の変遷とその動向 2 道徳倫理とケア倫理の諸理論 3 看護師の倫理規定と看護専門職としてのあり方 4 ライフサイクルに関する倫理的問題 授業 計画 5 倫理的問題:個別的事例検討① 6 倫理的問題:個別的事例検討② 倫理的意思決定モデルの活用と事例検討 看護場面事例-インフォームド・コンセント、ケア拒否、家族への対応- その1 7 倫理的意思決定モデルの活用と事例検討 看護場面事例-インフォームド・コンセント、ケア拒否、家族への対応- その2 受講者は各人、パワーポイントで道徳的に葛藤を感じる場面や、医療現場や社会で生じる倫理的問題を含む事例について紹介するスライドをご準備ください。 授業全般に関わる参加度10%、プレゼンテーション20%、討論の参加度と発言の適切性20%、レポート50%で評価する。 1.Sara T.Fry & Megan-Jane Johnstone,片田範子,山本あい子訳(2005):看護実践の倫理,日本看護協会8 授業外における 学習・時間 評価方法 出版会. 2.Gladys L Husted & James H. Husted,藤村龍子、樽井正義 監訳:臨床実践のための看護倫理, 医学書院. テキスト・参考書 3.Anne J.Davis & Verena Tschudin&Louise de Raeve(2008);小西恵美子監訳:看護倫理を教える・学ぶ,日本看護協会出版会. 4.石井トク(2008):看護の倫理学,丸善株式会社. 5.アン・J.デービス 他(2007):看護倫理~日本文化に根ざした看護倫理とは~, 医学映像教育センター. 6.赤林 朗 他(2017):入門・医療倫理Ⅰ(改訂版),株式会社 勁草書房. 生命倫理を履修することが望ましい。授業のテーマについて積極的に質問議論に参加することを望む。全授業を通して看護倫理に関する最終課題レポートを提出すること。最終レポートに対しては、コメントを返します。 平日は、メールにて対応可能です。メールアドレスは以下の通り。 長尾式子:n_nagao@nrs.kitasato-u.ac.jp 履修上の注意 質問への対応 必修・選択 単元主題 論文:選択 C N S:選択 開講年次 1・2年次/後期 授業内容 医療で倫理が問われるようになった歴史的背景今日の医療ケア、医療系研究の倫理の動向 看護実践における価値基準(行為)と倫理理論 専門職倫理 看護研究と倫理 出生をめぐる倫理的問題 終末期における倫理的問題 臨床の医療ケアをめぐる倫理的問題 認知症高齢者への医療ケア、抑制 臨床の医療ケアをめぐる倫理的問題 資源配分、トリアージ 患者の権利とインフォームド・コンセント 意思決定における看護の視点と医師の視点 患者の権利とインフォームド・コンセント 患者の自律尊重と善行・無危害との対立 科目区分 共通科目 授業形態 講義 担当者 長尾 式子 1コマ/30分

元のページ  ../index.html#143

このブックを見る