研究科長挨拶

看護学研究科長 関根 正

獨協医科大学看護学研究科は、博士前期課程ならびに博士後期課程から構成されています。その連続性の中で「自律した看護職者・教育者・研究者」の養成を目指し、教育・研究を行っています。
現在、国民の健康課題や保健医療福祉に対するニーズの多様化を背景に、人々の健康や生活に最も身近で関わる専門職である看護職者に期待される役割は拡大しつつあります。その期待に適切に応えるためには、専門的な知識・技術、高度な看護実践能力、研究的思考能力、マネジメント能力を有することに加え、地域社会及び地域の人々の健康課題や保健医療福祉上の課題を探究し、専門的な知識に基づいたケアやケアシステムを開発したり、専門職者自らのキャリア形成をマネジメントすることを促進する教育プログラムを開発するような高度な看護学研究を遂行できる能力を兼ね備える必要性があります。
博士前期課程では、「社会から信頼され、地域社会及び地域の人々の健康課題の解決並びに保健医療福祉の質の向上に貢献するとともに、看護学の発展に寄与するため、専門的知識と高い職業倫理を持って保健医療福祉の専門分野における実践上の課題を探究し、科学的手法を用いて解決できる教育・研究者並びに管理者・高度実践者」を養成する人材像として掲げています。専門分野として、「基盤・機能看護学」と「実践看護学」の2分野を置き、論文コースと専門看護師コースを設けています。論文コースは11の専門領域から構成され、看護学上の学術的価値・有用性のある看護を探究します。一方、専門看護師コースは、専門分野における実践上の価値・有用性のある看護を探究します。専門領域として、感染看護学、慢性看護学、がん看護学、老年看護学、在宅看護学、精神看護学、そして、令和6年度より、クリティカルケア看護学を新設し、全7領域から構成されています。また、令和7年より遺伝看護学を新設する準備を進めています。
獨協医科大学看護学研究科では、各専門領域でのゼミはもちろん、専門領域を超えた横断的なゼミ、院生間の自主ゼミ等が充実しており、教員と院生、院生と院生が「一緒に学び合う」学修環境となっております。院生は、臨床や教育の場で活躍する社会人が多く、それぞれの場における課題の解決や発展に向けて、「臨床や教育に還元できる」研究を進めています。そのため、院生間での情報交換やディスカッションも非常に活発で、一つの学修となっています。また、授業の夜間開講や長期履修制度、研究費支援等の経済的負担軽減の措置も行っており、学修支援も充実しています。さらに、獨協医科大学地域共生共創センターと連携して、社会連携・社会貢献事業も活発に取り組んでおります。
自分を見つめて自分を高め、そして、地域社会及び地域の人々の健康課題の解決並びに保健医療福祉の質の向上に貢献する看護を一緒に探究し、創造していきましょう。皆様と一緒に学ぶことを楽しみにしています。

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