認知症専門病院実習 1.複雑で困難な課題をもつ認知症高齢者を受け持ち、既習の知識を用いて高度な身体的、 心理的、社会的な- 228 -老年看護学実習Ⅱ(認知症高齢者高度実践看護・役割) Advanced Nursing Practice for Older People with DementiaⅡ 科目名・英名 教員名 金子 昌子 授業形態 実習 認知症外来実習では診断、治療を受ける認知症高齢者と家族への支援、在宅認知症高齢者と家族が生活を再構築し在宅生活を継続するための支援の実際を学び、既習の特論・演習での学修を統合して認知症高齢者と家族が辿る療養生活の軌跡を理解し、施設での療養支援および施設から在宅へ生活の場の移行への支援に必要なケア対象者の理解を深める。 科目概要 認知症専門病院実習では、複雑で困難な課題をもつ認知症高齢者を受け持ち、受け持ち認知症高齢者と家族への実践を通して、認知症高齢者への高度なアセスメント能力と認知症高齢者の意思を尊重した実践能力およびケア提供者の倫理的ジレンマに気づき倫理調整を行う能力を養う。また、認知症ケアの質の向上に向けた、看護師間や多職種との調整、教育、相談能力を養う。 授業目的 本実習では、施設で生活する認知症高齢者への最新の知見と技術を備え、根拠に基づいた高度な看護実践能力を養うことを目的とする。 認知症外来実習 1.認知症高齢者への認知症の診断、治療の実際を理解する。 2.認知症外来で診断や通院治療を受ける老年者の診療場面に同席し、在宅生活継続のための生活の再構築に向けた認知症医療と看護の役割を理解する。 3.認知症高齢者・家族の認知症や生活についての思いを知ることにより、診断、治療を受ける老年者と介護家族の生活とニーズを理解する。 4.診断、治療を受けて在宅生活を送る認知症高齢者と介護家族のケアニーズと、生活の再構築へ向けた認知症医療と看護の役割について考察できる。 5.学修した内容を、施設から在宅へ生活の場が移行する認知症高齢者と家族の支援にどのように活用できるのかを考察できる。 到達目標 側面から包括的にアセスメントし、健康上•生活上の課題を明らかにできる。 2.老年者と家族の望みを反映させた目標を設定し、認知症高齢者が一人の人として尊重されるケアを、家族や他の専門職者との連携をとりながら実践できる。 3.認知症高齢者へのよりよい支援のためにチームが抱える課題と課題解決に向けた相談や教育の役割を理解できる。 4.受け持ち認知症高齢者を中心に、目標設定や実践上の倫理的課題を明らかにし、倫理調整の実践ができる。 5.認知症高齢者をめぐる倫理的課題への感受性を高め、倫理調整の実践•評価を通 して、認知症ケアにおける課題とチームケアのあり方、また認知症ケアシステムのあり方について考察できる。 6.看護外来での相談場面への同席により、在宅療養で認知症高齢者と家族が抱える悩みと在宅療養継続の支援の視点について理解し、入院患者の在宅へ向けた移行支援について考察できる。 7.認知症外来・デイサービス実習での学修内容と合わせて、認知症ケアにおける施設で看護実践する専門看護師の役割と課題また自己の課題について考察できる。 認知症外来実習 Ⅰ.実習方法 1.対象: 認知症外来を受診する認知症高齢者とその家族 2.実習時期: 2 年生前期 4 月~5 月 3.実習期間: 外来診療日に4日間実習する。履修生の目標到達度により実習期間を延長す る。5日目はまとめのカンファレンスを行う。 4.実習時間: 原則として外来診療日(火曜日、水曜日)の9:00-12:00、または14:00- 18:00 5.実習場所: 認知症ケアにおける施設 授業 計画 1 Ⅱ . 実習内容 1.外来診療の場に同席し、認知症高齢者への認知症の診断、治療の実際を学ぶ。 2.複雑で困難な課題を抱える認知症高齢者 1~2 名の紹介を受け、外来受診を複数回同席 する。認知症高齢者と家族の協力が得られた場合、可能な範囲で、現在の生活や、認知 症や生活についての思いを知る。 3.上記の認知症高齢者と家族以外で、受診時に認知症高齢者と家族の協力が得られた場 合、可能な範囲で現在の生活や、認知症や生活についての思いを知る。 4.実習内容から、①診断、治療を受け生活の再構築をはかる認知症高齢者と介護家族のニ ーズ、②生活の再構築に向けた認知症医療と看護の役割、③施設から在宅へ生活の場の 移行を伴う認知症高齢者と家族の支援への学修内容の適用について考察する。 科目区分 専門科目 単位数 必修・選択 選択 4単位 開講年次 2年次 開講学期 前期 金子 昌子
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