令和6年度 獨協医大埼玉医療センター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 1196 895 682 1086 1640 2990 3544 6363 4008 350
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
糖尿病内分泌・血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり 235 12.43 13.77 0.85 64.89
130030xx99xBxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 Bあり 130 9.28 12.23 0.00 74.62
10007xxxxxx0xx 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 なし 64 9.70 10.46 0.00 64.36
130010xx97x2xx 急性白血病 手術あり 手術・処置等2 2あり 40 31.23 35.63 0.00 59.08
130030xx99x3xx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 3あり 37 11.68 14.89 0.00 72.92

当科は糖尿病内分泌疾患と血液疾患の診療を担当していますが、糖尿病内分泌疾患では2型糖尿病で入院される患者さんが多くを占めています。今や我が国において糖尿病および糖尿病が疑われる人は約5人に1人と極めて多くなっています。また30歳以上の男性の約3割、40歳以上の女性の約2割は肥満であり、肥満者は急激に増えています。したがって肥満を主たる原因とし、インスリン抵抗性(体から分泌されるインスリンの効き目が悪い)による2型糖尿病が近年増加の一途にあり、当科の入院患者さんとしても年々増えています。実際当科の年間の糖尿病の外来患者さんの延べ数は6000名を超え、常時20名程度の糖尿病患者さんが入院されています。

糖尿病治療は最初が肝心です。当科では2型糖尿病で入院した患者さんの血糖状態を24時間持続血糖モニタリングなどを用いて正確に把握し、高血糖状態をインスリン治療によってなるべく早く是正します。そして退院時にはインスリンをなるべく卒業し、経口薬(飲み薬)のみで治療できるようにしていきます。
また当科では医師、看護師、薬剤師、管理栄養士および臨床検査技師が一体となって糖尿病教室を開き、患者さんの教育にあたっております。特に独自のエクササイズプログラムを用いた運動療法は全国的にも有名で、当科の糖尿病教室の特色です。退院後も食事運動療法を継続できるように指導いたします。

血液疾患では急性白血病および高齢化社会に伴って、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)の患者さんが入院患者さんの上位を占めています。血液疾患は、近年新規薬剤(特に分子標的薬)の進歩が目覚ましく、その治療成績も飛躍的に向上しています。当科では無菌治療室(クリーンルーム)も6床稼動し、急性白血病および悪性リンパ腫などに対する化学療法に必要な環境も完備しています。さらに大量抗がん剤治療を安全に行うことを可能にする自家末梢血幹細胞移植も2021年4月から始まっており、症例も着実に増加しています。また放射線治療も当院放射線科との密接な連携の下に行っています。

2025年11月4日
糖尿病内分泌・血液内科 診療部長 橋本貢士

呼吸器・アレルギー内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 250 3.40 3.03 0.00 71.15
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 102 11.32 8.16 0.00 72.34
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 65 19.62 16.40 1.54 82.14
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 47 28.72 18.68 4.26 73.51
040040xx9900xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 42 20.86 13.41 19.05 75.21

当科では肺がん、肺の感染症、間質性肺炎など様々な呼吸器疾患を中心に診療を行っています。また、関節リウマチなどの膠原病の診療も当科で担当しております。アレルギー専門外来もあります。

最も多い肺がんについては、まず正確な診断を行います。肺がんの診断のための検査として年間で300件以上の気管支鏡検査を行っておりますが、安全に留意して1泊2日で検査を実施しております。がんの診断がついた場合には、呼吸器外科(手術担当)や放射線科(放射線治療担当)と相談の上で、適切な治療を提供しております。当科では化学療法(分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害剤、細胞障害性抗がん剤など)を担当します。最初は入院で副作用の有無などの確認を行います。化学療法の種類によって異なりますが、約2週間程度の入院です。入院で大きな問題がないことが確認できれば、そのあとは外来(通院治療センター)で化学療法を継続します。最初の化学療法の効果が乏しい場合には、体の調子をみながら別の新しい化学療法を行いますが、その場合も1回目は入院で治療します。

呼吸器外科で手術をする場合には、最近では治療成績向上を目指して肺がんの手術の前後で化学療法(免疫チェックポイント阻害剤など)を行うことが多くなっており、先に当科で術前化学療法をしてから手術を受けていただくこともあります。
肺がんの進行や治療の副作用などで体調が悪化した場合には、入院で治療を行います。化学療法などの積極的な治療が難しくなった場合には、地域の関連施設と密に連携をして、患者さんの希望する療養の場を提供しています。

2025年11月5日
呼吸器・アレルギー内科 吉岡弘鎮

消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 359 2.31 2.57 0.00 68.47
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 242 7.62 8.88 1.24 72.57
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 111 7.39 7.45 0.00 73.99
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 91 6.70 6.39 0.00 68.02
06007xxx97x0xx 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 82 11.62 11.52 1.22 72.67

診療科別症例数トップ5

  1. 小腸大腸の良性腫瘍(良性腫瘍を含む)内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術
    大腸ポリープの多くは腺腫(良性腫瘍)でありますが、一部には癌(悪性腫瘍)も含まれます。一定のサイズを超えるポリープは内視鏡的切除の適応となります。
    小腸の腫瘍は、他の消化管と比べると発生頻度は低いですが、貧血や出血の原因となることがあります。カプセル内視鏡や小腸鏡で発見することが可能で、内視鏡で切除することも可能です。

  2. 胆管結石(肝内外結石)、胆管炎、胆管狭窄の治療について
    胆管結石とは、肝臓で作られる胆汁の通り道である胆管に石ができる病気です。胆汁の流れが悪くなることで胆管が詰まり、細菌感染を生じて胆管炎を引き起こすことがあります。胆管炎は放置すると重症化することがあるため、早急な治療が必要です
    胆管結石や胆管炎、胆管狭窄などに対する主な治療として、ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)があります。内視鏡を用いて胆管の状態を確認し、結石がある場合は取り除くことや、胆汁の流れを改善する処置を行います。
    なお、ERCPの治療後には、胆管炎や膵炎などを起こす可能性があり、治療後は慎重な経過観察が必要です。また、胆管炎に対しては、内視鏡治療に加えて抗菌薬(点滴)による治療を行う場合があります
    結石や胆管狭窄の原因や状態によっては、複数回にわたり治療が必要となることがあります。また、内視鏡治療のみで改善が難しい場合には、外科(手術)による治療を検討し、外科医と連携しながら治療方針を決定することもあります

  3. 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術
    胃癌の大きな原因の一つであるピロリ菌の感染は減っていますが、胃癌の罹患率はあまり変化していません。しかし、胃癌は初期に発見すれば内視鏡検査で治療が見込めます。
    ESDという内視鏡検査で早期の胃癌の治療を行なっています。十二指腸のポリープは経過観察で良いものが多いですが、癌や将来的に悪性になりうる腫瘍も存在します。治療は胃癌と同じようにESDとなりますが、十二指腸の粘膜は非常に薄いため治療には、穿孔(消化管に穴が開く)に十分注意する必要があります。

  4. 結腸(虫垂を含む)の悪性腫瘍 悪性腫瘍大腸粘膜剥離術
    厚生労働省の調べでは、近年大腸癌は男女ともに増加しています。男性では肺癌についで2番目、女性では最も死亡数の高い癌となっています(2022年国立がん研究センター)。大腸癌の早期発見のスクリーニング検査に便潜血検査があり、集団検診で受けることが可能です。
    大腸癌は粘膜に癌がどれだけ浸潤しているかで治療方針が変わります。粘膜への浸潤が浅い場合は内視鏡検査での治療が適応となります。一方、粘膜への浸潤が深い場合は手術治療の適応となります。浸潤の程度は、内視鏡検査にて癌のサイズや形態、色調を見ると同時に、拡大内視鏡で癌の表面の血管の構造を見て判断しています。

  5. 膵臓・胆嚢などの腫瘍に対する診断・治療について
    国立がん研究センターの報告では、膵臓がんは年々患者数が増加しており、死亡数も増えていると言われています。膵臓がんは、がんが小さいうちは自覚症状が出にくいという特徴があり、進行してから症状が現れることが多い病気です。代表的な症状としては、腹痛、食欲不振、黄疸、背中の痛み、急に糖尿病が悪化するなどが挙げられます。
    自覚症状がない場合でも、健康診断や血液検査で異常を指摘された際には、早期発見のために、CTやMRIなどの画像検査、超音波内視鏡検査(EUS)、胆道の内視鏡検査(ERCP)などを組み合わせて詳しく調べます。
    ERCP(胆管・膵管の内視鏡検査・治療)とは、口から細長い内視鏡を挿入し、十二指腸にある胆汁の出口から胆管や膵管を調べる検査です。必要に応じて造影剤を流し、レントゲンを用いて胆管や膵管の状態を確認します。腫瘍が疑われる場合には、細胞を採取して病理検査を行うこと(組織診)ができ、診断精度の高い検査です。
    症状がある場合には、速やかに必要な検査を行い、迅速な診断と治療につなげることを重視しています。治療にあたっては、消化器内科だけでなく、外科、病理診断科、放射線科など多職種が連携し、病院全体で最適な治療方針を検討します。患者さん一人ひとりに合わせた治療を提供できるよう、チーム医療で膵癌治療に取り組んでいます。

循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし 465 4.98 4.47 0.00 66.82
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 116 6.22 4.18 0.00 68.97
050050xx9920xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 115 4.28 3.27 0.00 70.69
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 113 8.29 9.59 0.00 78.04
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 111 20.63 17.33 6.31 79.14

狭心症・心筋梗塞・下肢動脈閉塞
カテーテルによるステント留置術や外科的バイパス手術で治療します。
最先端のデバイス(道具)、技術を駆使して県内有数の件数・成績です。

不整脈
薬物治療とカテーテル治療があります。カテーテル治療では、最先端のクライオバルーン、ホットバルーン、レーザーバルーン、さらに最新のパルスフィールドアブレーションを用いて県内トップクラスの件数・成績です。

弁膜症
大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症が代表的疾患です。
外科手術に加えて、手術リスクの高い症例には低侵襲のカテーテルによる大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁形成術(Mitra-Clip)を施行しています。TAVI と MitraClip の両方を施行できる施設は、埼玉県内では当施設を含め 8 施設のみです。

心不全
心臓の動きが悪くなって息が苦しくなったり、体がむくんだりする状態を心不全といいます。最新の薬物治療に加えて、ペースメーカによる心臓再同期療法、体外式人工心臓など、最先端の機器も使用しています。
また、心アミロイドーシスなどの稀少疾患に対する診断・治療の認定施設であり、多施設から多くの症例を紹介頂いています。

心臓リハビリテーション
心臓病再発予防には心臓リハビリテーションが重要です。当施設では、入院から外来まで、心臓リハビリテーションを継続できるシステムが整っています。

小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 78 1.00 2.10 0.00 3.81
050200xxxxxxxx 循環器疾患(その他) 73 3.30 7.71 0.00 12.73
0400801199x0xx 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 56 7.93 5.61 0.00 6.02
140010x199x0xx 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし 50 8.02 6.11 4.00 0.00
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 45 8.11 6.98 2.22 3.00

当院の小児科で最も入院が多かったのは、食物アレルギーに対する食物経口負荷試験でした。確定診断のため、入院下で安全に検査を実施し、原因食品やその許容量を正確に評価することで「必要最小限の除去」が可能となり、過度な食事制限を避けながら生活の質を維持できるよう支援しています。また、起立性調節障害の検査入院も多くみられました。起立性調節障害は思春期に多い自律神経の病気で、朝起きられない、立ちくらみ、頭痛、倦怠感などが主な症状です。入院中に起立試験を含めた詳細な評価を行い、その結果をもとに生活指導や薬物療法など、適切な治療方針の確立につなげています。肺炎やインフルエンザなどの感染症については、令和6年度も入院が必要な症例を多く受け入れ、大学病院として地域の小児医療を支える重要な役割を果たしました。クリニックを含む地域の医療機関と連携し、外来で入院が必要と判断された子どもを速やかに受け入れる体制を整えています。脱水、呼吸障害、肺炎など重症化リスクのある症例に対しては、迅速な検査と適切な抗菌薬治療、酸素投与などを行い、安全かつ確実な治療につなげています。さらに、当院は地域周産期母子医療センターとして、早産児や低出生体重児、呼吸障害などを有する新生児に対し、24時間体制で医療を提供しています。東部エリアの中心的な新生児医療施設として、急性期から退院後のフォローアップまで切れ目なく支援しています。

小児科 髙谷具純

腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx9900xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 80 7.75 11.35 2.50 50.29
110260xx99x3xx ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 3あり 51 3.43 4.97 0.00 48.27
110280xx991xxx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり 51 9.80 6.01 0.00 50.69
110280xx9902xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり 47 5.00 7.83 0.00 62.02
110280xx03x0xx 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし 44 2.32 3.82 4.55 69.77
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010110xxxxx40x 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 42 20.98 15.45 16.67 58.79
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 33 24.76 16.89 39.39 72.82
010090xxxxx0xx 多発性硬化症 手術・処置等2 なし 28 15.79 11.75 3.57 48.75
010130xx99x0xx 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等2 なし 28 14.43 10.95 3.57 61.71
010080xx99x0x1 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 15歳以上 27 16.07 15.94 7.41 51.44
  1. 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等24 あり
  2. 脳梗塞(脳卒中発症 3日以内、かつ 、JCS 10 未満)手術なし 手術・処置なし 手術・処置等24あり 定義副傷病なし
    発症前 Rankin Scale 0,1 又は 2
  3. 多発性硬化症 手術・処置等2 なし
  4. 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等 24 あり
  5. 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2なし 15歳以上
  6. 認知症 手術・処置等1 なし
  1. 免疫介在性・炎症性ニューロパチーの代表はギランバレ一症候群です。上・下肢からしびれや筋力低下が始まり徐々にその範囲が拡大します。肩や腰の激痛を伴うこともあります。症状が進行すると四肢麻痺、歩行困難、嚥下困難、呼吸困難を来します。病気の部位は末梢神経であるため CTあるいはMRI 検査などの画像検査では診断できず、神経診察や脳脊髄液検査、電気生理検査が必要です。早期治療とリハビリテーションによって早期社会復帰を目指します。
  2. 脳卒中医療は脳神経外科と密な連携を行っています。急性期で重症な方は脳卒中ケアユニット(Stroke Care Unit, SCU)で管理し、血管内治療あるいは手術が必要な症例では脳神経外科が担当します。多職種合同カンファレンスにて、在宅へ退院できない方は回復期リハビリ施設あるいは療養型病院へ引き継いでいきます。
  3. 多発性硬化症は、視力障害、感覚障害、運動麻痺などさまざまな神経症状の再発と寛解を繰り返す、厚生労働省が指定する自己免疫性脱髄性疾患のひとつです。適切な治療によって、症状が現れなくなる寛解期をむかえます。診断には神経診察や脳脊髄液検査、電気生理検査、MRI検査が必要です。神経症状の早期回復ならびに再発の予防、障害の進行抑制を目的とした薬物療法を中心に行います。
  4. 重症筋無力症は瞼が下がる、ものが二重にみえる、四肢の筋力低下がみられ、さらに飲み込みが悪くなったり、呂律が回りにくくなったりすることがあります。病変部位は神経筋接合部であるため、薬による反応をみるテストや電気生理検査が必要です。基本的には免疫療法になりますが、胸腺腫がある方は呼吸器外科と相談し手術を行うことがあります。
  5. 脳脊髄の感染症は神経救急分野の一つであり、早急な診断と適切な治療が必要であるためその救急受け入れに対応しております。
  6. 認知症は、記憶力や判断力などの認知機能が徐々に低下し日常生活に支障が生じていく病気です。当院では、認知症の早期診断に力を入れるとともに、抗アミロイドβ治療薬の導入施設としての役割も担っています。地域の医療機関と連携し、切れ目のない医療体制の構築に努めています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 125 14.61 14.81 0.00 70.34
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 98 4.69 4.54 0.00 73.43
060020xx02xxxx 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 74 11.22 18.48 0.00 75.95
060050xx020xxx 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 手術・処置等1 なし 62 13.63 13.83 1.61 69.82
060330xx02xxxx 胆嚢疾患(胆嚢結石など) 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 56 6.34 5.99 0.00 66.43

当科では、主に消化器外科領域の治療を幅広く担当しております。胃・食道・小腸・大腸・直腸・肝臓・膵臓・胆嚢胆管といった臓器を対象とし、悪性腫瘍から良性疾患まで、さまざまな病気に対して総合的な治療を行っています。

埼玉県内でも有数の診療実績を有しており、腹腔鏡手術やロボット支援手術を積極的に取り入れながら、患者さんの身体への負担を少なくし、より精密で確実な手術を行うことで早期治癒を目指しています。

悪性腫瘍に対しては、手術のみならず、化学療法・放射線治療を組み合わせた集学的治療を行っています。進行癌や再発癌などの難治症例においても、他科との連携のもとで最適な治療方針を検討し、安全性と根治性の両立を目指しています。それにより、これまでは外科切除が困難とされてきた症例でも、術前治療の工夫や手術技術の向上により、切除が可能となるケースが増えてきています。このような診療方針の下、個々の患者さんに寄り添った最適な診療ができるよう、努力を重ねております。

また、鼠径ヘルニアや胆石症など、日常生活に支障をきたす良性疾患に対しても、低侵襲で安全な手術を行い、早期回復と生活の質の向上を目指しています。手術のみならず、術前後の全身管理や生活指導にも力を入れ、患者さん一人ひとりに合わせたきめ細やかな診療を心がけています。

今後も、先進的な医療技術を積極的に取り入れながら、地域の基幹病院として質の高い医療を提供し、患者さんに安心して治療を受けていただける体制作りに努めて参ります。

整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 200 16.94 18.76 5.50 66.03
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 117 21.95 21.38 8.55 74.85
160620xx01xxxx 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 74 8.16 12.71 0.00 30.70
070180xx97xxxx 脊椎変形 手術あり 51 16.47 20.98 3.92 33.84
070343xx01x0xx 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし 47 18.94 19.60 2.13 72.28
  1. 股関節
    若年者の生まれつきの股関節疾患をはじめ、股関節の高度な変形、股関節周囲の外傷や過去の手術歴のある股関節疾患など、幅広い症例に対応しています。患者さんの持っている股関節疾患に加え年齢や社会背景を考慮して、社会復帰の早い人工股関節全置換術(THA)や、自身の骨を温存できる骨切り術、股関節鏡手術などをご提案しています。
    THAにおいては、患者さんの状態に合わせて筋肉や腱のダメージを抑えた低侵襲手術や視野の良い手術方法などを使い分けています。低侵襲手術では痛みが少なく、脱臼しにくいためリハビリの進みが早いです。人工股関節の器械も年齢や骨の形状・骨の強度などを考慮して、セメントを使用しない器械と使用する器械を使い分けたり、より骨温存が可能なショートステムを使用したりしています。また、人工関節の設置が困難な症例に対してはナビゲーションシステムを用いて正確に設置しています。さらにロボット支援人工股関節置換術も試験的に導入しています。
    股関節の治療では、手術だけでなく装具治療や日常動作指導、リハビリ指導なども行っています。

  2. 膝関節
    中高齢者の変形性膝関節症に対する治療から若年者のスポーツ外傷まで幅広く診療、手術を行っています。変形性膝関節症に対しては、変形や機能障害の程度、年齢や骨質、生活背景やニーズに合わせて、それぞれの患者さんに最適な治療をご提案します。人工膝関節置換術、膝周囲骨切り術(高位脛骨骨切り術、大腿骨遠位骨切り術)、関節鏡視下手術などでは、入念な術前計画と術中計測により正確で安全な手術を心がけています。ロボット支援人工膝関節手術も試験的に導入しております。スポーツ外傷に対しては靭帯再建術や半月板縫合術など、機能回復と組織温存を重視して治療を行っています。また、PRP(多血小板血漿)に加え、最新の自家滑膜幹細胞の関節内注射も提供していきます。小児からご高齢者まで膝関節の悩み全般に幅広く対応いたします。

  3. 脊椎
    頚椎から腰仙椎までの脊椎と脊髄の疾患や外傷に対し手術を行っております。小児・若年者の脊柱側弯症(思春期特発性側弯症、早期発症側弯症)および中高齢者の脊柱変性後側弯症(成人脊柱変形)に対して良好なアライメント(脊椎の形)と脊椎機能を目指した矯正手術を実施しております。腰部脊柱狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに対してはより侵襲の少ない内視鏡手術や顕微鏡手術、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)も行っております。また高齢化する社会においてより増加しつつある骨粗鬆症に対する治療も積極的に行っており、疼痛が遷延する骨粗鬆症性椎体骨折に対しては、より低侵襲なBKP(バルーンカイフォプラスティ)からアライメント矯正のための前後合併手術まで幅広く対応しております。以上、多くの脊椎インストゥルメンテーション手術において、高精度ナビゲーションや術中脊髄モニタリングを用いて安全性を担保しております。

  4. 足・足関節
    足や足関節の痛みの原因となる疾患や変形(変形性足関節症、靭帯損傷、外反母趾や扁平足、麻痺性の足部変形など)に対し保存加療では症状が軽快し得なかった症例に対し手術を行っています。手術は関節鏡を用いた低侵襲な手術から、短縮してしまった腱を延長ないしは移行する手術、骨切り術、人工関節置換術など患者さんの病態に合わせて手術を行います。

  5. 小児疾患
    先天性の足部変形(先天性内反足、先天性垂直距骨下、足根骨癒合症など)に対する手術や股関節の疾患(発育性股関節形成不全、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など)、外傷(骨折や骨端線損傷)に対する手術を行っています。
    適切な治療を行えば子供は元気に成長します。子供の成長、発達を常に考え子供の将来を見据え治療していきます。
    また、先天的に短い下肢や曲がっている下肢、骨折や腫瘍などに伴う下肢の変形に対し手術を行っています。手術は骨切り術や創外固定を用いた矯正、短い骨を伸ばす骨延長術、骨の成長線を利用し成長と共に変形を矯正する方法などがあります。下肢の荷重軸や脚長差を矯正することにより歩行が改善される手術です。

小児外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140590xx97xxxx 停留精巣 手術あり 89 2.58 2.96 0.00 2.38
060160x101xxxx 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 62 2.82 2.73 0.00 4.00
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 24 2.50 3.53 0.00 5.79
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの等 16 4.50 5.32 0.00 12.56
060130xx9900xx 食道、胃、十二指腸、他腸の炎症(その他良性疾患) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 11 3.27 7.67 0.00 8.82

診療科別症例数トップ5

  1. 停留精巣
    精巣が、お腹の中や、足の付け根(鼠径部)に止まってしまい、おちんちんの袋(陰のう)まで落ちてこないことを停留精巣と言います。袋にあったり、触れなくなったりするのを、遊走精巣と言います。

    精巣は、妊娠7ヶ月でお腹の中から袋に下降します。しかし、生まれてすぐの赤ちゃんの5%に停留精巣が認められますが、7割は自然に治ります。生後6か月以降になると、自然に治ることは極端に少なくなります。停留精巣を放置すると、不妊症の原因となりますが、正しい位置に精巣を固定する手術を行うことで、危険性が半減します。遊走精巣は、精子を作る能力に異常が生じず、成長とともに自然に袋に収まってしまうことも多いのですが、まれに停留精巣となってしまうことがあるため定期的な診察が必要です。

    獨協医科大学埼玉医療センターでは、精巣に詳しい小児泌尿器科医や小児外科医が診療にあたり、生後6か月以降から、遅くとも2歳までには手術行います。術後も将来まで精巣の機能に問題がでないか経過を診ますので安心して受診してください。

  2. 鼠径ヘルニア
    小児外科で扱う疾患の中で最も多いもののひとつです。腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところに、腸管や卵巣(女児)が脱出するため、同部位が膨らんで見えることで異常に気がつきます。脱出臓器が袋に入り込んで戻らなくなり(嵌頓)ねじれたりむくんだりすることによって、血流が少なくなり、臓器が壊死してしまうことがあるので、見つけたら早めの手術が必要とされます。

  3. 男性生殖器疾患
    尿道下裂や水腎症等の小児泌尿器疾患に対して小児泌尿器科と協力し診療しています。また、小児急性陰嚢症(精索捻転や精巣炎、精巣上体炎等)の救急疾患にも対応しています。精索捻転では精巣、精巣上体の急激な血行障害から、放置すると梗塞、壊死をきたします。緊急手術を要する疾患です。

  4. 急性虫垂炎
    小児の虫垂炎は腹痛、嘔吐、発熱などを主症状とする虫垂の化膿性炎症性疾患です。学童期のこどもに多く見られる病気ですが、2-3歳の幼児にもみられるため注意が必要です。最初はおへその周りや上のほう(胃のあたり)を痛がり、1-2日で痛みが右の下腹部へ移動するのが虫垂炎に特徴的な腹痛です。

    痛みのためお腹を抱えて前かがみで歩いたり、ジャンプすると右下腹部の痛みが強くなるなどの特徴があります。こどもの虫垂炎は穿孔し、腹膜炎に進行しやすいといわれます。進行しないうちに手術(虫垂切除術)をするのが最も確実で、効果的な治療法です。ただし、すでに穿孔し大きな塊や膿瘍を作っている場合には、抗菌剤で治めてから3-4ヵ月後に待機的虫垂切除術を行います。また最近では、炎症や腹痛が強くない場合、抗菌剤のみで炎症を抑えて手術をしないという選択肢もあります。

  5. 急性胃腸炎
    急性胃腸炎は、感染などが原因で胃もしくは腸粘膜に炎症をきたしている状態です。乳幼児に多く認められるウイルス感染に起因する乳児下痢症と、学童以降に増加する細菌感染が原因の細菌性腸炎に大別されます。

    乳児下痢症はロタウイルス、アデノウィルス、ノロウイルスなどのウイルス感染が原因となります。ウイルスに感染すると、腸粘膜に炎症が起こり、水分や電解質の吸収能力が低下します、一方粘液の分泌が亢進し下痢となります。また、糖質などの吸収不全に伴う浸透圧性下痢をきたし水溶性下痢が続くこともあります。症状は突然の嘔吐から始まることが多く、その後、酸臭を帯びた淡黄色ないし白色水様便が、多いときは1日に10回以上出現します。冬季に流行することが多いです。

    細菌性腸炎は、カンピロバクター、サルモネラ、病原大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌などの細菌感染が原因となります。いずれも、食物が十分に調理されていない場合や料理人の手洗いがきちんとなされていない際に感染します。腹痛、発熱、血便で始まるものが多いです。腹痛は比較的強く、腸の動きが悪くなり、腹部が膨満することもあります。発熱は細菌感染に伴い持続します。便に血液、粘液、濃などが混入することもあります。

    いずれも虫垂炎との鑑別が必要となります。

産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし 120 13.10 9.84 0.00 55.98
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常 子宮全摘術等 83 9.01 9.40 0.00 34.65
12002xxx02xxxx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 79 2.05 2.92 0.00 42.37
12002xxx99x40x 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 69 6.70 4.07 0.00 56.86
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 69 6.81 5.97 0.00 45.42
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 1071 2.66 2.49 0.09 73.85
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 369 4.16 4.29 0.00 74.85
020160xx97xxx0 網膜剥離 手術あり 片眼 333 6.42 7.53 0.30 55.59
020220xx97xxx0 緑内障 その他の手術あり 片眼 148 4.43 4.52 0.00 67.39
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし 147 4.58 5.47 0.00 69.11
当院では、白内障手術、緑内障手術および網膜硝子体手術を数多く行っています。白内障手術に関しては、日帰りあるいは入院で対応しています。緑内障に対しては、流出路再建術、濾過手術、チューブシャント手術、毛様体パルスレーザーなどの多くの術式を行っています。また、非常に多くの網膜硝子体手術を行っています。特に、難治性の網膜硝子体疾患にも対応いたします。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 127 6.11 5.84 0.00 55.13
030150xx97xxxx 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり 88 7.70 6.68 0.00 55.47
030440xx01xxxx 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術等 65 6.75 6.06 0.00 45.40
03001xxx0200xx 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 57 15.21 12.45 1.75 69.79
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 46 7.96 7.35 0.00 23.76

診療科別症例数トップ5

  1. 慢性副鼻腔炎
  2. 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり
  3. 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術
  4. 頭頸部悪性腫瘍 頭頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし
  5. 扁桃、アデノイドの慢性炎症

市民向け解説
当科では耳、鼻、咽喉頭、頭頸部全般にわたる幅広い疾患に対応しております。手術加療が必要な疾患の中では慢性副鼻腔炎、慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎が多く、なかでも慢性副鼻腔炎に対する手術では入院期間(平均在院日数)は6.11日であり、全国平均5.84日より若干劣りますが、かなり短い入院期間となっています。慢性化膿性中耳炎・真珠腫性中耳炎に対する手術では入院期間が6.75日と全国平均よりやや長い在院日数となっておりますが、病変の進展した重症例の紹介が多いことが原因と考えます。重症例が多いものの術後の感染や再出血による再入院はほとんど認めておらず、安全に手術が行われている状況にあります。慢性副鼻腔炎や中耳炎以外では頭頸部悪性腫瘍に対する治療の依頼が飛躍的に増加しており、血管吻合を要する頸部の再建手術が多いため入院期間が15.21日となっております。
通院の簡便さや時間的な制限の緩和を目的に地域の診療所や病院と積極的な地域連携を強化しており、退院後の通院先を紹介することが可能な体制を整えております。

脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010030xx991xxx 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 79 3.15 2.86 0.00 62.67
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 57 10.86 9.83 10.53 79.05
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし 43 17.81 16.89 30.23 71.35
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 18.62 18.68 40.48 57.31
010030xx02x0xx 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし 39 9.90 8.63 5.13 63.67

未破裂脳動脈瘤 手術なし
未破裂脳動脈瘤は健常人の約3%に認められる疾患です。未破裂脳動脈瘤があることのみで頭痛や麻痺、痺れなどの症候を呈することは稀ですが、問題となるのは動脈瘤が破裂することにより、くも膜下出血を呈することがあることです。くも膜下出血による致死率は3割前後であり、社会復帰可能な方は3割前後のみの疾患です。未破裂脳動脈瘤が破裂して、くも膜下出血を呈する可能性は大きさや部位、形状などにより様々でありますが、全てを総合すると年間の破裂率は1 - 2%です。一般的に5mm以下の動脈瘤ですと更に可能性は低くなりますが、大きいものでは稀に年間破裂率が10%を超える動脈瘤もあります。動脈瘤の性状に応じて経過を見てもよいものか、治療を考慮すべきかなど、今後の方針を個別に相談させて頂きます。

頭蓋・頭蓋内損傷
交通事故、転落、転倒などによる頭部外傷は、きわめて軽微な症例から、生命を脅かす重症な症例まで多岐にわたります。自動車はもちろん、自転車と歩行者の事故も増加しています。また高齢者や飲酒後の転落・転倒も重症化する可能性があります。シートベルト、ヘルメットなどの装着で損傷を最小限にする習慣が重要です。また、軽微な外傷でも数か月後に慢性硬膜下血腫を発症するともあるので、専門医の診察をお勧めします。

脳梗塞
脳梗塞とは脳の血管が閉塞することにより脳細胞が死滅し、その部位の機能が失われる疾患です。大血管が閉塞すると生命に関わります。脳梗塞はアテローム性脳梗塞、ラクナ梗塞、心原性脳塞栓症の3種類があり、治療方法も異なるので詳しい検査が必要です。多くの症例は薬物投与、生活習慣病の改善、リハビリテーションで治療します。中には血行再建術やバイパス術で治療する症例も存在します。部位によっては後遺症が残りますので、予防が極めて重要です。

非外傷性頭蓋内血腫
非外傷性頭蓋内出血の多くは高血圧性の脳出血です。そのほとんどが高血圧や糖尿病、高脂血症などによる動脈硬化により、脳の中を走る細い動脈が突然破れることにより引き起こされます。その他、稀に脳動静脈奇形や脳硬膜動静脈瘻などの血管疾患により脳出血が引き起こされることがあります。どのような症状が現れるかは、出血部位や出血の程度により異なりますが、最悪の場合、命の危険性を伴うが場合や、意識障害、高次脳機能障害や麻痺などの重篤な後遺症が残る場合があります。早期の治療とリハビリテーションおよび再発予防のための治療が必要となります。

未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術
未破裂脳動脈瘤を認めた際には方針として、経過観察、開頭脳動脈瘤クリッピング術、血管内塞栓術があります。動脈瘤の性状に応じて方針を相談させて頂きますが、動脈瘤に対する治療が必要と判断された場合、血管造影検査の後、開頭脳動脈瘤クリッピング術もしくは血管内塞栓術を選択します。当院では、開頭することなく非侵襲的な血管内治療を第一選択として脳動脈瘤の治療を行っており、全国でも有数の治療件数と治療方法を誇っています。血管内治療が困難な症例であっても開頭手術の優れた術者による治療が可能です。

泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり 206 3.26 2.45 0.00 73.02
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 140 2.49 3.53 0.00 30.29
110070xx03x20x 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし 120 6.48 6.63 0.00 72.37
110080xx01xxxx 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 96 10.30 11.11 0.00 69.49
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし 93 4.54 5.16 0.00 59.68
泌尿器科では、前立腺がんなどの悪性腫瘍や尿路結石などの良性疾患に加えて、男性不妊、小児泌尿器疾患、腎移植などの高度に専門的な診療も行っています。手術においては、手術支援ロボットを2台使用し、多くの方に低侵襲手術を提供できるように努めています。令和6年度も多くの前立腺がん、膀胱がんの方を診療し、手術を行いました。さらに、精索静脈瘤や尿路結石に対する手術を多数行いました。今後も皆様に高度な医療を提供することでお役に立てるように努めていきます。
救急医療科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 77 2.40 3.58 7.79 33.18
180010x0xxx3xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり 29 33.90 30.29 41.38 68.72
180010x0xxx4xx 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 4あり 15 22.93 37.05 26.67 71.53
010310xx97x1xx 脳の障害(その他) 手術あり 手術・処置等2 あり 12 38.92 47.46 66.67 62.67
161020xxxxx1xx 体温異常 手術・処置等2 あり 12 8.67 19.08 25.00 69.75
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080006xx01x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 161 6.19 6.92 0.00 78.26
080007xx010xxx 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし 105 4.70 3.77 0.00 52.92
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1 なし 39 17.21 12.98 5.13 64.26
080006xx97x0xx 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2 なし 26 15.38 9.28 0.00 76.08
080005xx01x0xx 黒色腫 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし 20 14.35 11.59 0.00 71.55

超高齢化社会を迎え、皮膚がん患者数は増加傾向にあり、皮膚科入院数の7割超を占めております。皮膚がんの治療は、ごく早期で小さなものであれば外来で手術や外用などの治療を行いますが、多くの場合は原則として入院治療になります。入院での皮膚がんの手術件数は昨年度では159名で、基底細胞癌が最多で有棘細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、乳房外パジェット病が主要な疾患です。このほか、血管肉腫、メルケル細胞癌、脂腺癌などまれではありますが、悪性度の高い腫瘍の治療も行っております。有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病、メルケル細胞癌に対してはセンチネルリンパ節生検も行っています。リンパ節転移を生じている場合には、リンパ節郭清を行うこともあります。また、がんを切除した後の欠損部を機能的で外観のよい状態に再建することも重要と考えております。特に基底細胞癌は悪性度こそ高くないですが顔面に生じることが多いので、当科では整容面を重視して顕微鏡を用いた縮小手術も試みています。手術以外に、がんの種類によっては抗がん剤や放射線治療を行うこともあります。症例ごとに最善の治療方法を選択します。粉瘤や脂肪腫、色素性母斑(ほくろ)などの良性腫瘍は小さなものは外来で手術を行っていますが、大きな腫瘍は入院で行っています。入院手術を行う患者様を対象とした「腫瘍外来」という専門外来を設けております。
また、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・痒疹などの難治性皮膚疾患、蜂窩織炎・帯状疱疹などの感染症、皮膚筋炎・強皮症などの膠原病、ウイルス・薬剤による中毒疹、類天疱瘡・尋常性天疱瘡などの水疱症、パッチテスト・採血などによるアレルギー検査など幅広い疾患を診療し、多くの患者様が外来・入院で治療されています。腫瘍外来のほか、「乾癬外来」、「アトピー性皮膚炎外来」、しみ・あざ等の「レーザー外来」などの専門外来も行っています。

乳腺・内分泌外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし 189 11.15 9.77 0.00 62.67
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 56 4.45 5.50 0.00 64.93
090010xx99x4xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 48 2.50 3.64 0.00 56.71
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 なし 40 9.38 9.75 5.00 64.88
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 16 10.13 6.48 6.25 61.19

乳癌は増加の一途をたどり、いまや日本人女性の10人に一人が罹患する疾患となりました。ご親族や、ご友人のなかにも乳癌の治療を受けられた方がいると思います。乳癌は、最初の治療が大切です。最初の治療が適切に行われたかどうかで予後まで影響を受けてしまいます。また、乳癌は比較的化学療法(抗癌剤)が効果的である癌です。このため、手術に先行して化学療法を行い、腫瘍を小さくしてから手術を行う場合があります。さらに、手術を終了してから、再発を予防するために抗癌剤やホルモン剤を服用することが多いです。いずれのケースも予後を伸ばす効果が確認されています。このように、手術に加えて抗癌剤治療を多く行う診療科でもあり、化学療法が治療頻度の上位をしめています。

形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 手術あり 手術・処置等1 なし 39 5.00 4.65 0.00 44.79
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし 23 2.74 2.74 0.00 66.52
030390xx970xxx 顔面神経障害 手術あり 手術・処置等1 なし 18 5.00 9.51 0.00 68.44
160200xx030xxx 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 17 3.82 3.31 0.00 23.00
140190xx97xxxx 小耳症・耳介異常・外耳道閉鎖 その他の手術あり 14 17.71 16.48 0.00 13.29
リプロダクションセンター
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11022xxx01xxxx 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 87 2.05 3.53 0.00 33.89
110320xx97xx0x 腎、泌尿器の疾患(その他) その他の手術あり 定義副傷病 なし - - 11.59 - -
- - - - - - -
- - - - - - -
- - - - - - -
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2 なし 196 12.64 9.82 0.00 72.49
040200xx01x00x 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 8.80 9.59 0.00 29.49
040030xx97xxxx 呼吸器系の良性腫瘍 手術あり 15 8.33 8.44 0.00 63.20
040020xx97xxxx 縦隔の良性腫瘍 手術あり 14 8.79 7.70 0.00 61.50
040150xx97x0xx 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2 なし 14 24.21 28.41 7.14 56.64

当科では、肺の悪性腫瘍(原発性肺癌や転移性肺癌など)の手術入院が最も多く全体の60%程を占めています。肺癌に対する肺葉切除の90%、気胸・肺嚢胞に対する手術の95%程度は、低侵襲手術として胸腔鏡下手術(完全胸腔鏡、ハイブリッド胸腔鏡、ロボット支援、単孔式胸腔鏡)で施行しております。当院は高度医療を提供する特定機能病院であり大学病院・総合病院として多種多様な併存疾患(間質性肺炎、閉塞性肺疾患、重症糖尿病、人工透析、慢性心不全など)を持つ方の手術が多いため、肺の悪性腫瘍手術例の在院日数は、全国平均より3日程長くなっております。
気胸に対する肺切除術例の入院期間は全国平均より約1日短縮されています。これは自然気胸の緊急入院・胸腔ドレナージ後の術前待機期間が短くなったことを反映しています。肺や縦隔の良性腫瘍の手術も多く、ほぼ全国平均と同等の入院期間になっています。
縦隔や肺・胸腔の感染症は難治性で時に重症化し生命を脅かす疾患となります。治癒までの日数も長期にわたります。特に下降性壊死性縦隔炎は咽・扁桃炎やう歯など頭頸部の感染症が縦隔におよぶ重篤な疾患で死亡率は10-30%と言われています。年間数例ですが他院や耳鼻咽喉科からの依頼を受け、緊急ドレナージ・手術を行っています。また急性・慢性膿胸も多く、胸腔ドレナージや手術による胸腔内洗浄や掻爬術を行っています。長期臥床による全身筋力低下を呈していることが多く、7%ほどの患者さんは病状が落ち着き次第リハビリ目的に転院していただいています。

心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx0101xx 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 58 25.76 20.84 5.17 65.71
050080xx02010x 弁膜症(連合弁膜症を含む。) 経カテーテル弁置換術等 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 51 14.20 14.74 5.88 83.24
050163xx03x0xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし 27 11.78 10.18 3.70 79.70
050163xx02x1xx 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり 22 18.68 18.74 0.00 71.32
050050xx0101xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 心室瘤切除術(梗塞切除を含む。) 単独のもの等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり 18 24.78 21.11 0.00 70.39
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 50 33 48 39 176 - 1 8
大腸癌 84 126 90 58 242 - 1 8
乳癌 120 160 65 30 13 41 1 8
肺癌 141 61 94 146 378 65 1 8
肝癌 - 16 - - 83 21 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 27 14.26 53.44
中等症 75 19.55 75.45
重症 34 20.21 80.82
超重症 12 19.92 81.50
不明 - - -
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 157 28.28 74.33 32.12
その他 36 24.86 74.58 6.22

脳梗塞について

脳梗塞とは、脳の血管がつまって血の流れが止まってしまう病気です。
脳は常に血液から酸素や栄養をもらって働いています。その血の流れが止まると、脳の細胞が傷ついたり、死んでしまったりします。主な原因は次の3つです。

  1. 動脈硬化(どうみゃくこうか)
    血管の壁がかたくなったり、コレステロールなどがたまって血管が細くなる。

  2. 血のかたまり(血栓:けっせん)
    血液がドロドロになって、血管の中で固まり、つまる。

  3. 心臓の病気
    心臓でできた血のかたまりが、血流に乗って脳の血管をふさいでしまうこともあります。

脳梗塞は時間との勝負です。早く治療を受けるほど、後遺症を少なくできる可能性が高くなります。次のような症状が出たら、ためらわず119番をしてください。

発症してから時間が短ければ、つまった血のかたまりを溶かす薬(t-PA)を使える場合があります。また、カテーテルという細い管で血管を広げて血栓を取り除く治療が行われることもあります。運動麻痺や失語が残ることがありますので、リハビリテーションが必要となることが多いです。

脳梗塞は予防が可能ですので、生活習慣の見直しをお勧めします。

診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 286 0.19 1.20 0.00 69.67
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 223 1.70 8.45 2.69 73.77
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 126 0.33 5.37 0.00 67.60
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 等 108 0.25 6.19 0.00 74.07
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 等 79 0.09 1.18 0.00 64.05

診療科別主要手術トップ5

  1. 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm未満)
    内視鏡検査にて大腸ポリープを切除する手技です。大腸ポリープ下の粘膜に液体を注入して膨らませてポリープを持ち上げます。その後、スネアという金属製のリングをポリープにかけて、通電しながらポリープを切除します。通称EMR(内視鏡的粘膜切除術)と呼ばれます。
    ポリープのサイズが小さい(10mm未満)に対しては、通電させずにスネアだけで切除することが可能です。切除したポリープのほとんどは、内視鏡で吸引して回収することが可能です。ポリープを切除した後は、傷口にクリップという金属をかけて出血を予防します。

  2. 内視鏡による胆道ステント治療について
    ERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)という内視鏡検査・治療は、胆管が細くなる(狭窄)・詰まる(閉塞)ことで起こる黄疸や胆管炎などの原因を調べ、必要ならそのまま治療を行う方法です。
    口から内視鏡を入れ、十二指腸まで進めて、胆汁の出口であるファーター乳頭という部分を探します。そこから細いチューブを胆管に入れて造影剤を流し、胆管の状態を確認します
    胆管が細くなっている原因が分かったら、胆汁の流れを良くするために、ステント(胆管に入れる細いチューブ)を留置します。ステントを入れることで、胆汁が再び十二指腸へ流れるようになり、黄疸や胆管の炎症が改善します
    ステントは体の中に留置するため、外から見えることはありません。病状によっては、プラスチック製だけでなく、金属製のステントを使用することもあります

  3. 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術
    大腸内に発生した腺腫(良性腫瘍)や腺癌(悪性腫瘍)に対してESD(内視鏡的大腸粘膜剥離術)が行われます。EMR(内視鏡的粘膜切除術)という金属製のスネアを用いた切除方法が行われることが多いですが、腫瘍の中にはサイズが2cmを超える大きなものや、平坦に広がっていてスネアに入りきらない場合があります。
    そのような腫瘍に対してESDによる切除が検討されます。ESDは内視鏡スコープから特殊なナイフを出して、大腸の腫瘍を切除する治療です。大腸癌は開腹や腹腔鏡下手術で治療されることが多いですが、癌の浸潤が浅い場合はESDの適応となります。
    内視鏡検査で大腸は切らずに腫瘍のみ切除するため、開腹や腹腔鏡下手術と比較すると体の負担は少ないです。術後の食事も早く開始することができます。

  4. 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術)
    胃内に発生した腺腫(良性腫瘍)や腺癌(悪性腫瘍)に対してESD(内視鏡的胃粘膜剥離術)が行われます。ESDは内視鏡スコープから特殊なナイフを出して、胃の腫瘍を切除する治療です。
    胃癌は開腹や腹腔鏡下手術で治療されることが多いですが、癌の浸潤が浅い場合はESDの適応となります。内視鏡検査で胃は切らずに腫瘍のみを切除するため、開腹や腹腔鏡下手術と比較すると体の負担は少ないです。術後の食事も早く開始することができます。

  5. 内視鏡的大腸ポリープ粘膜切除術(長径2センチメートル以上)
    内視鏡にて大腸ポリープを切除する手技です。一般的には20mm未満のポリープでは金属製のスネアを用いてEMR(内視鏡的粘膜切除術)と呼ばれる方法で切除し、20mm以上の際はESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)と呼ばれる方法で切除します。
    ESDに比べてEMRの方が体への負担は少なく、20mm以上であってもスネアで安全に一括切除を行えると判断した際にはEMRでの切除を行います。日帰りの事もありますが、1泊もしくは2泊の入院で行うことが多いです。

循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 等 411 1.75 2.36 0.00 68.27
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 等 86 3.23 3.28 0.00 69.12
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 61 2.00 5.62 1.64 72.62
K5952 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 60 3.42 3.12 0.00 56.03
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 等 59 0.02 16.95 5.08 70.02

狭心症・心筋梗塞・下肢動脈閉塞
カテーテルによるステント留置術や外科的バイパス手術で治療します。
最先端のデバイス(道具)、技術を駆使して県内有数の件数・成績です。

不整脈
薬物治療とカテーテル治療があります。カテーテル治療では、最先端のクライオバルーン、ホットバルーン、レーザーバルーン、さらに最新のパルスフィールドアブレーションを用いて県内トップクラスの件数・成績です。

弁膜症
大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症が代表的疾患です。
外科手術に加えて、手術リスクの高い症例には低侵襲のカテーテルによる大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁形成術(Mitra-Clip)を施行しています。TAVI と MitraClip の両方を施行できる施設は、埼玉県内では当施設を含め 8 施設のみです。

心不全
心臓の動きが悪くなって息が苦しくなったり、体がむくんだりする状態を心不全といいます。最新の薬物治療に加えて、ペースメーカによる心臓再同期療法、体外式人工心臓など、最先端の機器も使用しています。
また、心アミロイドーシスなどの稀少疾患に対する診断・治療の認定施設であり、多施設から多くの症例を紹介頂いています。

心臓リハビリテーション
心臓病再発予防には心臓リハビリテーションが重要です。当施設では、入院から外来まで、心臓リハビリテーションを継続できるシステムが整っています。

小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 新生児仮死蘇生術 仮死第1度のもの 等 16 0.00 46.13 0.00 0.00
K9132 新生児仮死蘇生術 仮死第2度のもの 12 0.00 21.00 16.67 0.00
K386 気管切開術 - - - - -
K158 視神経管開放術 - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K616-41 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 等 81 1.94 3.15 2.47 70.95
K6121イ 末梢動静脈瘻造設術 内シャント造設術 単純なもの 等 67 7.25 21.48 1.49 68.93
K635-4 腹腔鏡下連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 11 9.55 22.91 0.00 56.82
K616-42 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等 - - - - -
K309 鼓膜(排液、換気)チューブ挿入術 - - - - -
脳神経内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K664 胃瘻造設術(経皮的内視鏡下胃瘻造設術、腹腔鏡下胃瘻造設術を含む) 13 13.38 20.15 23.08 67.92
K386 気管切開術 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) - - - - -
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 - - - - -
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) - - - - -
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 124 3.85 10.85 0.00 70.21
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 94 2.37 4.40 1.06 66.56
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 等 85 1.45 1.73 0.00 72.96
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 62 0.32 5.98 1.61 66.47
K7322ロ 人工肛門閉鎖術(腸管切除を伴う)(その他のもの) 等 57 2.37 10.51 0.00 61.65

当科では、主に消化器外科領域の手術を中心に診療を行っております。令和6年度も埼玉県内でトップカテゴリーに入る手術件数を維持し、腹腔鏡手術やロボット支援手術を積極的に導入することで、低侵襲で安全かつ確実な治療を提供しています。

特に、近年はロボット手術の導入が進み、胃・大腸・直腸などの悪性腫瘍に対する手術において、より精緻な操作が可能となり、患者さんの早期回復に大きく貢献しています。加えて、肝臓や膵臓の手術にもロボット手術の適応を拡げてきております。特に国産の手術支援ロボットであるhinotoriの手術症例数は日本の中でもトップ3に入る手術を施行しています。

また、これまで切除が難しいとされた進行癌症例に対しても、術前化学療法や放射線治療との併用を行いながら、外科手術を組み合わせた集学的治療を実施しています。血管合併切除など難度の高い症例にも対応し、地域の基幹病院としての役割を果たしています。

代表的な手術として、腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術(124件)、腹腔鏡下胆嚢摘出術(94件)、鼠径ヘルニア手術(85件)などが挙げられ、安全性と治療成績の両立を図っています。

当科では、一般の疾患から進行癌まで幅広く対応し、手術についても患者さん一人ひとりに最適になるような方法をとり、合併症を少なくして早期に社会復帰出来るように心がけています。

整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術(股) 等 322 1.39 16.64 6.52 69.58
K1422 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 等 46 6.65 27.26 34.78 67.87
K1423 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方椎体固定) 等 44 1.82 17.61 4.55 71.55
K079-21 関節鏡下靱帯断裂形成手術(十字靱帯) 等 37 1.03 5.08 0.00 26.78
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 35 4.91 18.43 31.43 72.57
  1. 股関節
    若年者の生まれつきの股関節疾患をはじめ、股関節の高度な変形、股関節周囲の外傷や過去の手術歴のある股関節疾患など、幅広い症例に対応しています。患者さんの持っている股関節疾患に加え年齢や社会背景を考慮して、社会復帰の早い人工股関節全置換術(THA)や、自身の骨を温存できる骨切り術、股関節鏡手術などをご提案しています。
    THAにおいては、患者さんの状態に合わせて筋肉や腱のダメージを抑えた低侵襲手術や視野の良い手術方法などを使い分けています。低侵襲手術では痛みが少なく、脱臼しにくいためリハビリの進みが早いです。人工股関節の器械も年齢や骨の形状・骨の強度などを考慮して、セメントを使用しない器械と使用する器械を使い分けたり、より骨温存が可能なショートステムを使用したりしています。また、人工関節の設置が困難な症例に対してはナビゲーションシステムを用いて正確に設置しています。さらにロボット支援人工股関節置換術も試験的に導入しています。
    股関節の治療では、手術だけでなく装具治療や日常動作指導、リハビリ指導なども行っています。

  2. 膝関節
    中高齢者の変形性膝関節症に対する治療から若年者のスポーツ外傷まで幅広く診療、手術を行っています。変形性膝関節症に対しては、変形や機能障害の程度、年齢や骨質、生活背景やニーズに合わせて、それぞれの患者さんに最適な治療をご提案します。人工膝関節置換術、膝周囲骨切り術(高位脛骨骨切り術、大腿骨遠位骨切り術)、関節鏡視下手術などでは、入念な術前計画と術中計測により正確で安全な手術を心がけています。ロボット支援人工膝関節手術も試験的に導入しております。スポーツ外傷に対しては靭帯再建術や半月板縫合術など、機能回復と組織温存を重視して治療を行っています。また、PRP(多血小板血漿)に加え、最新の自家滑膜幹細胞の関節内注射も提供していきます。小児からご高齢者まで膝関節の悩み全般に幅広く対応いたします。

  3. 脊椎
    頚椎から腰仙椎までの脊椎と脊髄の疾患や外傷に対し手術を行っております。小児・若年者の脊柱側弯症(思春期特発性側弯症、早期発症側弯症)および中高齢者の脊柱変性後側弯症(成人脊柱変形)に対して良好なアライメント(脊椎の形)と脊椎機能を目指した矯正手術を実施しております。腰部脊柱狭窄症や腰椎椎間板ヘルニアに対してはより侵襲の少ない内視鏡手術や顕微鏡手術、椎間板内酵素注入療法(ヘルニコア)も行っております。また高齢化する社会においてより増加しつつある骨粗鬆症に対する治療も積極的に行っており、疼痛が遷延する骨粗鬆症性椎体骨折に対しては、より低侵襲なBKP(バルーンカイフォプラスティ)からアライメント矯正のための前後合併手術まで幅広く対応しております。以上、多くの脊椎インストゥルメンテーション手術において、高精度ナビゲーションや術中脊髄モニタリングを用いて安全性を担保しております。

  4. 足・足関節
    足や足関節の痛みの原因となる疾患や変形(変形性足関節症、靭帯損傷、外反母趾や扁平足、麻痺性の足部変形など)に対し保存加療では症状が軽快し得なかった症例に対し手術を行っています。手術は関節鏡を用いた低侵襲な手術から、短縮してしまった腱を延長ないしは移行する手術、骨切り術、人工関節置換術など患者さんの病態に合わせて手術を行います。

  5. 小児疾患
    先天性の足部変形(先天性内反足、先天性垂直距骨下、足根骨癒合症など)に対する手術や股関節の疾患(発育性股関節形成不全、ペルテス病、大腿骨頭すべり症など)、外傷(骨折や骨端線損傷)に対する手術を行っています。
    適切な治療を行えば子供は元気に成長します。子供の成長、発達を常に考え子供の将来を見据え治療していきます。
    また、先天的に短い下肢や曲がっている下肢、骨折や腫瘍などに伴う下肢の変形に対し手術を行っています。手術は骨切り術や創外固定を用いた矯正、短い骨を伸ばす骨延長術、骨の成長線を利用し成長と共に変形を矯正する方法などがあります。下肢の荷重軸や脚長差を矯正することにより歩行が改善される手術です。

小児外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K836 停留精巣固定術 90 0.60 0.99 0.00 2.38
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 等 52 0.65 1.12 0.00 3.63
K8351 陰嚢水腫手術(鼠径部切開によるもの) 等 17 0.35 1.00 0.00 4.35
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 等 16 0.81 2.69 0.00 12.56
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 15 1.00 1.00 0.00 5.27
  1. 停留精巣固定術
    精巣が、お腹の中や、足の付け根に止まってしまい、おちんちんの袋(陰のう)まで落ちてこないことを停留精巣と言います。袋にあったり、触れなくなったりするのを、遊走精巣と言います。精巣は、妊娠7ヶ月でお腹の中から袋に下降します。しかし、生まれてすぐの赤ちゃんの5%に停留精巣が認められますが、7割は自然に治ります。生後6か月以降になると、自然に治ることは極端に少なくなります。停留精巣を放置すると、不妊症の原因となりますが、正しい位置に精巣を固定する手術を行うことで、危険性が半減します。遊走精巣は、精子を作る能力に異常が生じず、成長とともに自然に袋に収まってしまうことが多いのですが、まれに停留精巣となってしまうことがあるため定期的な診察が必要です。

    獨協医科大学埼玉医療センターでは、精巣に詳しい小児泌尿器科医や小児外科医が診療にあたり、生後6か月以降から、遅くとも2歳までには手術行います。術後も将来まで精巣の機能に問題がでないか経過を診ますので安心して受診してください。

  2. 鼠径ヘルニア手術
    小児外科で扱う疾患の中で最も多いもののひとつです。腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところに、腸管や卵巣(女児)が脱出するため、同部位が膨らんで見えることで異常に気がつきます。脱出臓器が袋に入り込んで戻らなくなり(嵌頓)ねじれたりむくんだりすることによって、血流が少なくなり、臓器が壊死してしまうことがあるので、見つけたら早めの手術が必要とされます。

    小児鼠経ヘルニアの手術の原則は内鼠経輪の高さでのヘルニア嚢の高位結紮であり、鼠径部の皺に沿って約1~2cmの皮膚切開をおき、外腹斜筋腱膜を露出します。これを切開しヘルニア嚢を挙上し、嚢内に脱出臓器がないことを確認後、ヘルニア嚢を内鼠経輪の高さで穿刺結紮します。外腹斜筋腱膜、浅腹筋膜、皮下縫合後、皮膚を埋没縫合します。

  3. 陰嚢水腫手術
    陰嚢水腫は腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところ(腹膜鞘状突起が残存)に液体が貯留するもので、小児の場合は腹腔内と交通する交通性陰嚢水腫がほとんどです。手術は鼠径ヘルニアと同様の手術を行います。小児の水腫は自然治癒も認められますので少なくとも1歳までは経過を観察します。

  4. 腹腔鏡下虫垂切除術
    虫垂炎は腹痛、嘔吐、発熱などを主症状とする虫垂の化膿性炎症性疾患です。学童期のこどもに多く見られる病気ですが、2-3歳の幼児にもみられるため注意が必要です。最初はおへその周りや上のほう(胃のあたり)を痛がり、1-2日で痛みが右の下腹部へ移動するのが虫垂炎に特徴的な腹痛です。痛みのためお腹を抱えて前かがみで歩いたり、ジャンプすると右下腹部の痛みが強くなるなどの特徴があります。

    こどもの虫垂炎は穿孔し、腹膜炎に進行しやすいといわれます。進行しないうちに手術(虫垂切除術)をするのが最も確実で、効果的な治療法です。ただし、すでにを穿孔し大きな塊や膿瘍を作っている場合には、抗菌剤で治めてから3-4ヵ月後に待機的虫垂切除術を行います。また最近では、炎症や腹痛が強くない場合、抗菌剤のみで炎症を抑えて手術をしないという選択肢もあります。

    現在ほとんどの症例は腹腔鏡手術により施行されています。また穿孔性で周囲に膿瘍を形成している症例でも、腹腔鏡下に腹腔内を洗浄してドレーンを挿入しないことがほとんどです。

    手術法には従来の開腹アプローチと腹腔鏡アプローチ(腹腔鏡下虫垂切除術)がありますが、当科では、通常は腹腔鏡アプローチで行っています。腹腔鏡下手術では気腹といってお腹を膨らませるために二酸化炭素ガスを注入する過程があり、これによりリスクを生じるお子様には開腹での手術を勧めています。

    腹腔鏡下手術ではまず腹壁に筒(ポート)を貫通させ、その筒を通してカメラと専用の道具(鉗子)を用い、気腹しながら手術を行います。臍下に約15mmの小切開を加え、ポートを挿入し、さらにカメラを挿入します。次に腹腔内にスペースを作るために二酸化炭素ガスを送ります(気腹といいます)。お腹が膨らみ、臓器を見ることができ、手術を行うことができます。

    虫垂炎の状態にも依りますが、臍下の傷のみで手術を行う場合(単孔式)、下腹部またはひだり側腹部もしくは両方にポートを挿入し、径2mm程度の道具を刺入する場合(2孔式もしくは3孔式)があります。臍下の傷のみの場合はその傷にカメラの他、手の代わりとなる道具(鉗子)を挿入し、手術をします。

    虫垂を確認し、虫垂に血を送っている血管を凝固装置で焼き切ります。虫垂の根元を糸でしばり、虫垂を切除します。切った虫垂は臍下の傷より体外へ出され、創部を縫合し、手術は終了します。

    ※炎症や癒着(虫垂が他の臓器にくっついていること)が強かったり、出血やその他の臓器を損傷し修復するのに、腹腔鏡下での操作に困難を生じた時には、操作のための筒を増やしたり、開腹手術に移行する可能性があります。

  5. 腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(両側)
    小児鼠経ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア手術では腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術が施行されます。本法は整容性に優れ、鼠経管構造を破壊せずに修復でき、さらに対側発生の予防も可能であり、急速に普及しています。従来法と比較し、再発率や安全性の面でも遜色がないという報告も増え、小児鼠経ヘルニアの標準手術となりつつあります。

    腹腔鏡下鼠経ヘルニア手術(腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術)ではまず術前に浣腸を施行、腸管を空虚にします。麻酔導入後に導尿し、膀胱を空虚にします。必要に応じ、腹直筋鞘ブロックを行います。
    体位は仰臥位とし、術者は患側の反対側に、スコピストは患側の同側に立ちます。
    皮膚切開は臍輪に収まるように1~1.5cmの縦切開をおき、open Hasson法で開腹し、3mm用のカメラポートを挿入します。8~10mmHgの圧で気腹します。
    カメラポートから3mm30度の斜視鏡を挿入し、腹腔内を観察します。続いて臍創部を神経鈎で尾側に牽引しながら白線部をモスキートペアンで剥離露出し、カメラポートから5mm程度尾側の筋膜に電気メスで鉗子孔を開けます。さらに直モスキートペアンで挿入孔を確認したのち、操作用のSILPEC鉗子を挿入します。
    まず患側の内鼠経輪の開存を確認し、続いて対側検索を行います。
    ラパヘルクロージャーを用いて内鼠経輪の周りを運針します。ラパヘルクロージャーで2-0非吸収糸を把持し、経皮的に腹壁外腔に挿入し、内鼠経輪の外側と内側をそれぞれ半周ずつ運針し、ヘルニア嚢根部を体外結紮します。結紮後、糸は体外で切り、結び目を皮下に埋め込みます。
    男児では輸精管や精巣動静脈を巻き込まないように運針し、女児では子宮円靭帯とヘルニア嚢を一緒に結紮します。
    ラパヘルクロージャーの刺入点から腹腔鏡観察下に局所麻酔薬を腹膜外腔に浸潤させ、ブロックを行います。
    ポート挿入部は全層、鉗子刺入部は筋膜を3-0吸収糸で、それぞれ1針ずつ縫合閉鎖します。皮膚は5-0吸収糸で真皮埋没縫合にて閉鎖します。
    臍の陥凹に綿球をおき、テガダームで被覆後、綿球内の空気をシリンジで吸引し圧迫します。
    ラパヘルクロージャーの刺入点はステリストリップで寄せたのち、IV3000で被覆し、手術を終了します。

産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K877 子宮全摘術 105 1.67 7.55 0.00 55.11
K8981 帝王切開術(緊急切開) 等 97 4.98 7.27 0.00 34.62
K8982 帝王切開術(選択切開) 等 86 3.62 6.92 0.00 34.87
K867 子宮頸部(腟部)切除術 83 0.04 1.01 0.00 42.53
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 等 78 2.05 4.94 0.00 49.24
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合・その他のも 等 1414 0.70 1.38 0.07 74.01
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) 等 563 0.57 3.76 0.00 63.09
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 等 162 0.70 3.80 0.00 64.90
K2021 涙管チューブ挿入術(涙道内視鏡を用いるもの) 等 63 0.25 0.22 0.00 71.41
K2684 緑内障手術 緑内障治療用インプラント挿入術(プレートのないもの) 等 61 0.51 3.16 0.00 69.92
当院では、白内障手術、緑内障手術および網膜硝子体手術を数多く行っています。白内障手術に関しては、日帰りあるいは入院で対応しています。緑内障に対しては、流出路再建術、濾過手術、チューブシャント手術、毛様体パルスレーザーなどの多くの術式を行っています。また、非常に多くの網膜硝子体手術を行っています。特に、難治性の網膜硝子体疾患にも対応いたします。
耳鼻咽喉・頭頸部外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術) 等 80 1.16 4.14 0.00 53.52
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔 等 77 1.42 4.09 0.00 60.55
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 69 1.00 6.12 0.00 20.23
K3191 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 等 43 1.53 4.28 0.00 45.91
K3192 鼓室形成手術(耳小骨再建術) 28 1.36 4.57 0.00 39.64

診療科別主要手術トップ5

  1. 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅳ型(汎副鼻腔手術)等
  2. 内視鏡下鼻・副鼻腔手術Ⅲ型(選択的(複数洞)副鼻腔手術)等
  3. 口蓋扁桃手術(摘出)等
  4. 鼓室形成手術(耳小骨温存術)等
  5. 鼓室形成手術(耳小骨再建術)
  6. 頸部郭清術(片側)等

市民向け解説
当科では手術加療が必要な中耳、鼻副鼻腔疾患に対して、より安全で質の高い手術を行うよう努めております。鼻副鼻腔疾患では慢性副鼻腔炎に対する汎副鼻腔手術と選択的複数洞副鼻腔手術が多く、4K モニターを用いた内視鏡下での手術加療を行っています。術後の平均入院期間はⅣ型4.14日、Ⅲ型4.09日と短いながらも術後合併症はほとんど認めておりません。慢性副鼻腔炎のみならず、頭蓋底におよぶ腫瘍や髄液漏など高度な技術を要する疾患に対しても内視鏡下での手術を行います。
一方、中耳疾患では慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎が大半を占め、内視鏡を併用したより専門性の高い手術を行っています。手術に伴う合併症はほとんどなく、術後の平均入院期間は鼓室形成手術において耳小骨温存術4.28日、耳小骨再建術4.57日とかなり短い入院期間となっております。手術件数は県内ではトップレベルの実績を誇り、鼓室形成手術以外に人工内耳植込み術の件数が年々増加しています。
慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術は昨年度とほぼ同程度の69件であり、術後合併症のない早期退院を目指した安全な医療を提供しております。

脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) 49 5.22 32.45 18.37 63.65
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 47 0.23 10.77 12.77 79.87
K1783 脳血管内手術(脳血管内ステントを用いるもの) 等 29 1.17 10.90 10.34 67.62
K1781 脳血管内手術(1箇所) 26 1.15 22.73 26.92 62.50
K609-2 経皮的頸動脈ステント留置術 24 4.25 7.04 8.33 74.67

【主要手術】

頭蓋内腫瘍摘出術
脳腫瘍摘出の原則はできる限り腫瘍細胞を摘出することですが、後遺症を最小限にする必要があります。そのため、麻痺や言語障害などの後遺症を避けつつ、可能な限り腫瘍を摘出します。ナビゲーションシステムを用いて神経線維と腫瘍の位置関係を術中に確認しながら摘出を行い、また術中に弱い電流を用いて脳表を刺激しながら手足の筋肉の動きがあることを確認する運動誘発電位モニターを用いて運動神経を損傷しないように確認を行っています。摘出術中に正常脳組織と腫瘍の境界が不明瞭であることがあり、腫瘍細胞を可視化する蛍光診断も併用し、安全で最大限の腫瘍細胞の摘出を行っています。ホルモンの中枢である下垂体の病変については、耳鼻科と合同で経鼻的腫瘍摘出を施行しており、年ごとに症例数が増加しています。

慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術
転倒などによる頭部外傷後に頭部精査で問題がなくとも、数カ月後に脳と脳を保護する硬膜の間に血混じりの液体が溜まり、脳を圧迫することにより意識障害や麻痺、痙攣などの症状を呈することがあります。慢性硬膜下血腫と診断された場合、麻痺などの症状を呈している際は、血腫を洗浄、除去する手術が必要となります。手術は局所麻酔下で行われ、4cm程度の皮膚切開の後、頭蓋骨に直径2センチ程度の穴をあけ、硬膜と呼ばれる脳を覆っている膜の下にたまっている血混じりの液体を洗浄します。洗浄後、シリコン製のチューブを血腫腔内に挿入し、一晩かけて溜まっている血腫を外に出します。手術の多くが30分程度で終了し、術直後には症状は改善します。

脳血管内手術(脳血管内ステント)
脳血管内手術において、頭蓋内動脈にステントと呼ばれる金属でできた網状の筒を留置することがあります。留置の対象となる主たる疾患は、内頚動脈瘤です。脳動脈瘤に対する血管内治療の際には、コイルと呼ばれるプラチナでできた細い糸状の柔らかい金属を何本も瘤内に留置し、動脈瘤を塞栓しますが、動脈瘤の入り口が広い場合にステントを留置することがあります。また近年ではフローダイバーターステントと呼ばれる金属の網目の非常に細かいステントが使用可能となっており、動脈瘤の基部の血管に留置するだけで動脈瘤を閉塞させることができます。全国でもこの治療が可能な施設は限られており、当院では県内でも治療可能な数少ない施設の一つであります。

脳血管内手術
脳血管内手術とは、脳の病気に対して皮膚を切ったり頭蓋骨を外したりして手術することなく、血管の中から治療を行う手術です。大腿の付け根の血管や肘の血管からカテーテルと呼ばれる細く長い管を血管の中に誘導し、脳の病変部まで進め治療を行います。脳動脈瘤、脳動静脈奇形、脳硬膜動静脈瘻、頸動脈狭窄症、脳主幹動脈急性塞栓症、頭蓋内動脈狭窄症、鎖骨下動脈狭窄症などの脳や頸の血管の病気が治療の対象となります。その他、脳腫瘍摘出術前に、術中の出血を低減させる目的で脳腫瘍栄養血管塞栓術や鼻出血などの治療も適応となります。

経皮的頸動脈ステント留置術
動脈硬化や放射線治療などにより、頸動脈にプラークと呼ばれる血管肥厚が引き起こされることがあります。これにより血管内腔が細くなり、頭蓋内への血流が少なくなったり、プラークから血栓や破綻したプラークが飛んだりして脳梗塞を引き起こすことがあります。脳梗塞などの症状がない方でも80%以上の狭窄があると、薬だけの治療では脳梗塞の発生は予防困難となります。このような病変に対して、血管の中から風船付きのカテーテルで狭窄部を拡張させ、ステントと呼ばれる金属でできた網状の筒を留置して狭窄を解除します。通常、局所麻酔で行われ、1時間30分程度で終了します。

泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術・電解質溶液利用のも 等 212 1.55 4.37 0.00 72.45
K834-3 顕微鏡下精索静脈瘤手術 103 0.26 1.00 0.00 33.01
K843-4 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を 等 96 1.24 8.15 0.00 69.53
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) 等 90 1.07 2.52 0.00 60.06
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 50 0.98 6.84 2.00 61.56
泌尿器科では、前立腺がんなどの悪性腫瘍や尿路結石などの良性疾患に加えて、男性不妊、小児泌尿器疾患、腎移植などの高度に専門的な診療も行っています。手術においては、手術支援ロボットを2台使用し、多くの方に低侵襲手術を提供できるように努めています。令和6年度も多くの前立腺がん、膀胱がんの方を診療し、手術を行いました。さらに、精索静脈瘤や尿路結石に対する手術を多数行いました。今後も皆様に高度な医療を提供することでお役に立てるように努めていきます。
救急医療科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K386 気管切開術 32 13.06 28.75 75.00 66.94
K654 内視鏡的消化管止血術 11 2.73 11.00 18.18 78.09
K6021 経皮的心肺補助法(初日) 10 0.00 22.40 30.00 56.40
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術 急性心筋梗塞に対するもの 等 - - - - -
K0461 骨折観血的手術(大腿) 等 - - - - -
皮膚科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 等 159 1.07 4.87 0.00 77.19
K0051 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)長径2cm未満 等 55 0.82 2.49 0.00 56.64
K0052 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)直径2cm以上4cm 等 45 0.73 2.22 0.00 53.73
K0062 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)長径3cm以上6 等 29 0.76 3.07 0.00 66.66
K013-21 全層植皮術(25cm2未満) 等 21 1.67 11.67 0.00 76.14

超高齢化社会を迎え、皮膚がん患者数は増加傾向にあり、皮膚科入院数の7割超を占めております。皮膚がんの治療は、ごく早期で小さなものであれば外来で手術や外用などの治療を行いますが、多くの場合は原則として入院治療になります。入院での皮膚がんの手術件数は昨年度では159名で、基底細胞癌が最多で有棘細胞癌、悪性黒色腫(メラノーマ)、乳房外パジェット病が主要な疾患です。このほか、血管肉腫、メルケル細胞癌、脂腺癌などまれではありますが、悪性度の高い腫瘍の治療も行っております。有棘細胞癌、悪性黒色腫、乳房外パジェット病、メルケル細胞癌に対してはセンチネルリンパ節生検も行っています。リンパ節転移を生じている場合には、リンパ節郭清を行うこともあります。また、がんを切除した後の欠損部を機能的で外観のよい状態に再建することも重要と考えております。特に基底細胞癌は悪性度こそ高くないですが顔面に生じることが多いので、当科では整容面を重視して顕微鏡を用いた縮小手術も試みています。手術以外に、がんの種類によっては抗がん剤や放射線治療を行うこともあります。症例ごとに最善の治療方法を選択します。粉瘤や脂肪腫、色素性母斑(ほくろ)などの良性腫瘍は小さなものは外来で手術を行っていますが、大きな腫瘍は入院で行っています。入院手術を行う患者様を対象とした「腫瘍外来」という専門外来を設けております。
また、アトピー性皮膚炎・尋常性乾癬・痒疹などの難治性皮膚疾患、蜂窩織炎・帯状疱疹などの感染症、皮膚筋炎・強皮症などの膠原病、ウイルス・薬剤による中毒疹、類天疱瘡・尋常性天疱瘡などの水疱症、パッチテスト・採血などによるアレルギー検査など幅広い疾患を診療し、多くの患者様が外来・入院で治療されています。腫瘍外来のほか、「乾癬外来」、「アトピー性皮膚炎外来」、しみ・あざ等の「レーザー外来」などの専門外来も行っています。

乳腺・内分泌外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・腋窩部郭清を伴わない 等 108 1.78 8.32 0.00 66.06
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除併施しない) 等 58 2.14 10.14 0.00 57.19
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術)(腋窩部郭清を伴 等 56 1.36 2.09 0.00 64.93
K6113 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) 等 28 1.29 2.25 0.00 60.96
K4764 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術) (内視鏡下によ 等 18 1.22 6.06 0.00 57.61

【主要手術】

乳房全摘術とセンチネルリンパ節生検
乳癌の手術は、術後の手の浮腫を防ぐため、近年腋窩リンパ節の郭清を極力なくす方向で行われています。このため、手術中に腋窩のリンパ節を1個だけ調べるセンチネルリンパ節生検が主流となっています。しかし、この術式はアイソトープの施設があることや病理の迅速診断が可能なことが条件で、大きな病院でないと実施できません。当院は、乳癌の全ての手術法に対応して手術が可能な施設です。このため、種々の術式が採用されていますが、腫瘍の大きさや場所に応じて、適切な術式を選択しています。

乳房温存手術
癌の広がりが少なく、場所も限定している場合乳房全体を切除することなく根治を目指すことが可能です。これが乳房温存手術です。
乳房温存手術後は、残った乳房組織に放射線照射を行うことが必要となります。放射線治療は、局所のみに照射するもので、全身への影響はほとんどありません。治療も1回数分で終了します。ただし、約3週間、連日の通院が必要となります。このように、追加治療の必要性も含めて手術術式は患者さんと相談しつつ決めています。術式により、再発や予後の差が出ず、かつ最大の治療効果を生じるように検討を重ね、患者さんに最新治療を提供しています。

腋窩リンパ節廓清を伴う手術
脇のリンパ節を手術中に生検するセンチネルリンパ節生検とは別に、最初から脇のリンパ節全体を切除する方法、腋窩リンパ節廓清術が選択されることがあります。最初の検査の段階ですでに脇のリンパ節に転移が確認された場合にこの手術を行います。
化学療法によりリンパ節転移が消失した可能性がある場合も、この術式が選択されることが多いです。化学療法により本当に癌が消失したかどうか、実際に組織を採取しないと判定できないからです。仮に、転移した状態で摘出せず放置した場合、後にリンパ節に再発してくる可能性が高いため転移する可能性が高いリンパ節群をまとめて摘出する手術です。

静脈内持続注入用埋め込み型カテーテル設置:CVポート造設手術
乳がん治療は、手術はもとより化学療法を行うことが多く、化学療法の期間も6か月以上に及びます。この間、多い場合は毎週点滴をする必要が生じます。手の血管が細く、点滴が入りにくい方は、毎回点滴に苦労することになります。こうした事態を避けるため、鎖骨の下の胸部皮下に注射するポートという小さい円盤を埋め込み、皮膚からこのポートに点滴針を刺す方法があります。ポートの先は、内頸静脈という太い血管に留置されたカテーテルと接続されています。ポートを留置するには手術が必要ですが、局所麻酔で行う手術です。
治療が終了した後は、ポートとカテーテルを除去することも可能です。これは外来で行うことができる簡便な手術です。

遺伝子診断と予防的乳房切除術
遺伝性乳癌卵巣癌症候群は、BRCAという遺伝子に変異を来すことで乳癌や卵巣癌が高率に発生する家族性疾患です。若年発症や、家族歴のある乳癌患者さんにはBRCAという遺伝子の変異を保険適応で検査することができます。仮にこの遺伝子変異が陽性の乳癌患者さんで、対側乳房の乳がん発生を予防するために、予防的乳房切除術を希望される場合には当院当科はこの手術を施行できる施設認定を受けておりますので、実施は可能です。
また、形成外科の協力の元、乳房切除時に同時に再建を行うことも実施しています。

甲状腺・副甲状腺の手術
当科は内分泌外科―甲状腺、副甲状腺疾患を対象としています。甲状腺疾患は、バセドウ病や甲状腺癌を治療します。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて生じる疾患で、多くは内服治療で病勢はおさまりますが手術を要する場合もあります。近年は甲状腺全摘術が多く行われています。甲状腺癌は、組織型により予後や治療内容が変わります。腫瘍は、細胞診によりおおよその組織型がわかりますので、そのあとで治療方針を決定します。
副甲状腺機能亢進症は、近年増加傾向にあります。血中のカルシウムを測定する機会が増えたことが関係していると思います。この病気は、副甲状腺腺腫によりもたらされます。血液中のカルシウム濃度が高い状態を放置すると、尿管結石や腎機能障害、心筋梗塞や骨粗鬆症を引き起こします。これらの予防のためにも、治療は必要です。治療は、副甲状腺腺腫を摘出することが一番早く確実な方法ですが、頚部は多くの細かい神経や血管があるため、術後の合併症を防ぐ意味からも、できれば専門医の治療が必要です。当科では甲状腺専門医が診療していますので、治療は専門病院と同質の適切な治療を安全に行うことができます。わざわざ都内の専門病院へ通院される患者さんのご負担は減ることと思います。

形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 18 1.78 1.00 0.00 25.67
K0301 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 16 0.81 3.56 0.00 46.19
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 15 0.20 1.60 0.00 69.73
K0111 顔面神経麻痺形成手術(静的なもの) 等 12 0.83 2.50 0.00 70.00
K2961 耳介形成手術(耳介軟骨形成を要するもの) 等 11 1.00 5.00 0.00 24.00

診療科別主要手術トップ5

  1. 鼻骨骨折整復固定術
    顔面の外傷は、おもに表面の皮膚や軟部組織を損傷する場合と、より深い顔の骨を損傷する場合があります。皮膚・軟部組織の損傷では、創部の縫合などにより、損傷する前の状態に戻す、あるいは近づける処置を行います。損傷した部位が多数であったり、重要な組織の損傷があったりする場合は、全身麻酔での処置を行います。
    顔の骨の骨折(顔面骨骨折)には、受傷される部位により、鼻骨骨折、頬骨骨折、下顎骨骨折、眼窩底骨折などがあります。鼻骨骨折では、整容性を改善する目的で、受傷3週間以内を目途に、骨折を受傷前になるべく近い状態に整復し固定する手術を、入院、全身麻酔で手術をしています。整復固定術後は、全身状態に問題がなければ退院可能となり、当科では鼻骨骨折の整復固定術後は、ほぼ翌日に退院しています。
    患者用パス:あり

  2. 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹)等
    四肢および体幹部は、体表面の皮膚、体の中心構造を支える硬組織である骨、およびその間の筋肉、脂肪などの軟部組織などでできています。軟部組織にできる腫瘍が、「軟部腫瘍」ですが、その多くは、脂肪組織から発生する「脂肪腫」です。脂肪腫は、直径1cmに満たない小さいものから、長径30cm以上になる大きいものまであります。小さいものでは、外来手術で摘出することができますが、大きい、深い部位に存在する、機能的・形態的に重要な組織に隣接する等の場合は、入院、全身麻酔で安全に摘出する手術を行います。手術後、創部が自宅で処置できる状態となれば退院可能であり、当科での平均術後日数は、3.6日です。
    患者用パス:あり

  3. 眼瞼下垂症手術(その他)
    眼瞼下垂は、何らかの原因で上眼瞼を挙上する機能が低下し、物が見難くなったり、視野が狭くなったりする症状が現れます。先天的な眼瞼挙筋の機能低下の他、後天的には、上眼瞼皮膚の弛緩、眼瞼挙筋付着部の緩みなどが原因となることが多い。また顔面神経麻痺の晩期後遺症として異常共同運動により眼輪筋の働きが強くなって発症する場合もあります。手術は、眼瞼下垂を起こしている原因によって術式が異なり、先天的な挙筋機能低下では筋膜移植等による眼瞼のつり挙げ術、後天的な眼瞼挙筋付着部の緩みでは挙筋前転法による手術を行いますが、その他の皮膚の弛緩によるものでは余剰皮膚切除を主体とした眼瞼挙上術、顔面神経麻痺後遺症によるものでは皮膚及び眼輪筋部分切除を行います。局所麻酔で手術を行いますが、術後の腫脹や局所の安静目的に短期入院での手術となります。術後の創部出血や腫脹が問題なければ退院可能であり、当科では術後1.6日で退院しています。
    患者用パス:あり

  4. 顔面神経麻痺形成手術(静的なもの)等
    顔面神経麻痺は顔面の表情筋が麻痺となり、眉毛の下垂や閉瞼不全及び下眼瞼の外反、笑いの表情の欠如と口角の下垂などの症状が現れるものをいいます。多くはウイルス性のBell麻痺やハント症候群ですが、外傷や先天性の麻痺、聴神経腫瘍などによる術後性の麻痺など多彩な原因による疾患です。ウイルス性麻痺の大部分は動きが回復しますが、異常共同運動による後遺症を残す場合もあります。
    これら急性期を過ぎて症状が固定してしまった顔面神経麻痺に対しては、動きをつける動的形成術と安静時の対称性の確保を目的とした静的形成術が行われます。動的形成術では側頭筋移行術や遊離広背筋移植術、静的形成術では眉毛挙上術、鼻唇溝形成術、筋膜移植術などの方法が用いられます。静的形成術の場合、局所麻酔で行うことが可能な術式もありますが、当科では基本的に入院手術で行っており、術後の入院平均日数は2.5日です。
    患者用パス:あり

  5. 耳介形成手術(耳介軟骨形成を要するもの)等
    先天性の耳介変形である折れ耳、絞扼耳やスタール耳、小耳症などに対しては耳介軟骨形成を要する耳介形成手術が必要となります。とくに高度の変形である小耳症については10歳になるまで待機したうえで、胸部の肋軟骨を採取して耳の形に細工して移植する第1期手術と、耳介を立ち上げる第2期手術の2回の手術が必要となります。小耳症は多くの場合外耳道閉鎖を伴い高度の伝音難聴を伴いますが、当科では症例によって可能な場合に第2期手術の際に外耳道形成術を同時に施行し、形態と機能の再建の両立をはかっています。そのほかにも埋没耳や立ち耳、軽度のものでは副耳や耳瘻孔なども扱っています。
    患者用パス:あり

リプロダクションセンター
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K838-22 精巣内精子採取術 顕微鏡を用いたもの 等 59 0.00 1.00 0.00 34.17
K834-3 顕微鏡下精索静脈瘤手術 18 0.22 1.00 0.00 31.56
K838-21 精巣内精子採取術(単純) 等 14 0.00 1.00 0.00 36.36
- - - - - - -
- - - - - - -
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える 等 112 2.43 10.57 0.00 72.21
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 等 41 2.56 6.85 0.00 71.49
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除によるも 等 40 4.23 3.68 0.00 31.35
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 等 28 2.14 8.96 0.00 73.07
K513-2 胸腔鏡下良性縦隔腫瘍手術 等 19 1.79 4.89 0.00 55.26

当科では、年間180例程の肺悪性腫瘍手術を行っています。腫瘍径2cmを超える原発性肺癌では肺葉切除術+縦隔リンパ節郭清を、2cm以下の腫瘍に対しては部分切除や区域切除などで、可能な限り肺を温存した縮小手術を行っています。
また、90%の患者さんは胸腔鏡を用いて小さな手術創で、できるだけ負担の少ない低侵襲手術(単孔/多孔式胸腔鏡、ハイブリッド胸腔鏡、ロボット支援)を行っています。また手術の安全性と確実性を担保するため、腫瘍部位とその進行度に応じて10%は胸腔鏡を補助的に利用しながらの開胸手術で対応しています。通常、術前日に入院していただいていますが、糖尿病をお持ちの患者さんなどは1−2週間前に入院いただくこともあり、平均術前日数が2日強ほどになっています。手術を受けた患者さんは全員ご自宅に退院されています。
若年者の自然気胸など嚢胞性肺疾患に対しては、2cm程の小さな創1箇所のみの単孔式胸腔鏡手術を行い美容的観点にも留意しています。再発防止のために嚢胞切除断端部を吸収性メッシュ及び自己血で覆う被覆処置を標準的に追加しています。気胸は多くの場合、緊急入院で胸腔ドレナージを行ったのち、できるだけ早く手術を行うようにしておりますが、臨時手術のため待機日数が4日ほど要しています。
胸腔鏡で良性縦隔腫瘍摘出術も多く手がけますが、術前後合わせわせて入院期間は7日以内になっています。

心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) 等 76 4.67 10.30 7.89 82.76
K5612ロ ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) 等 31 2.81 15.52 3.23 79.03
K5551 弁置換術(1弁のもの) 等 30 5.00 32.47 13.33 73.43
K5522 冠動脈バイパス移植術(2吻合以上) 等 30 7.90 16.10 0.00 69.47
K5607 大動脈瘤切除術(腹部大動脈・その他のもの) 等 19 5.42 15.74 5.26 71.58
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる 35 0.15
180010 敗血症 同一 51 0.22
異なる 82 0.36
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 83 0.36
異なる 11 0.05

消化器外科の手術においては、胃や大腸、胆管には多くの細菌が存在しており、この様な臓器を切除する際にはこれらの菌がどうしても術野に漏れでてしまいます。この様なことから、手術後に菌による感染性の合併症が問題となります。真菌や弱毒菌など、通常では問題とならないような菌が手術後で体力が落ちている状況では感染性合併症を引き起こすことがあります。そのような症例の一部では、感染が制御出来ず、敗血症や血小板が下がってしまう播種性血管内凝固症候群に陥ってしまい、重症化する症例もあります。
この様な合併症をできる限り減らすため、多くの手法を取り入れています。まず、手術中の菌の散布を防止するため、できる限り、消化液や胆汁などが術野に広がらないような手術の工夫をしています。また、十分な量の洗浄によっての防止策も行っています。抗生剤は乱用すると耐性菌を作ってしまうため、薬剤部と共同で必要最低限で、最も効率が良いと思われるものを使用しています。また、栄養療法により、患者さんの免疫力を高め、感染に強くなるよう、手術前後の管理を行っています。この様な対策にもかかわらず、敗血症などの重症化した場合は、集中治療部、救急部と綿密な連携のもと、最新の医療技術をもちいてその治療に当たっています。

リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
2843 2555 89.87%
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが高い手術を施行した患者様に対し、抗凝固薬や弾性ストッキングを使用した予防策の実施率を表しています。
算出定義は以下の通りです。
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数
分母:肺血栓塞栓症のリスクレベル「中」以上の手術を施行した退院患者数
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
4098 3576 87.26%
血液培養を2セット行う目的としては、採取部位の常在菌による汚染を鑑別することや、菌の検出率を高めることがあげられます。
算出定義は以下の通りです。
分子:血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数
分母:血液培養オーダー日数
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
1796 1590 88.53%
広域スペクトル抗菌薬とは、多くの細菌に対し効果のある薬剤のことをいいます。
しかし、この薬剤の乱用は耐性菌(抗生物質に対する抵抗性を持った細菌)を増加させる恐れがあり、抗菌薬を適正に使用するためには、どのような細菌が原因であるのかを調べることが重要です。
算出定義は以下の通りです。
分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数
分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
282449 470 1.66‰
【定義】
分母:退院患者の在院日数の総和もしくは入院患者延べ数
分子:分母のうち、退院患者に発生した転倒・転落件数
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
282449 34 0.12‰
【定義】
分母:退院患者の在院日数の総和もしくは入院患者延べ数
分子:分母のうち対象患者のインシデント影響度分類レベルが3b以上の転倒・転落回数の合計
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
5461 5370 98.33%
【定義】
分母:全身麻酔手術で、予防的抗菌薬投与が実施された手術件数
分子:分母のうち、手術開始前1時間以内に予防的抗菌薬が投与開始された手術件数
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
274106 267 0.10%
【定義】
分母:退院患者の在院日数の総和もしくは除外条件に該当する患者を除いた入院患者延べ数
分子:褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡)の発生患者数
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
12253 11639 94.99%
【定義】
分母:65歳以上の退院患者数
分子:分母のうち、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
251263 4341 1.73%
【定義】
分母:退院患者の在院日数の総和
分子:分母のうち、身体的拘束日数の総和
更新履歴
2025/9/25
令和6年度病院指標更新