- 46 - 行動理論 科目名・英名 Behavior Analysis 教員名 森山 哲美 単位数 2単位 必修・選択 行動の理論として、行動分析学という学問を紹介する。行動分析学は、実験的行動分析学と応用行動分析学からなる。実験的行動分析学は、行動の実験的基礎科学で、行動についての法則(行動の原理)を明らかにする学問である。実験的行動分析学によって明らかにされた「行動の原理」を基にして、私たちの行動を環境に適した方向に改変するための方法論が応用行動分析学である。その意味で、行動分析学の知見は、医療や看護、あるいは福祉に活かすことができる。 科目概要 本科目では、基礎と応用の行動分析学を紹介しながら、どのようにすれば私たちの行動の問題(行動変容等)を解決していくことができるのかについて講義する。 適切な看護を実践するには、看護にかかわる行動のマネジメントが必要です。やみくもに行動すればいいというわけではありません。科学的な視点に立って、患者はなぜこのように行動するのか、また医療関係者はどのように行動すれば望ましい医療を実践できるのか、それらの問題について考える必要があります。そのためにも「行動の科学」を学ぶことは重要です。 授業目的 本講座の目的は、看護実践現象を科学的に分析・評価し、高度な看護実践に繋がる行動の科学である「行動分析学」の理論と研究方法を学ぶことです。すなわち人の行動を望ましい方向に変容させるための視点と方法を学ぶことが目的となります。 1.私たちの行動をきちんと説明することができる。 2.日常生活や医療、看護の場面で関係する人達の行動を説明することができる。 到達目標 回 行動の科学としての心理学 1 行動理論とは(行動分析学とは) 2 オペラント条件づけ(4 つの随伴性) 3 オペラント条件づけ(強化スケジュール) 4 行動の原理 5 授業 計画 言語行動(基本的言語行動) 6 ルール支配と随伴性制御 7 行動の制御と応用行動分析学 8 C N S : 自由 単元主題 論文 : 選択 開講年次 心理学が「心の学問」ではなく、「行動の科学」である理由とその必要性について講義します。 「行動の科学」としての行動分析学の考え方について講義します。行動分析学が実験的行動分析学と応用行動分析学からなることも説明します。 行動に随伴して生起する環境の変化によって行動そのものが変化するオペラント条件づけについて説明します。4つの随伴性(正の強化、負の強化、正の弱化、負の弱化)について説明します。 同じ行動に対して同じ強化子で強化しても、その強化の仕方(強化スケジュール)を変えるだけで行動に特有の変化をもたらすことができるということを説明します。 基礎的な実験的行動分析学の研究によって明らかになった「行動の原理」について説明します。行動は「行動の原理」にしたがって変容します。 人の言語行動もオペラント条件づけによって強化され維持されている行動であること、そしてその基本的な言語行動について説明します。 随伴性を言語化した刺激をルールといいます。「~すれば・・・」という形式の言語刺激です。人の行動は、このルールによって強く制御されます。一方、ルールではなく、行動に随伴した環境の変化によっても行動は制御されます。ルールによる制御をルール支配といい、行動に随伴した結果による制御を随伴性制御と言います。それぞれの制御を理解することで人間の行動は理解されます。 行動の制御について学ぶことで、行動を適切な行動へと変容することが出来ます。適切な行動を獲得したり、不適切な行動を低減したりすることができるようになります。その方法について研究する応用行動分析学について講義します。 1・2年次/後期 授業内容 科目区分 共通科目 授業形態 講義 担当者 森山 哲美
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