年齢区分 | 0~ | 10~ | 20~ | 30~ | 40~ | 50~ | 60~ | 70~ | 80~ | 90~ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
患者数 | 1217 | 845 | 665 | 1175 | 1604 | 2780 | 3362 | 6413 | 3722 | 281 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
020110xx97xxx0 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 | 1125 | 2.42 | 2.54 | 0.00 | 75.07 | |
020110xx97xxx1 | 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 | 353 | 4.06 | 4.46 | 0.00 | 74.88 | |
020160xx97xxx0 | 網膜剥離 手術あり 片眼 | 290 | 6.03 | 7.81 | 0.00 | 55.60 | |
020200xx9710xx | 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし | 165 | 4.44 | 5.67 | 0.00 | 70.08 | |
020180xx97x0x0 | 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼 | 104 | 4.54 | 6.10 | 0.00 | 56.58 |
当院では、白内障手術、緑内障手術および網膜硝子体手術を数多く行っています。白内障手術に関しては、日帰りあるいは入院で対応しています。緑内障に対しては、流出路再建術、濾過手術、チューブシャント手術、毛様体パルスレーザーなどの多くの術式を行っています。また、非常に多くの網膜硝子体手術を行っています。特に、難治性の網膜硝子体疾患にも対応いたします。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060100xx01xxxx | 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 | 346 | 2.35 | 2.61 | 0.00 | 67.00 | |
060340xx03x00x | 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 235 | 6.54 | 8.75 | 0.00 | 73.92 | |
060020xx04xxxx | 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 | 142 | 6.80 | 7.61 | 0.00 | 74.05 | |
060035xx04xxxx | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 93 | 6.70 | 6.45 | 0.00 | 72.76 | |
06007xxx97x0xx | 膵臓、脾臓の腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし | 63 | 9.41 | 11.65 | 4.76 | 75.13 |
診療科別症例数トップ5
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
060035xx010x0x | 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし | 129 | 14.40 | 15.12 | 0.78 | 71.57 | |
060160x001xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 98 | 3.77 | 4.55 | 0.00 | 74.90 | |
060010xx99x41x | 食道の悪性腫瘍(頸部を含む。) 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり | 76 | 13.41 | 14.75 | 0.00 | 66.57 | |
060020xx02xxxx | 胃の悪性腫瘍 胃切除術 悪性腫瘍手術等 | 74 | 11.05 | 18.01 | 0.00 | 72.04 | |
060050xx02xxxx | 肝・肝内胆管の悪性腫瘍(続発性を含む。) 肝切除術 部分切除等 | 61 | 13.20 | 14.28 | 0.00 | 69.56 |
当科においては、主に消化器の外科治療を担当させていただいております。対象となる疾患としては胃、食道、小腸、大腸、直腸、肝臓、膵臓、胆嚢胆管の悪性腫瘍(癌や肉腫)が中心となります。胃の悪性腫瘍で進行癌が疑われる場合は、腹腔鏡下手術での試験開腹術により、画像では捉えられない変化もしっかりと見極めた上で治療方針を決定しています。また、大腸や直腸の癌においてはその病状に応じて、抗がん剤による化学療法や放射線治療と外科治療を組み合わせた治療法を行い、その治療成績の向上を目指しております。また、肝臓や胆道の癌に対しては外科手術が最も治療成績が良いことから、進行癌に対してもできる限り手術を行っております。その他にも膵臓癌や肝門部領域胆管癌などへも化学療法と外科治療を組み合わせ、他院では手術が困難と判断された患者さんに対しても積極的な外科手術を行って、治療成績の向上を目指しております。
一方、鼠径ヘルニアや胆石症など、普段の生活に支障を来すような病気に対しても丁寧にそれぞれの症例ごとに適切な治療法を行い、患者様の生活の質の向上を目指しております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110080xx991xxx | 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 あり | 189 | 3.01 | 2.44 | 0.00 | 71.76 | |
11022xxx01xxxx | 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 | 172 | 2.42 | 3.69 | 0.00 | 28.23 | |
110070xx03x20x | 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2 2あり 定義副傷病 なし | 128 | 6.21 | 6.59 | 0.00 | 74.06 | |
11012xxx02xx0x | 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 定義副傷病 なし | 109 | 4.97 | 5.22 | 0.92 | 62.92 | |
110080xx01xxxx | 前立腺の悪性腫瘍 前立腺悪性腫瘍手術等 | 107 | 10.36 | 11.19 | 0.00 | 69.76 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050070xx01x0xx | 頻脈性不整脈 経皮的カテーテル心筋焼灼術 手術・処置等2 なし | 456 | 4.90 | 4.57 | 0.00 | 67.32 | |
050210xx97000x | 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1 なし、1,3あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 129 | 9.47 | 9.77 | 0.00 | 76.01 | |
050130xx9900x0 | 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 113 | 19.56 | 17.38 | 8.85 | 78.61 | |
050050xx9910x0 | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 98 | 3.69 | 3.05 | 0.00 | 69.83 | |
050050xx9920x0 | 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 | 94 | 4.30 | 3.25 | 1.06 | 73.23 |
狭心症・心筋梗塞・下肢動脈閉塞
カテーテルによるステント留置術や外科手術によるバイパス手術で治療します。
最先端のデバイス(道具)、技術を駆使して県内トップクラスの件数・成績です。
不整脈
薬物治療とカテーテル治療があります。カテーテル治療では、最先端のクライオバルーン、ホットバルーン、レーザーバルーンを用いて県内トップクラスの件数・成績です。
弁膜症
大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症が代表的疾患です。
外科手術に加えて、手術リスクの高い患者様には低侵襲のカテーテルによる大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁形成術(Mitra-Clip)を施行しています。TAVIとMitra-Clipの両方施行できる施設は、埼玉県内では当施設を含め3施設のみです。
心不全
心臓の動きが悪くなって息が苦しくなったり、体がむくんだりする状態を心不全といいます。最新の薬物治療に加えて、ペースメーカによる心臓再同期療法、体外式人工心臓など、最先端の機器も使用しています。
心臓リハビリテーション
心臓病再発予防には心臓リハビリテーションが重要です。当施設では、入院中から外来まで、心臓リハビリテーションを継続できるシステムが整っています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
12002xxx99x40x | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 123 | 5.68 | 4.18 | 0.00 | 57.67 | |
12002xxx01x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2 なし | 118 | 14.08 | 10.10 | 0.00 | 58.03 | |
12002xxx02x0xx | 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮頸部(腟部)切除術等 手術・処置等2 なし | 84 | 2.20 | 2.96 | 0.00 | 42.49 | |
120070xx01xxxx | 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 開腹によるもの等 | 80 | 10.26 | 9.68 | 0.00 | 56.53 | |
120060xx01xxxx | 子宮の良性腫瘍 子宮全摘術等 | 72 | 9.42 | 9.23 | 0.00 | 45.76 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
07040xxx01xxxx | 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 190 | 17.98 | 19.55 | 4.74 | 67.07 | |
070230xx01xxxx | 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 | 91 | 21.66 | 21.96 | 6.59 | 74.11 | |
160620xx01xxxx | 肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。) 腱縫合術等 | 73 | 7.48 | 13.04 | 0.00 | 30.85 | |
070343xx01x0xx | 脊柱管狭窄(脊椎症を含む。) 腰部骨盤、不安定椎 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(多椎間又は多椎弓の場合を含む。) 前方椎体固定等 手術・処置等2 なし | 52 | 18.96 | 19.94 | 9.62 | 71.29 | |
070180xx97xxxx | 脊椎変形 手術あり | 49 | 15.47 | 21.46 | 8.16 | 31.59 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
030350xxxxxxxx | 慢性副鼻腔炎 | 113 | 6.19 | 6.02 | 0.00 | 51.10 | |
030150xx97xxxx | 耳・鼻・口腔・咽頭・大唾液腺の腫瘍 手術あり | 103 | 7.19 | 6.74 | 0.00 | 55.93 | |
03001xxx0200xx | 頭頸部悪性腫瘍 頸部悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし | 58 | 15.52 | 12.84 | 0.00 | 72.33 | |
030240xx99xxxx | 扁桃周囲膿瘍、急性扁桃炎、急性咽頭喉頭炎 手術なし | 56 | 7.21 | 5.51 | 0.00 | 41.52 | |
030440xx01xxxx | 慢性化膿性中耳炎・中耳真珠腫 鼓室形成手術 | 53 | 6.25 | 6.76 | 0.00 | 46.92 |
診療科別症例数トップ5
市民向け解説
当科では耳、鼻、咽喉頭、頭頸部全般にわたる幅広い疾患に対応しております。手術加療が必要な疾患の中では慢性副鼻腔炎、慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎が多く、なかでも中耳炎に対する手術では入院期間(平均在院日数)は6.25日であり、全国平均6.76日より短い入院期間となっています。慢性副鼻腔炎に対する手術では入院期間が6.19日と全国平均とほぼ同等ですが、術後の感染や再出血による再入院はほとんど認めておりません。慢性副鼻腔炎や中耳炎以外では頭頸部腫瘍に対する治療の依頼が飛躍的に増加している状況です。
また、手術加療以外の疾患にも対応しており、当科では急性扁桃炎、扁桃周囲膿瘍をはじめとする炎症性疾患の入院症例も多い状況です。急性扁桃炎では入院のうえ抗菌薬の点滴加療を行いますが、扁桃周囲膿瘍では穿刺または切開による排膿が必要であり、重症例の受け入れが多いため平均の入院期間は7.21日と全国平均よりやや長い入院期間なっています。
通院の簡便さや時間的な制限の緩和を目的に地域の診療所や病院と積極的な地域連携を強化しており、退院後の通院先を紹介することが可能な体制を整えております。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx99200x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 219 | 3.53 | 2.98 | 0.00 | 71.42 | |
040040xx99040x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 85 | 12.66 | 8.33 | 0.00 | 70.40 | |
040110xxxxx0xx | 間質性肺炎 手術・処置等2 なし | 61 | 27.87 | 18.65 | 4.92 | 71.72 | |
030250xx991xxx | 睡眠時無呼吸 手術なし 手術・処置等1 あり | 47 | 2.00 | 2.03 | 0.00 | 60.40 | |
040040xx99041x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 あり | 37 | 21.03 | 13.90 | 0.00 | 73.97 |
当科では肺がんを含めた多くの肺疾患の診療を行なっています。最も多い肺がんの診断検査として、気管支内視鏡検査を年間300例以上行っています。安全のために入院での検査を原則としていますが、気管支内視鏡検査の在院日数は概ね3日程です。肺がんと診断され化学療法(抗がん剤治療)を行う場合、最初は入院での治療を行います。化学療法後の副作用を確認し(平均在院日数13日)、2コース(回)目以降は外来通院での化学療法も行っています。治療薬剤の変更が必要となった場合には、新たな薬剤(抗がん剤)の導入を入院にて行います。胸水貯留や食事摂取困難、呼吸困難、疼痛、転移による症状など、がんによる病状の進行を認めた場合にも入院治療を行っています。そして当科では地域の関連施設との連携を積極的に行い、個々の患者さんに対して最適な医療を地域の病院と共に行っています。
2024年9月20日
呼吸器・アレルギー内科 福島康次
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050200xx99xxxx | 循環器疾患(その他) 手術なし | 92 | 2.82 | 7.40 | 0.00 | 12.89 | |
080270xxxx1xxx | 食物アレルギー 手術・処置等1 あり | 64 | 1.02 | 2.12 | 0.00 | 4.03 | |
140010x199x0xx | 妊娠期間短縮、低出産体重に関連する障害(2500g以上) 手術なし 手術・処置等2 なし | 55 | 7.91 | 6.07 | 0.00 | 0.00 | |
040090xxxxxxxx | 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) | 50 | 7.02 | 5.96 | 0.00 | 1.16 | |
040070xxxxx0xx | インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし | 47 | 6.49 | 5.86 | 0.00 | 3.49 |
小児の入院患者数がもっとも多いのは起立性調節障害の診断のための起立試験です。起立性調節障害は朝起きられない、全身倦怠感、頭痛などの原因として思春期のお子さんに多い病気です。正しい診断にあわせて治療をすることで症状が改善します。2番目に多いのは食物経口負荷試験の検査入院です。食物アレルギー患者さんは最近増加しています。アレルギーの原因となる食物を食べて、じんま疹、顔の腫れ、咳や嘔吐がみられます。時に、喘鳴や呼吸困難、血圧低下などアナフィラキシーという重症な症状がでることがあります。治療の基本は、正しい診断に基づいてアレルギーの原因となる食物だけを食べないようにする「最小限の食物摂取除去」です。正しい診断のためには食物経口負荷試験が必要です。
当院は地域周産期母子医療センターを併設して、早産低出生体重児、呼吸障害やチアノーゼを呈する正期産児、外科疾患、脳外科疾患、様々な先天異常などの新生児をみており、東部エリアにおける中心的な新生児医療施設です。最近、感染症の入院も増えています。ただのカゼと思っていても入院治療を必要とする場合があります。
小児科 松原知代
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10007xxxxxx1xx | 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり | 207 | 12.18 | 13.99 | 0.48 | 65.55 | |
130030xx99x9xx | 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2 9あり | 59 | 15.61 | 12.88 | 0.00 | 70.32 | |
10006xxxxxx1xx | 1型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。) 手術・処置等2 1あり | 35 | 13.23 | 13.31 | 0.00 | 60.66 | |
100180xx990x0x | 副腎皮質機能亢進症、非機能性副腎皮質腫瘍 手術なし 手術・処置等1 なし 定義副傷病 なし | 34 | 4.91 | 6.46 | 0.00 | 55.62 | |
130030xx97x50x | 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2 5あり 定義副傷病 なし | 33 | 28.64 | 29.83 | 0.00 | 65.58 |
当科は糖尿病内分泌疾患と血液疾患の診療を担当していますが、入院される患者さんは糖尿病では1型および2型糖尿病、内分泌疾患では副腎腫瘍が多くを占めています。今や我が国において糖尿病および糖尿病が疑われる人は約5人に1人と極めて多くなっています。また30歳以上の男性の約3割、40歳以上の女性の約2割は肥満であり、肥満者は急激に増えています。したがって肥満を主たる原因とし、インスリン抵抗性(体から分泌されるインスリンの効き目が悪い)による2型糖尿病が近年増加の一途にあり、当科の入院患者さんとしても年々増えています。実際当科の年間の糖尿病の外来患者さんの延べ数は6000名を超え、常時20名程度の糖尿病患者さんが入院されています。
糖尿病治療は最初が肝心です。当科では、未治療の2型糖尿病で入院した患者さんの血糖状態を24時間持続血糖モニタリングなどを用いて正確に把握し、高血糖状態をインスリン治療によってなるべく早く是正します。そして退院時にはインスリンを卒業し、なるべく経口薬(飲み薬)のみで治療できるようにしていきます。
また当科では医師、看護師、薬剤師、管理栄養士および臨床検査技師が一体となって糖尿病教室を開き、患者さんの教育にあたっております。特に独自のエクササイズプログラムを用いた運動療法は全国的にも有名で、当科の糖尿病教室の特色です。退院後も食事運動療法を継続できるように指導いたします。
一方で、主に自分の免疫の仕組みが、インスリンを産生、分泌する膵のβ細胞を攻撃してしまうためにインスリン分泌が減少、枯渇することで発症する1型糖尿病の患者さんにはインスリン治療が不可欠です。治療としては毎食直前の超速効型インスリンと、1日一回の持効型インスリンの合計1日4回の自己注射を行う強化インスリン療法が一般的ですが、インスリンを持続的に皮下に注入するインスリンポンプによる治療も当科では積極的に行っています。最近のインスリンポンプの進化は目覚ましく、24時間持続血糖モニタリングと連動して、自動的にインスリンの注入量を調節する新しいインスリンポンプも使えるようになりました。このような最新技術による「インスリン注射の自動運転」とも言えるインスリンポンプはまさに1型糖尿病患者さんへの福音であり、当科でも精力的に導入しています。
さらに最近のCTやMRIなどの画像診断の進歩により、偶然に副腎腫瘍が見つかるケースが多くなっています。また高血圧の患者さんへの二次性高血圧症、特に原発性アルドステロン症のスクリーニングが、かかりつけ医の先生方にも浸透してきたため、副腎腫瘍、原発性アルドステロン症疑いの患者さんをご紹介いただくことが増えています。副腎腫瘍特に原発性アルドステロン症については、当科は全国的にも多くの診療実績を持っています。各種内分泌負荷試験を行うことで診断し、放射線科とタイアップして副腎静脈サンプリングを行い、手術の場合は当院の泌尿器科で行うという円滑な診断治療ラインが確立しています。
血液疾患では急性白血病および高齢化社会に伴って、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)の患者さんが入院患者さんの上位を占めています。血液疾患は、近年新規薬剤(特に分子標的薬)の進歩が目覚ましく、その治療成績も飛躍的に向上しています。当科では無菌治療室(クリーンルーム)も6床稼動し、急性白血病および悪性リンパ腫などに対する化学療法に必要な環境も完備しています。さらに大量抗がん剤治療を安全に行うことを可能にする自家末梢血幹細胞移植も2021年4月から始まっており、症例も着実に増加しています。また放射線治療も当院放射線科との密接な連携の下に行っています。
糖尿病内分泌・血液内科 診療部長 橋本 貢士
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
110280xx9900xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし | 154 | 5.92 | 11.49 | 1.30 | 46.23 | |
110280xx03x0xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 内シャント血栓除去術等 手術・処置等2 なし | 73 | 2.08 | 4.51 | 0.00 | 69.55 | |
110280xx991xxx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 あり | 68 | 6.99 | 6.44 | 0.00 | 45.44 | |
110260xx99x3xx | ネフローゼ症候群 手術なし 手術・処置等2 3あり | 47 | 4.11 | 4.65 | 0.00 | 47.23 | |
110280xx9902xx | 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 2あり | 39 | 7.90 | 8.09 | 0.00 | 60.21 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010030xx9910xx | 未破裂脳動脈瘤 手術なし 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし | 87 | 3.16 | 2.95 | 0.00 | 61.00 | |
010010xx03x00x | 脳腫瘍 頭蓋内腫瘍摘出術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 47 | 24.64 | 20.70 | 14.89 | 60.79 | |
010030xx03x0xx | 未破裂脳動脈瘤 脳血管内手術 手術・処置等2 なし | 43 | 7.16 | 8.94 | 0.00 | 60.84 | |
010050xx02x00x | 非外傷性硬膜下血腫 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 37 | 10.30 | 11.87 | 10.81 | 79.97 | |
160100xx99x00x | 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 25 | 20.40 | 8.38 | 24.00 | 63.60 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
080006xx01x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) 皮膚悪性腫瘍切除術等 手術・処置等2 なし | 165 | 6.45 | 7.22 | 0.00 | 77.52 | |
080007xx010xxx | 皮膚の良性新生物 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)等 手術・処置等1 なし | 106 | 5.09 | 3.93 | 0.00 | 52.35 | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1 なし | 32 | 15.22 | 12.88 | 3.13 | 60.53 | |
080006xx97x0xx | 皮膚の悪性腫瘍(黒色腫以外) その他の手術あり 手術・処置等2 なし | 25 | 17.40 | 9.40 | 0.00 | 77.80 | |
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし | 16 | 5.25 | 4.28 | 0.00 | 50.50 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
010110xxxxx4xx | 免疫介在性・炎症性ニューロパチー 手術・処置等2 4あり | 35 | 25.97 | 16.97 | 14.29 | 64.03 | |
010230xx99x00x | てんかん 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 26 | 8.08 | 7.19 | 7.69 | 41.81 | |
010080xx99x0x1 | 脳脊髄の感染を伴う炎症 手術なし 手術・処置等2 なし 15歳以上 | 25 | 15.92 | 16.56 | 8.00 | 59.64 | |
010130xx99x0xx | 重症筋無力症 手術なし 手術・処置等2 なし | 25 | 12.64 | 11.67 | 0.00 | 64.48 | |
010090xxxxx0xx | 多発性硬化症 手術・処置等2 なし | 23 | 19.35 | 13.69 | 4.35 | 42.04 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
161070xxxxx00x | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 72 | 2.47 | 3.62 | 6.94 | 32.68 | |
161070xxxxx1xx | 薬物中毒(その他の中毒) 手術・処置等2 1あり | 22 | 5.50 | 8.53 | 27.27 | 49.55 | |
180010x0xxx2xx | 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 2あり | 22 | 18.86 | 31.28 | 54.55 | 68.09 | |
180010x0xxx3xx | 敗血症(1歳以上) 手術・処置等2 3あり | 17 | 39.41 | 37.35 | 23.53 | 61.41 | |
161060xx99x0xx | 詳細不明の損傷等 手術なし 手術・処置等2 なし | 16 | 1.88 | 2.86 | 0.00 | 50.50 |
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
090010xx010xxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1 なし | 190 | 11.02 | 9.88 | 0.53 | 61.67 | |
090010xx02xxxx | 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) | 51 | 4.76 | 5.64 | 0.00 | 60.02 | |
090010xx99x40x | 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 4あり 定義副傷病 なし | 35 | 2.06 | 3.51 | 0.00 | 57.11 | |
100020xx010xxx | 甲状腺の悪性腫瘍 甲状腺悪性腫瘍手術 切除(頸部外側区域郭清を伴わないもの)等 手術・処置等1 なし | 25 | 7.64 | 7.94 | 0.00 | 55.72 | |
090010xx99x80x | 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2 8あり 定義副傷病 なし | 22 | 2.00 | 3.55 | 0.00 | 57.36 |
乳癌は増加の一途をたどり、いまや日本人女性の10人に一人が罹患する疾患となりました。ご親族や、ご友人のなかにも乳癌の治療を受けられた方がいると思います。乳癌は、最初の治療が大切です。最初の治療が適切に行われたかどうかで予後まで影響を受けてしまいます。また、乳癌は比較的化学療法(抗癌剤)が効果的である癌です。このため、手術に先行して化学療法を行い、腫瘍を小さくしてから手術を行う場合があります。さらに、手術を終了してから、再発を予防するために抗癌剤を投与する場合があります。いずれのケースも予後を伸ばす効果が確認されています。このように、手術に加えて抗癌剤治療を多く行う診療科でもあり、化学療法が治療頻度の上位をしめています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
140590xx97xxxx | 停留精巣 手術あり | 109 | 2.46 | 2.97 | 0.00 | 2.19 | |
060160x101xxxx | 鼠径ヘルニア(15歳未満) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 | 67 | 2.57 | 2.75 | 0.00 | 4.19 | |
11022xxx01xxxx | 男性生殖器疾患 精索捻転手術等 | 19 | 2.47 | 3.69 | 0.00 | 4.68 | |
060170xx02xx0x | 閉塞、壊疽のない腹腔のヘルニア ヘルニア手術 腹壁瘢痕ヘルニア等 定義副傷病 なし | 15 | 2.47 | 6.86 | 0.00 | 3.60 | |
060380xxxxx0xx | ウイルス性腸炎 手術・処置等2 なし | 13 | 4.77 | 5.64 | 0.00 | 11.62 |
精巣が、お腹の中や、足の付けねに止まってしまい、おちんちんの袋(陰のう)まで落ちてこないことを停留精巣と言います。袋にあったり、触れなくなったりするのを、遊走精巣と言います。
精巣は、妊娠7ヶ月でお腹の中から袋に下降します。しかし、生まれてすぐの赤ちゃんの5%に停留精巣が認められますが、7割は自然に治ります。生後6か月以降になると、自然に治ることは極端に少なくなります。停留精巣を放置すると、不妊症の原因となりますが、正しい位置に精巣を固定する手術を行うことで、危険性が半減します。遊走精巣は、精子を作る能力に異常が生じず、成長とともに自然に袋に収まってしまうことも多いのですが、まれに停留精巣となってしまうことがあるため定期的な診察が必要です。
獨協医科大学埼玉医療センターでは、精巣に詳しい小児泌尿器科医や小児外科医が診療にあたり、生後6か月以降から、遅くとも2歳までには手術行います。術後も将来まで精巣の機能に問題がでないか経過を診ますので安心して受診してください。
小児外科で扱う疾患の中で最も多いもののひとつです。腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところに、腸管や卵巣(女児)が脱出するため、同部位が膨らんで見えることで異常に気がつきます。脱出臓器が袋に入り込んで戻らなくなり(嵌頓)ねじれたりむくんだりすることによって、血流が少なくなり、臓器が壊死してしまうことがあるので、見つけたら早めの手術が必要とされます。
尿道下裂や水腎症等の小児泌尿器疾患に対して小児泌尿器科と協力し診療しています。また、小児急性陰嚢症(精索捻転や精巣炎、精巣上体炎等)の救急疾患にも対応しています。精索捻転では精巣、精巣上体の急激な血行障害から、放置すると梗塞、壊死をきたします。緊急手術を要する疾患です。
腹壁ヘルニアとは、前腹壁あるいは側腹壁の筋膜の一部が欠損し、同部より腹部内臓器(主として腸管)が腹膜に包まれて皮下に脱出した状態です。
腹壁瘢痕ヘルニアは開腹手術創部の瘢痕部に発生したヘルニアを言います。
白線ヘルニアは白線に一致した欠損部から主として腹膜周囲の脂肪組織塊が脱出したもので、臍上部に多く認めます。
臍ヘルニアは臍輪が完全に閉鎖しない場合に起こります。生後2~3週以降、臍帯脱落後に細部が膨隆してくることが多い。ヘルニア内容は腸管であり、啼泣時に膨隆し、安静時に指で圧迫すると容易に還納される。多くは生後2~3か月にヘルニアの大きさは最大となり、その後縮小し、大半は生後6か月頃までに膨隆を認めなくなります。小児の臍ヘルニアは自然治癒する可能性が高く、腹筋の発達とともに1才頃までには約80%、2歳頃までには約90%が自然治癒するとされていますが、それ以降は自然治癒の可能性は少なく、手術を施行します。
乳児期早期の絆創膏による圧迫固定が自然治癒の促進や臍突出症の予防に効果が認められるため、乳児期の症例ではまず圧迫固定を施行します。
急性胃腸炎は、感染などが原因で胃もしくは腸粘膜に炎症をきたしている状態です。乳幼児に多く認められるウイルス感染に起因する乳児下痢症と、学童以降に増加する細菌感染が原因の細菌性腸炎に大別されます。
乳児下痢症はロタウイルス、アデノウィルス、ノロウイルスなどのウイルス感染が原因となります。ウイルスに感染すると、腸粘膜に炎症が起こり、水分や電解質の吸収能力が低下します、一方粘液の分泌が亢進し下痢となります。また、糖質などの吸収不全に伴う浸透圧性下痢をきたし水溶性下痢が続くこともあります。症状は突然の嘔吐から始まることが多く、その後、酸臭を帯びた淡黄色ないし白色水様便が、多いときは1日に10回以上出現します。冬季に流行することが多いです。
細菌性腸炎は、カンピロバクター、サルモネラ、病原大腸菌、腸炎ビブリオ、黄色ブドウ球菌などの細菌感染が原因となります。いずれも、食物が十分に調理されていない場合や料理人の手洗いがきちんとなされていない際に感染します。腹痛、発熱、血便で始まるものが多いです。腹痛は比較的強く、腸の動きが悪くなり、腹部が膨満することもあります。発熱は細菌感染に伴い持続します。便に血液、粘液、濃などが混入することもあります。
いずれも虫垂炎との鑑別が必要となります。小児の虫垂炎は腹痛、嘔吐、発熱などを主症状とする虫垂の化膿性炎症性疾患です。学童期のこどもに多く見られる病気ですが、2-3歳の幼児にもみられるため注意が必要です。最初はおへその周りや上のほう(胃のあたり)を痛がり、1-2日で痛みが右の下腹部へ移動するのが虫垂炎に特徴的な腹痛です。
痛みのためお腹を抱えて前かがみで歩いたり、ジャンプすると右下腹部の痛みが強くなるなどの特徴があります。こどもの虫垂炎は穿孔し、腹膜炎に進行しやすいといわれます。進行しないうちに手術(虫垂切除術)をするのが最も確実で、効果的な治療法です。ただし、すでに穿孔し大きな塊や膿瘍を作っている場合には、抗菌剤で治めてから3-4ヵ月後に待機的虫垂切除術を行います。また最近では、炎症や腹痛が強くない場合、抗菌剤のみで炎症を抑えて手術をしないという選択肢もあります。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
040040xx97x00x | 肺の悪性腫瘍 その他の手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 186 | 10.89 | 9.89 | 0.00 | 71.70 | |
040200xx01x00x | 気胸 肺切除術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 28 | 10.71 | 9.54 | 0.00 | 38.68 | |
040020xx97xxxx | 縦隔の良性腫瘍 手術あり | 18 | 8.28 | 7.58 | 0.00 | 61.44 | |
040040xx99200x | 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 17 | 3.06 | 2.98 | 0.00 | 74.71 | |
040150xx97x00x | 肺・縦隔の感染、膿瘍形成 手術あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 12 | 14.17 | 28.24 | 8.33 | 70.00 |
肺の悪性腫瘍や気胸に対する手術を目的とした入院が多くなっています。大学病院・総合病院として多種多様な疾患(重症糖尿病、人工透析、慢性心不全など)を持つ方の手術も多く、また気胸では緊急入院後の臨時手術となるため、在院日数が全国平均より1日ずつ長くなっています。
肺・縦隔の感染症は抗生物質やドレナージなどの治療の効果が乏しい場合に手術を行います。内科や近隣の医療機関との連携により外科的治療の介入を計っています。高齢者や合併疾患の多い方では感染による消耗で体力の低下や廃用症候群のため外科治療後にリハビリテーション目的に転院となることもあり、転院率が8.3%となっています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
050080xx97000x | 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 52 | 13.46 | 12.46 | 1.92 | 83.40 | |
050080xx0101xx | 弁膜症(連合弁膜症を含む。) ロス手術(自己肺動脈弁組織による大動脈基部置換術)等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 1あり | 46 | 21.46 | 21.52 | 0.00 | 69.09 | |
050163xx03x0xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 ステントグラフト内挿術 手術・処置等2 なし | 34 | 9.88 | 10.42 | 0.00 | 78.26 | |
050163xx02x1xx | 非破裂性大動脈瘤、腸骨動脈瘤 大動脈瘤切除術(吻合又は移植を含む。) 腹部大動脈(分枝血管の再建を伴うもの)等 手術・処置等2 1あり | 19 | 18.11 | 19.20 | 10.53 | 74.53 | |
050080xx97010x | 弁膜症(連合弁膜症を含む。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし | 16 | 12.75 | 15.82 | 0.00 | 82.88 |
弁膜症
心臓弁膜症とは、心臓の中で血液を決まった方向に流すためにある弁の機能が悪くなった病気です。大動脈弁、僧帽弁、三尖弁の3つの弁に多く生じ、狭窄症と閉鎖不全症(逆流)があります。多くは息切れや倦怠感の症状が出ますが、高度の弁膜症では、たとえ症状がなくても手術をした方がいい場合があります。最近では高齢の患者さんの大動脈弁狭窄症や僧帽弁閉鎖不全にはカテーテルによる手術も行えるようになってます(当院では年間100例以上)。
大動脈瘤
大動脈が太く拡張した状態を大動脈瘤といいます。自覚症状はほとんどなく、エコー検査やCT検査で偶然発見されることが多い病気ですが、大きくなると破裂して死に至ります。禁煙、血圧の是正が重要ですが、内科的治療では現在のところ進行を止めることができず、根治には外科的な治療しかありません。当院では切らない、カテーテルでの動脈瘤治療に力を入れています。
DPCコード | DPC名称 | 患者数 | 平均 在院日数 (自院) |
平均 在院日数 (全国) |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
160200xx02000x | 顔面損傷(口腔、咽頭損傷を含む。) 鼻骨骨折整復固定術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし | 45 | 3.84 | 4.63 | 0.00 | 28.60 | |
070010xx010xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術等 手術・処置等1 なし | 14 | 5.93 | 5.14 | 0.00 | 51.50 | |
070010xx970xxx | 骨軟部の良性腫瘍(脊椎脊髄を除く。) その他の手術あり 手術・処置等1 なし | 14 | 3.71 | 4.28 | 0.00 | 36.71 | |
020230xx97x0xx | 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし | 11 | 2.82 | 2.82 | 0.00 | 65.91 | |
080010xxxx0xxx | 膿皮症 手術・処置等1 なし | - | - | 12.88 | - | - |
初発 | 再発 | 病期分類 基準(※) |
版数 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Stage I | Stage II | Stage III | Stage IV | 不明 | ||||
胃癌 | 80 | 42 | 42 | 41 | 151 | - | 1 | 8 |
大腸癌 | 106 | 132 | 85 | 93 | 189 | 24 | 1 | 8 |
乳癌 | 100 | 134 | 47 | 29 | 12 | 32 | 1 | 8 |
肺癌 | 138 | 64 | 154 | 210 | 282 | 29 | 1 | 8,7 |
肝癌 | - | 21 | 20 | - | 59 | 38 | 1 | 8,6 |
解説
初発患者は、UICC (国際対がん連合) によって定められたTNM分類に基づいて決定した病期分類による退院患者数を、再発患者 (再発部位によらない) は集計期間内の実患者数を示しています。
TNM分類では、T:原発腫瘍の大きさと浸潤の程度、N:所属リンパ節への転移の有無と拡がり、M:遠隔転移の有無を評価します。そして、これらを総合的に組み合わせて病期をStage I~Stage IVに分類します。
TNM 分類が不明確などでStageが決定できなかった場合は、「不明」と記載しました。
一連の治療で、集計期間内に複数回入院しても、1例として集計しています。
胃癌・大腸癌・肝癌
消化器内科と外科が連携して診療に当たっております。
胃癌は、健康診断等で早期に発見されたStage Iの患者さんが80名いましたが、一方、Stage Ⅲになってから診断された患者さんも42名と多かったです。
大腸癌は、Stage Ⅲ~IVで診断された患者さんが多かったです。
肝癌は、常にStage不明の患者さんが多い傾向にあります。
乳癌
乳腺科で診療しています。我が国の乳癌の罹患率は年々増加しています。乳癌は早期に発見され適切な治療を受ければ予後は良好です。このため乳癌検診はぜひ受けてください。自己触診でも異常を感じたらかかりつけ医に受診してください。当科ではStageⅠとⅡで80%を占め、次いで局所進行乳癌のStage Ⅲが10%程度の頻度で見られました。いずれも手術に加えて化学療法や分子標的治療が行われています。遠隔転移があるStage Ⅳおよび再発も一定数発生しています。これらの方も化学療法などで治療を継続しています。薬物療法は様々なタイプの乳がんに最適な薬剤を選択し最新の治療を行っています。
高リスクに該当する方は遺伝子検査が保険適応となっていますので遺伝子診断をお勧めしています。当院は、遺伝性乳癌卵巣がんリスクの遺伝子診断、予防的治療が実施できる施設認定がなされています。このため遺伝子変異のある乳癌患者さんには、対側の予防的乳房切除も実施しています。
肺癌
日本人の「がん」による死亡原因の第1位が肺癌です。肺癌の診療は呼吸器・アレルギー内科と呼吸器外科、そして放射線科が連携して診療しております。
令和5年度、肺癌診断時のStageはⅠ期:138人、Ⅱ期:64人、Ⅲ期:154人、Ⅳ期:210人でした。このように診断時、既にStageⅢ~Ⅳ期の進行癌(手術による治療が困難)であった患者さんが多く、がん検診や人間ドックなどで早期に発見することが重要です。再発患者数は29人で昨年よりも減少しています。
患者数 | 平均 在院日数 |
平均年齢 | |
---|---|---|---|
軽症 | 23 | 14.09 | 58.87 |
中等症 | 95 | 19.45 | 76.66 |
重症 | 13 | 22.46 | 78.54 |
超重症 | - | - | - |
不明 | - | - | - |
「肺炎」は日本人の死亡原因の第5位[1位:悪性新生物(がん)、2位:心疾患、3位:老衰、4位:脳血管疾患、5位:肺炎、6位:不慮の事故、7位:誤嚥性肺炎]ですが、7位の誤嚥性肺炎を「肺炎」に含めると死亡原因の第3位となり、特に高齢者の肺炎が増加しています。通常の社会生活を送っている中で発症する肺炎を「市中肺炎」と言います。市中肺炎は抗菌薬による治療反応性や病気の予後(改善しやすさ)によって軽症、中等症、重症、超重症の4段階に分類されます。令和5年度の肺炎による患者数/入院日数/平均年齢は軽症:23人/14日/59歳、中等症:95人/20日/77歳、重症:13人/22日/78歳でした。
肺炎は早期に発見し治療を開始することが大切ですが、予防ワクチン(新型コロナワクチン、インフルエンザワクチン、RSウイルスワクチン、肺炎球菌ワクチン)接種を行なって、肺炎の発症を積極的に予防することや、入院早期からリハビリテーションを開始することで体力を保持し、廃用性障害による身体活動性の低下を防ぐことも大切です。
2024年9月20日
呼吸器・アレルギー内科 福島康次
発症日から | 患者数 | 平均在院日数 | 平均年齢 | 転院率 |
---|---|---|---|---|
3日以内 | 144 | 24.87 | 73.11 | 35.76 |
その他 | 21 | 30.57 | 69.76 | 3.64 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K2821ロ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(その他) | 1418 | 0.55 | 1.26 | 0.00 | 75.05 | |
K2801 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含む) 等 | 578 | 0.60 | 3.39 | 0.00 | 63.29 | |
K2802 | 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他) 等 | 115 | 0.63 | 3.61 | 0.87 | 62.42 | |
K2821イ | 水晶体再建術(眼内レンズを挿入)(縫着レンズ挿入) | 60 | 0.35 | 1.82 | 0.00 | 73.20 | |
K2682イ | 緑内障手術(流出路再建術)(眼内法) | 50 | 0.50 | 1.80 | 0.00 | 70.98 |
当院では、白内障手術、緑内障手術および網膜硝子体手術を数多く行っています。白内障手術に関しては、日帰りあるいは入院で対応しています。緑内障に対しては、流出路再建術、濾過手術、チューブシャント手術、毛様体パルスレーザーなどの多くの術式を行っています。また、非常に多くの網膜硝子体手術を行っています。特に、難治性の網膜硝子体疾患にも対応いたします。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K7211 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 等 | 272 | 0.30 | 1.13 | 0.00 | 68.36 | |
K688 | 内視鏡的胆道ステント留置術 | 212 | 1.18 | 6.91 | 2.36 | 75.21 | |
K6532 | 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 | 132 | 0.14 | 5.83 | 0.00 | 74.23 | |
K721-4 | 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 | 117 | 0.26 | 5.46 | 0.00 | 71.26 | |
K7212 | 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル以上 等 | 85 | 0.07 | 1.32 | 0.00 | 61.98 |
診療科別主要手術トップ5
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K719-3 | 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 等 | 141 | 3.38 | 11.95 | 0.71 | 71.07 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 等 | 90 | 1.38 | 1.32 | 0.00 | 75.08 | |
K672-2 | 腹腔鏡下胆嚢摘出術 | 78 | 1.35 | 3.74 | 0.00 | 64.72 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 62 | 0.63 | 4.29 | 0.00 | 67.42 | |
K740-21 | 腹腔鏡下直腸切除・切断術(切除術) 等 | 51 | 2.53 | 15.22 | 1.96 | 70.02 |
当科の手術は消化器の悪性腫瘍に対する手術が中心となります。そのため、結腸や直腸、胃の切除術が多くなっています。この様な臓器の手術では、できる限り患者様の負担を軽減するため、腹腔鏡下手術を積極的に取り入れています。現在では8割以上の患者様に腹腔鏡下手術を適応としています。その中でも手術支援ロボットを使用したロボット支援下手術を積極的に取り入れ、埼玉県下でも最も症例数が多く、日本の中でも上位の手術数を誇っています。肝臓や膵臓の手術にもこの技術を使用してロボット支援下手術数が増加しています。これにより、患者様への手術の侵襲を軽減し、術後の早期回復、手術日数の短縮、早期の社会復帰に全力で取り組んでいます。また、肝臓、胆道、膵臓の手術においては最先端の技術を取り入れ、進行癌でも外科手術を行うよう、心がけています。特に門脈に代表されるような血管への浸潤例でも合併切除を安全に行うことで、他院にて手術が難しいと言われた症例にも外科手術を行っています。
鼠径ヘルニアや胆石症といった一般的な疾患に対しても多くの手術を行っています。ヘルニアに対してはメッシュを使って再発が少なく、また、術後の違和感の少ない手法を用いています。胆石症ではそのほとんどを腹腔鏡下手術で行っていますし、また、炎症が強くその治療に難渋する症例も多く他院などからの紹介を受けていますので、その症例にあわせた適切な治療法で患者様の早期の回復を心がけています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0821 | 人工関節置換術(股) 等 | 280 | 1.36 | 16.93 | 6.79 | 69.39 | |
K1422 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) | 53 | 6.00 | 21.58 | 33.96 | 67.43 | |
K069-3 | 関節鏡下半月板縫合術 | 41 | 1.15 | 5.56 | 0.00 | 32.80 | |
K0461 | 骨折観血的手術(大腿) 等 | 39 | 3.23 | 21.21 | 41.03 | 63.46 | |
K1425 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(椎弓切除) 等 | 37 | 1.84 | 19.30 | 16.22 | 70.49 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K8036イ | 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(電解質溶液利用) 等 | 224 | 1.48 | 4.37 | 0.45 | 74.45 | |
K834-3 | 顕微鏡下精索静脈瘤手術 | 119 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 32.87 | |
K843-4 | 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術(内視鏡手術用支援機器を用いる) 等 | 108 | 1.31 | 8.12 | 0.00 | 69.75 | |
K7811 | 経尿道的尿路結石除去術(レーザー) 等 | 108 | 1.22 | 2.75 | 0.93 | 63.03 | |
K783-2 | 経尿道的尿管ステント留置術 | 53 | 1.74 | 6.34 | 1.89 | 60.83 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K5951 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの 等 | 387 | 1.58 | 2.26 | 0.00 | 68.16 | |
K5952 | 経皮的カテーテル心筋焼灼術 その他のもの 等 | 81 | 2.72 | 3.21 | 0.00 | 62.59 | |
K5493 | 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 等 | 80 | 2.58 | 4.09 | 0.00 | 69.74 | |
K616 | 四肢の血管拡張術・血栓除去術 | 68 | 1.37 | 5.76 | 1.47 | 75.21 | |
K597-2 | ペースメーカー交換術 | 42 | 1.60 | 4.95 | 0.00 | 78.31 |
狭心症・心筋梗塞・下肢動脈閉塞
カテーテルによるステント留置術や外科手術によるバイパス手術で治療します。
最先端のデバイス(道具)、技術を駆使して県内トップクラスの件数・成績です。
不整脈
薬物治療とカテーテル治療があります。カテーテル治療では、最先端のクライオバルーン、ホットバルーン、レーザーバルーンを用いて県内トップクラスの件数・成績です。
弁膜症
大動脈弁狭窄症・僧帽弁閉鎖不全症が代表的疾患です。
外科手術に加えて、手術リスクの高い患者様には低侵襲のカテーテルによる大動脈弁置換術(TAVI)、僧帽弁形成術(Mitra-Clip)を施行しています。TAVIとMitra-Clipの両方施行できる施設は、埼玉県内では当施設を含め3施設のみです。
心不全
心臓の動きが悪くなって息が苦しくなったり、体がむくんだりする状態を心不全といいます。最新の薬物治療に加えて、ペースメーカによる心臓再同期療法、体外式人工心臓など、最先端の機器も使用しています。
心臓リハビリテーション
心臓病再発予防には心臓リハビリテーションが重要です。当施設では、入院中から外来まで、心臓リハビリテーションを継続できるシステムが整っています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K877 | 子宮全摘術 | 126 | 1.94 | 7.77 | 0.00 | 54.27 | |
K8981 | 帝王切開術(緊急帝王切開) 等 | 94 | 5.34 | 7.05 | 0.00 | 34.49 | |
K8982 | 帝王切開術(選択帝王切開) 等 | 93 | 4.89 | 6.91 | 0.00 | 34.76 | |
K867 | 子宮頸部(腟部)切除術 | 85 | 0.11 | 1.12 | 0.00 | 42.39 | |
K8882 | 子宮附属器腫瘍摘出術(両側)(腹腔鏡) 等 | 69 | 0.91 | 4.62 | 0.00 | 43.13 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K3772 | 口蓋扁桃手術(摘出) 等 | 74 | 1.01 | 6.16 | 0.00 | 25.72 | |
K340-6 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術4型(汎副鼻腔手術) | 66 | 1.26 | 4.44 | 0.00 | 50.21 | |
K340-5 | 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 等 | 61 | 1.03 | 4.08 | 0.00 | 57.18 | |
K4571 | 耳下腺腫瘍摘出術(耳下腺浅葉摘出術) 等 | 40 | 1.00 | 6.00 | 0.00 | 56.18 | |
K3191 | 鼓室形成手術(耳小骨温存術) 等 | 39 | 1.31 | 3.85 | 0.00 | 43.10 |
診療科別主要手術トップ5
市民向け解説
当科では手術加療が必要な中耳、鼻副鼻腔疾患に対して、より安全で質の高い手術を行うよう努めております。鼻副鼻腔疾患では慢性副鼻腔炎に対する汎副鼻腔手術と選択的複数洞副鼻腔手術が多く、4Kモニターを用いた内視鏡下での手術加療を行っています。術後の平均入院期間はそれぞれ4.44日、4.08日と短いながらも術後合併症はほとんど認めておりません。慢性副鼻腔炎のみならず、頭蓋底におよぶ腫瘍や髄液漏など高度な技術を要する疾患に対しても内視鏡下での手術を行います。
一方、中耳疾患では慢性化膿性中耳炎、真珠腫性中耳炎が大半を占め、内視鏡を併用したより専門性の高い手術を行っています。手術に伴う合併症はほとんどなく、術後の平均入院期間は鼓室形成手術で3.85日と昨年よりも短縮しています。手術件数は県内でもトップレベルの実績を誇り、コロナ禍の影響はほとんど受けず、現在も多くの手術件数を維持しております。
慢性扁桃炎に対する口蓋扁桃摘出術は昨年度とほぼ同程度の74件であり、術後合併症のない早期退院を目指した安全な医療を提供しております。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K0072 | 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除) 等 | 144 | 0.92 | 4.31 | 0.00 | 77.08 | |
K0051 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm未満) | 60 | 0.58 | 2.40 | 0.00 | 58.93 | |
K013-21 | 全層植皮術(25cm2未満) | 29 | 1.21 | 12.21 | 0.00 | 75.07 | |
K0062 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm以上6cm未満) | 29 | 0.76 | 2.45 | 0.00 | 53.03 | |
K0052 | 皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部)(長径2cm以上4cm未満) | 28 | 0.86 | 1.54 | 0.00 | 59.43 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K4763 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 114 | 1.51 | 7.86 | 0.88 | 62.35 | |
K4765 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) | 57 | 2.11 | 9.75 | 0.00 | 61.02 | |
K4762 | 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わない)) | 51 | 1.75 | 2.02 | 0.00 | 60.02 | |
K6113 | 抗悪性腫瘍剤静脈内持続注入用植込型カテーテル設置(頭頸部その他) | 31 | 0.61 | 1.77 | 0.00 | 55.81 | |
K4631 | 甲状腺悪性腫瘍手術(切除)(頸部外側区域郭清を伴わない) | 14 | 1.50 | 5.07 | 0.00 | 54.79 |
乳房全摘術とセンチネルリンパ節生検
乳癌の手術は、術後の手の浮腫を防ぐため、近年腋窩リンパ節の郭清を極力なくす方向で行われています。このため、手術中に腋窩のリンパ節を1個だけ調べるセンチネルリンパ節生検が主流となっています。しかし、この術式はアイソトープの施設があることや病理の迅速診断が可能なことが条件で、大きな病院でないと実施できません。当院は、乳癌の全ての手術法に対応して手術が可能な施設です。このため、種々の術式が採用されていますが、腫瘍の大きさや場所に応じて、適切な術式を選択しています。
乳房温存手術
癌の広がりが少なく、場所も限定している場合乳房全体を切除することなく根治を目指すことが可能です。これが乳房温存手術です。
乳房温存手術後は、残った乳房組織に放射線照射を行うことが必要となります。放射線治療は、局所のみに照射するもので、全身への影響はほとんどありません。治療も1回数分で終了します。ただし、約3週間、連日の通院が必要となります。このように、追加治療の必要性も含めて手術術式は患者さんと相談しつつ決めています。術式により、再発や予後の差が出ず、かつ最大の治療効果を生じるように検討を重ね、患者さんに最新治療を提供しています。
遺伝子診断と予防的乳房切除術
遺伝性乳癌卵巣癌症候群は、BRCAという遺伝子に変異を来すことで乳癌や卵巣癌が高率に発生する家族性疾患です。若年発症や、家族歴のある乳癌患者さんにはBRCAという遺伝子の変異を保険適応で検査することができます。仮にこの遺伝子変異が陽性の乳癌患者さんで、対側乳房の乳がん発生を予防するために、予防的乳房切除術を希望される場合には当院当科はこの手術を施行できる施設認定を受けておりますので、実施は可能です。
また、形成外科の協力の元、乳房切除時に同時に再建を行うことも実施しています。
甲状腺・副甲状腺の手術
当科は内分泌外科―甲状腺、副甲状腺疾患を対象としています。甲状腺疾患は、バセドウ病や甲状腺癌を治療します。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に分泌されて生じる疾患で、多くは内服治療で病勢はおさまりますが手術を要する場合もあります。近年は甲状腺全摘術が多く行われています。甲状腺癌は、組織型により予後や治療内容が変わります。腫瘍は、細胞診によりおおよその組織型がわかりますので、そのあとで治療方針を決定します。
副甲状腺機能亢進症は、近年増加傾向にあります。血中のカルシウムを測定する機会が増えたことが関係していると思います。この病気は、副甲状腺腺腫によりもたらされます。血液中のカルシウム濃度が高い状態を放置すると、尿管結石や腎機能障害、心筋梗塞や骨粗鬆症を引き起こします。これらの予防のためにも、治療は必要です。治療は、副甲状腺腺腫を摘出することが一番早く確実な方法ですが、頚部は多くの細かい神経や血管があるため、術後の合併症を防ぐ意味からも、できれば専門医の治療が必要です。当科では甲状腺専門医が診療していますので、治療は専門病院と同質の適切な治療を安全に行うことができます。わざわざ都内の専門病院へ通院される患者さんのご負担は減ることと思います。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K1692 | 頭蓋内腫瘍摘出術(その他) | 57 | 5.93 | 34.11 | 15.79 | 63.37 | |
K164-2 | 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 | 44 | 0.52 | 12.02 | 11.36 | 80.75 | |
K1783 | 脳血管内手術(脳血管内ステント) 等 | 35 | 1.69 | 9.46 | 2.86 | 60.86 | |
K1781 | 脳血管内手術(1箇所) | 33 | 2.45 | 23.61 | 21.21 | 61.18 | |
K609-2 | 経皮的頸動脈ステント留置術 | 29 | 0.97 | 8.34 | 6.90 | 72.34 |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K555-22 | 経カテーテル弁置換術(経皮的大動脈弁置換術) | 67 | 3.84 | 7.87 | 2.99 | 82.90 | |
K5522 | 冠動脈、大動脈バイパス移植術(2吻合以上) | 32 | 13.84 | 23.88 | 9.38 | 71.34 | |
K5612ロ | ステントグラフト内挿術(腹部大動脈) | 30 | 3.47 | 5.67 | 0.00 | 77.83 | |
K5551 | 弁置換術(1弁) | 22 | 4.41 | 21.05 | 4.55 | 71.82 | |
K5607 | 大動脈瘤切除術(腹部大動脈(その他)) | 20 | 3.50 | 15.55 | 10.00 | 73.90 |
経カテーテル的大動脈弁置換術
経カテーテル的大動脈弁置換術は、大動脈弁狭窄症(弁が硬くなり狭くなった病気)に対して、カテーテルによって人工弁を植え込む方法です。胸を切らずに手術できるので、体への負担が少なく、高齢者(概ね80歳以上)や合併疾患を多く抱えた患者さんに適した方法です。当院は年間100例以上のカテーテル弁膜症手術を行っている埼玉県有数の経験豊富な施設です。
弁膜症手術
心臓弁膜症は心臓の弁が悪くなり、狭窄や閉鎖不全(逆流)を起こす疾患です。僧帽弁は弁形成術を、大動脈弁は人工弁置換術を行います。人工弁には、機械弁(金属でできた弁)と生体弁(ウシやブタの組織で作成された弁)があります。当院では8cmの右小開胸手術(MICS)や、切開せずカテーテルで治す僧帽弁手術も行ってます。各手術法は患者さんの年齢や状態、希望などを加味し医師と患者さんで相談の上選択します。
冠動脈バイパス術
冠動脈バイパス術は、心臓の筋肉を栄養する冠動脈に狭窄や閉塞が生じた場合に行う手術です。狭心症による胸痛などの症状を改善させ、心筋梗塞による突然死や心不全を予防する効果があります。当科では、患者さんの血管の状態や全身状態によって、人工心肺を使用する方法、使用しない方法、或いは左小開胸手術(MICS)等の手術術式の選択をしています。
ステントグラフト内挿術
大動脈が太く拡張した状態を大動脈瘤といい、大きくなると破裂して死に至ります。手術の方法には、人工血管に置換する方法(人工血管置換術)と、開胸や開腹することなくステント付きの人工血管をカテーテルで血管内に挿入する方法(ステントグラフト内挿術)があります。当院では大動脈瘤の形態や患者さんの年齢、全身状態などを考慮し、また患者さんとよく相談のうえ、手術方法の選択をしています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K836 | 停留精巣固定術 | 106 | 0.44 | 1.00 | 0.00 | 2.27 | |
K6335 | 鼠径ヘルニア手術 等 | 58 | 0.48 | 1.00 | 0.00 | 3.67 | |
K8351 | 陰嚢水腫手術(鼠径部切開によるもの) 等 | 15 | 0.33 | 1.00 | 0.00 | 4.27 | |
K6333 | 臍ヘルニア手術 等 | 14 | 0.14 | 1.00 | 0.00 | 2.79 | |
K634 | 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) | 12 | 1.00 | 1.00 | 0.00 | 6.33 |
精巣が、お腹の中や、足の付け根に止まってしまい、おちんちんの袋(陰のう)まで落ちてこないことを停留精巣と言います。袋にあったり、触れなくなったりするのを、遊走精巣と言います。精巣は、妊娠7ヶ月でお腹の中から袋に下降します。しかし、生まれてすぐの赤ちゃんの5%に停留精巣が認められますが、7割は自然に治ります。生後6か月以降になると、自然に治ることは極端に少なくなります。停留精巣を放置すると、不妊症の原因となりますが、正しい位置に精巣を固定する手術を行うことで、危険性が半減します。遊走精巣は、精子を作る能力に異常が生じず、成長とともに自然に袋に収まってしまうことが多いのですが、まれに停留精巣となってしまうことがあるため定期的な診察が必要です。
獨協医科大学埼玉医療センターでは、精巣に詳しい小児泌尿器科医や小児外科医が診療にあたり、生後6か月以降から、遅くとも2歳までには手術行います。術後も将来まで精巣の機能に問題がでないか経過を診ますので安心して受診してください。
小児外科で扱う疾患の中で最も多いもののひとつです。腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところに、腸管や卵巣(女児)が脱出するため、同部位が膨らんで見えることで異常に気がつきます。脱出臓器が袋に入り込んで戻らなくなり(嵌頓)ねじれたりむくんだりすることによって、血流が少なくなり、臓器が壊死してしまうことがあるので、見つけたら早めの手術が必要とされます。
小児鼠経ヘルニアの手術の原則は内鼠経輪の高さでのヘルニア嚢の高位結紮であり、鼠径部の皺に沿って約1~2cmの皮膚切開をおき、外腹斜筋腱膜を露出します。これを切開しヘルニア嚢を挙上し、嚢内に脱出臓器がないことを確認後、ヘルニア嚢を内鼠経輪の高さで穿刺結紮します。外腹斜筋腱膜、浅腹筋膜、皮下縫合後、皮膚を埋没縫合します。
陰嚢水腫は腹膜が足の付け根(鼠径部)に袋状になって突出しているところ(腹膜鞘状突起が残存)に液体が貯留するもので、小児の場合は腹腔内と交通する交通性陰嚢水腫がほとんどです。手術は鼠径ヘルニアと同様の手術を行います。小児の水腫は自然治癒も認められますので少なくとも1歳までは経過を観察します。
小児の臍ヘルニアは自然治癒する可能性が高く、腹筋の発達とともに1才頃までには約80%、2歳頃までには約90%が自然治癒するとされていますが、それ以降は自然治癒の可能性は少なく、手術を施行します。
一般的には臍部の下縁を約半周ほど弧状切開し、皮下を剥離してヘルニア嚢に達した後、嚢を全周に剥離します。次に臍頂部直下でヘルニア嚢を横断し、腹直筋筋膜までヘルニア嚢を剥離後、嚢を切除します。しっかりした腹直筋筋膜を確認し、ヘルニア門を結紮閉鎖します。その後陥凹した臍にするため、臍頂部の皮下に残ったヘルニア嚢および皮下組織を切除し、臍頂部の真皮と腹直筋筋膜を縫合固定し臍窩を形成し、最後に皮膚を縫合します。
臍窩が大きい場合や皮膚の余剰がある場合は、余剰皮膚を切除し、皮弁を形成し臍窩を作る方法などを施行します。
小児鼠経ヘルニアに対する腹腔鏡下ヘルニア手術では腹腔鏡下経皮的腹膜外ヘルニア閉鎖術が施行されます。本法は整容性に優れ、鼠経管構造を破壊せずに修復でき、さらに対側発生の予防も可能であり、急速に普及しています。従来法と比較し、再発率や安全性の面でも遜色がないという報告も増え、小児鼠経ヘルニアの標準手術となりつつあります。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K514-23 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) 等 | 86 | 2.17 | 10.21 | 1.16 | 71.33 | |
K514-21 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) | 52 | 2.10 | 6.87 | 0.00 | 75.12 | |
K5131 | 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術(楔状部分切除)) 等 | 32 | 5.34 | 4.53 | 0.00 | 42.84 | |
K514-22 | 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(区域切除) 等 | 25 | 1.68 | 6.40 | 0.00 | 70.36 | |
K5143 | 肺悪性腫瘍手術(肺葉切除又は1肺葉を超える) | 21 | 3.00 | 13.62 | 0.00 | 68.00 |
当科では、胸腔鏡を駆使した低侵襲な手術(単孔式/完全/ハイブリッド胸腔鏡、ロボット支援下手術)を積極的に行っています。疾患別年間手術数が最も多いのは肺の悪性腫瘍(原発性肺癌および転移性肺腫瘍)です。
そのうち約90%を胸腔鏡下手術に行っています。肺癌に対しては肺葉切除とリンパ節郭清を基本として行いますが、早期小型肺癌に対して残存肺機能の温存を考慮した区域切除等の縮小手術や多臓器浸潤を伴う進行癌への拡大手術も行っています。また、腫瘍の位置や進行度などにより安全性と確実性を担保するため胸腔鏡を補助的に使用した手術で対応しています。
自然気胸などの嚢胞性肺疾患に対して肺の一部を楔状に切除しています。気胸は多くの場合が緊急入院、胸腔ドレナージ後に臨時手術となります。そのため術前の入院期間が予定入院での手術よりも長くなっています。手術部拡大に伴い、近年では待機期間が1週間から5日に短縮されています。
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K616-41 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術(初回) 等 | 74 | 1.00 | 1.76 | 1.35 | 69.64 | |
K6121イ | 末梢動静脈瘻造設術(内シャント造設術)(単純) 等 | 52 | 8.58 | 20.60 | 7.69 | 66.65 | |
K616-42 | 経皮的シャント拡張術・血栓除去術 1の実施後3月以内に実施する場合 等 | 10 | 0.10 | 1.40 | 0.00 | 73.70 | |
K635-3 | 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 | - | - | - | - | - | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K333 | 鼻骨骨折整復固定術 | 30 | 1.00 | 1.07 | 0.00 | 18.03 | |
K0301 | 四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術(躯幹) 等 | 13 | 1.00 | 3.92 | 0.00 | 51.46 | |
K227 | 眼窩骨折観血的手術(眼窩ブローアウト骨折手術を含む) | 10 | 1.00 | 3.20 | 0.00 | 52.20 | |
K427 | 頬骨骨折観血的整復術 | - | - | - | - | - | |
K2193 | 眼瞼下垂症手術(その他) | - | - | - | - | - |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K386 | 気管切開術 | 27 | 10.52 | 27.67 | 77.78 | 68.33 | |
K654 | 内視鏡的消化管止血術 | - | - | - | - | - | |
K6153 | 血管塞栓術(頭部、胸腔、腹腔内血管等)(その他) | - | - | - | - | - | |
K6021 | 経皮的心肺補助法(初日) | - | - | - | - | - | |
K1422 | 脊椎固定術、椎弓切除術、椎弓形成術(後方又は後側方固定) 等 | - | - | - | - | - |
Kコード | 名称 | 患者数 | 平均 術前日数 |
平均 術後日数 |
転院率 | 平均年齢 | 患者用パス |
---|---|---|---|---|---|---|---|
K838-22 | 精巣内精子採取術(顕微鏡) | 77 | 0.01 | 1.00 | 0.00 | 34.71 | |
K838-21 | 精巣内精子採取術(単純) | 16 | 0.00 | 1.00 | 0.00 | 34.25 | |
K834-3 | 顕微鏡下精索静脈瘤手術 | - | - | - | - | - | |
- | - | - | - | - | - | - | |
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DPC | 傷病名 | 入院契機 | 症例数 | 発生率 |
---|---|---|---|---|
130100 | 播種性血管内凝固症候群 | 同一 | - | - |
異なる | 67 | 0.30 | ||
180010 | 敗血症 | 同一 | 48 | 0.22 |
異なる | 78 | 0.35 | ||
180035 | その他の真菌感染症 | 同一 | - | - |
異なる | - | - | ||
180040 | 手術・処置等の合併症 | 同一 | 53 | 0.24 |
異なる | 21 | 0.10 |
消化器外科の手術においては、胃や大腸、胆管には多くの細菌が存在しており、この様な臓器を切除する際にはこれらの菌がどうしても術野に漏れでてしまいます。この様なことから、手術後に菌による感染性の合併症が問題となります。真菌や弱毒菌など、通常では問題とならないような菌が手術後で体力が落ちている状況では感染性合併症を引き起こすことがあります。そのような症例の一部では、感染が制御出来ず、敗血症や血小板が下がってしまう播種性血管内凝固症候群に陥ってしまい、重症化する症例もあります。
この様な合併症をできる限り減らすため、多くの手法を取り入れています。まず、手術中の菌の散布を防止するため、できる限り、消化液や胆汁などが術野に広がらないような手術の工夫をしています。また、十分な量の洗浄によっての防止策も行っています。抗生剤は乱用すると耐性菌を作ってしまうため、薬剤部と共同で必要最低限で、最も効率が良いと思われるものを使用しています。また、栄養療法により、患者さんの免疫力を高め、感染に強くなるよう、手術前後の管理を行っています。この様な対策にもかかわらず、敗血症などの重症化した場合は、集中治療部、救急部と綿密な連携のもと、最新の医療技術をもちいてその治療に当たっています。
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが 「中」以上の手術を施行した 退院患者数(分母) |
分母のうち、肺血栓塞栓症の 予防対策が実施された患者数(分子) |
リスクレベルが「中」以上の手術を 施行した患者の肺血栓塞栓症の 予防対策の実施率 |
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2875 | 2668 | 92.80 |
血液培養オーダー日数(分母) | 血液培養オーダーが1日に 2件以上ある日数(分子) |
血液培養2セット実施率 |
---|---|---|
4473 | 4036 | 90.23 |
血液培養を2セット行う目的としては、採取部位の常在菌による汚染を鑑別することや、菌の検出率を高めることがあげられます。
算出定義は以下の通りです。
分子:血液培養オーダーが1日に2件以上ある日数
分母:血液培養オーダー日数
広域スペクトルの抗菌薬が 処方された退院患者数(分母) |
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日 までの間に細菌培養同定検査が 実施された患者数(分子) |
広域スペクトル抗菌薬使用時の 細菌培養実施率 |
---|---|---|
1826 | 1648 | 90.25 |
広域スペクトル抗菌薬とは、多くの細菌に対し効果のある薬剤のことをいいます。
しかし、この薬剤の乱用は耐性菌(抗生物質に対する抵抗性を持った細菌)を増加させる恐れがあり、抗菌薬を適正に使用するためには、どのような細菌が原因であるのかを調べることが重要です。
算出定義は以下の通りです。
分子:分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日までの間に細菌培養同定検査が実施された患者数
分母:広域スペクトルの抗菌薬が処方された退院患者数
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが高い手術を施行した患者様に対し、抗凝固薬や弾性ストッキングを使用した予防策の実施率を表しています。
算出定義は以下の通りです。
分子:分母のうち、肺血栓塞栓症の予防対策が実施された患者数
分母:肺血栓塞栓症のリスクレベル「中」以上の手術を施行した退院患者数