- 54 -臨床看護薬理学 科目名・英名 Clinical Pharmacology for Nursing 教員名 内田 幸介 単位数 2単位 薬物は、生物が本来有している生体機能を促進するかあるいは抑制するかである。これは、薬理学の基本的概念であり、薬物療法における「薬によって、回復力を促進する」ことに繋がる考え方である。 科目概要 臨床看護薬理学では、体内薬物動態や病態生理に基づく薬物治療の科学的根拠および臨床応用について解説し、治療効果の評価や有害作用発現の機序についての理解を深める。 さらに、主要病態における薬物動態の変化を解説し、薬物反応の変化、薬物相互作用、薬物中毒などに関する理解を深め、薬物使用の判断やアドヒアランスの向上を図るためのより高い専門知識を学修する。 授業目的 「最新の知見と技術を有し備え、根拠に基づいた高度な看護」を実践するための知識・科学的思考を修得し、「看護現象を科学的に分析・評価し、創造的な実践を開発する基礎的研究能力」を培う。 1.基本的な薬物作用のしくみを解説できる。 2.体内薬物動態、薬物相互作用、薬物中毒、アドヒアランスについて説明できる。 3.主要病態における薬物治療の科学的根拠、治療効果、有害作用を説明できる。 4.主要病態での薬物動態の変化を説明できる。 到達目標 回 1 薬理学序論・医薬品情報 体内薬物動態・病態薬理 2 薬物相互作用・有害作用 3 狭心症治療薬・高血圧治療薬 4 心不全治療薬 5 6 呼吸器疾患治療薬 (気管支喘息・COPD) 消化器作用薬 (抗潰瘍薬・制吐薬・止瀉薬・瀉下薬) 代謝性疾患治療薬(糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症) 7 授業 計画 8 9 化学療法薬概説(抗腫瘍薬・抗菌薬) 抗炎症薬(ステロイド・NSAID) 10 中枢作用薬(抗不安薬・催眠薬・パーキンソン病治療薬・アルツハイマー治療薬) 中枢作用薬(抗うつ・抗躁薬・統合失調症治療薬) 11 12 麻薬性鎮痛薬・疼痛管理 13 14 救急治療薬 臨床薬理学演習(症例検討) 15 必修・選択 単元主題 論文:選択 開講年次 C N S:必修 生体に対する薬物の作用のしくみ(機序)について概説し、受容体理論と用量反応曲線について論ずる。 臨床薬理学の基本となる生体内薬物処理機構(薬物の吸収・体内分布・代謝・排泄)と血中濃度との関係について解説する。 さらに、主な病態における薬物の体内動態の特徴を解説し、薬理作用の変化について論ずる。 特徴的な有害作用について解説し、多剤併用との関連について考察する。 高血圧・虚血性心疾患の病態に基づき、治療薬の科学的根拠を解説する。 心不全の病態、急性心不全・慢性心不全の治療方針・治療目標について解説し、治療薬の理論的背景を論ずる。 閉塞性肺疾患の病態に基づき、治療薬の科学的根拠、作用機序、治療薬の選択について解説する。 消化器症状の背景となる病態について触れ、治療薬の科学的根拠、作用機序について解説する。 各代謝障害とその弊害について概説し、治療薬の科学的根拠、治療方針・目標について論ずる。 抗腫瘍薬・抗菌薬の主な種類と作用機序、適応、有害作用について概説する。 炎症のメカニズムについて概説し、ステロイドやNSAID の作用機序、それぞれの適応症や特徴的な有害作用について論ずる。 各疾患の神経病理学的背景を概説し、それぞれの治療薬の作用機序、有害作用、長期使用上の問題点について論ずる。 各疾患の神経病理学的背景を概説し、それぞれの治療薬の作用機序、有害作用、使用上の問題点について論ずる。 モルヒネを代表とするオピオイド鎮痛薬の基本的作用機序および多彩な薬理作用について論じ、臨床応用としての疼痛管理について解説する。 主な救急医薬品に対する生体反応、ショックや心停止時の使用法、作用機序について考察する。 様々な合併症を有する症例における治療薬(処方薬)について検討し、相互作用や有害作用について考察する。 1年次/前期 授業内容 科目区分 共通科目 授業形態 講義 担当者 内田 幸介
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