令和4年度 獨協医科大学大学院 看護学研究科シラバス
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- 42 -生命倫理 科目名・英名 Bioethics 教員名 黒須 明、黒須 三惠、河原井 麗正、山内 忍 単位数 1単位 必修・選択 今日、医療技術の急速な発展に伴い、医療を取り巻く環境において、生命倫理の問題がますます重要になってきている。また、生命倫理は、看護倫理の基礎として欠くことのできないものである。 科目概要 本科目では、生命倫理の基礎的、専門的知識を学修すると共に、現在議論されている生命倫理問題の動向と現状を理解して、医療場面での倫理的諸問題への応用倫理学的なアプローチを試みることで、倫理的な判断能力、実践能力の向上を図ることを目的に学修する。 授業目的 倫理的課題について多角的に分析し、対応できる能力を有し、高い倫理観に基づいた看護行動をとることができ、複雑な倫理的課題に対応できる調整能力を養う。 1.生命倫理の原則、背景について説明する。 2.医学研究における倫理学について説明する。 3.患者の基本的権利を認知し、これらに関する現状の問題点を説明する。 4.生殖医療や末期医療、先端医療の倫理学について説明する。 5.医療事故が発生した場合の対処などについて説明する。 6.行政と医療との関連を学び、医療関係法規について説明する。 到達目標 回 医の倫理 1 患者の権利・インフォームドコンセント インフォームドコンセントの成立には患者の自律性や人格尊重が重要であるが、随伴する医学的適応や予後、社会的環境など周囲の状況も大きな影響がある。患者の権利を中心に倫理的側面から問題点を考えてみたい。 生殖医療は人の生命の誕生にかかわる医療であることから、通常の臨床医学とは本質的に異なった倫理観が必要となる。生殖医療の対象は、クライエントと生まれてくる子供を含む家族と第三者であり、これらを含め通常の臨床医学と異なる倫理観を考えてみたい。 再生医療、および再生医療関連技術の基礎的知識とその現状を学ぶとともに、再生医療の実現に向けた研究開発の進歩がもたらす倫理的、社会的問題点について考える。 医学の進歩は人間を対象とする諸試験を要する研究に根本的に基づくものである。現在の動向を踏まえ原則や規制など諸問題について検討する。 安楽死と尊厳死の違いを歴史的背景を含めて学ぶ。近年議論され、法制化の働きかけもある尊厳死についての議論を各々の感想を含めて議論していきたい。 脳死と臓器移植についてはいわゆる「臓器移植法」成立後徐々に行われるようになりつつあるが、脳死を人の死として受容しにくい国民感情もあり、まだまだ一般的とは言えない状況にある。 看護師が主体となる医療事故である「療養上の医療事故」は比較的少ない。看護師の法的責任が問われた実例を提示し、その判決内容を含めて議論を行う。 2 生殖医療と倫理 3 再生医療と倫理 授業 計画 4 臨床研究と倫理 5 安楽死と尊厳死 6 脳死と臓器移植 7 裁判判例 8 授業外における 第三者が介入する生殖医療には、どのようなものがあるか考えておいてほしい。 医療現場における倫理的問題点について考える。 学習・時間 評価方法 授業への参加度(準備性・積極性)20%、客観的評価80%とする。 単元主題 論文:選択 C N S:選択 開講年次 生命倫理の成立とその背景、歴史を学び、国際看護師協会(ICN)の看護師倫理綱領を理解する。倫理の 4 原則について学び、ユネスコの「生命倫理と人権に関する世界宣言」の内容について理解し、議論を深めていく。 1・2年次/前期 授業形態 授業内容 科目区分 共通科目 講義 担当者 黒須 三惠 黒須 明 河原井 麗正 山内 忍 黒須 明 90分/1コマ

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