教育理念・4つのポリシー

教育理念

建学の精神に則り、患者及びその家族、医療関係者をはじめ、広く社会一般の人々から信頼される看護師を育成する。

教育目的

豊かな人間性を備えた、看護実践能力のある看護師を育成する。

ディプロマ・ポリシー(卒業の認定に関する方針)

  • 専門職業人としての倫理観に基づく看護を実践できる。
  • 看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できる。
  • 保健・医療・福祉チームの一員として、看護の役割と責任をもって協働できる。
  • 看護の発展や質の向上に貢献できるよう主体的学修能力を身につけることができる。
  • 国際的視野を持ち看護を実践できる。

カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)

教育理念・教育目標を受け以下のような方針に基づきカリキュラムを編成・運営している。

カリキュラムの構成
本カリキュラムは、「人間」「健康」「環境」「看護」「学習」の5つの概念で構成する。
「人間」は、身体的・精神的・社会的・文化的に統合された統一体であり、恒常性と自然治癒力をもちながら成長・発達し続ける存在である。また、基本的欲求や学習する力を持つ、個々の尊厳が守られるべき自立した存在である。
「健康」は、最良な状態から死に至るまでの連続的・流動的に変化する健康レベルにおいて、持てる力を発揮し、自己実現を目指すために必要な人間の基本的権利である。
「環境」は、生体の恒常性を保つ内部環境と人間にかかわる自然環境や社会環境などの外的環境があり、外的環境は人の暮らしや人の内部環境に大きく影響を与える。
「看護」は、あらゆる健康レベルや発達段階にある個人・家族・集団・地域社会を対象として、人間の持てる力を活用し、生命力の消耗を最小にするように、生活過程を整え、その人らしく生を全うできるよう支援することである。
「学習」は、知識・技術・態度を獲得しようとする行動とその過程であり、個人が学習体験を意味づけ、その経験を積み重ねることで成長につながるととらえた。
そして、看護の実践的・専門的職業教育を通して人間形成をするとともに、多様化・国際化の進む社会の中で、臨床看護実践を科学的・論理的に遂行する能力、看護の発展と質の向上に貢献できる基礎的能力を修得できるように、〈基礎分野〉〈専門基礎分野〉〈専門分野〉を系統的・段階的に配置する。
分野および領域の区分
  • 〈基礎分野〉では、人間の理解と社会のしくみや動向に関心を持ち社会的視野を広げるために「科学的思考の基盤」と「人間と生活・社会の理解」の2つの領域を置く。
  • 〈専門基礎分野〉では、看護師として必要な医学的知識を中心に学ぶ。そのため人体を系統立てて理解する「人体の構造と機能」、健康障害とその治療について学ぶ「疾病の成り立ちと回復の促進」、疾病が一人ひとりの生活にどのような影響を及ぼすかを理解し、健康な生活を支える社会と医療のしくみを理解する「健康支援と社会保障制度」の3つの領域を置く。
  • 〈専門分野〉は、看護学の基盤となる考え方や援助方法についての科学的根拠を学ぶために、「看護の基盤となる科目」「看護実践を支える科目」の領域を置く。さらに、知識・技術・態度の統合を図り看護実践能力を育成するために「看護実践科目」の領域、さらに、看護マネジメント力や医療安全・災害時の看護について学ぶ『看護の統合と実践』の領域を置く。
ディプロマ・ポリシーにもとづいた科目の配置
  • 専門職業人としての倫理観に基づく看護を実践できるために、〈基礎分野〉の[人間と生活・社会の理解]に「こころの健康と発達」「哲学と宗教」「人間関係論」「音楽」「社会のしくみ」「やさしい政治と経済」、〈専門分野〉の[看護の基盤となる科目]に「看護実践の基盤となる倫理」を配置する。
  • 看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できるために、まず、看護の対象を総合的に理解するための科目として、〈基礎分野〉の[科学的思考の基盤]に「看護物理学」、〈専門基礎分野〉の[人体の構造と機能]に「人体の構造Ⅰ・Ⅱ」「人体の機能Ⅰ・Ⅱ」「生化学」「臨床栄養学」「看護形態機能学」、[疾病の成り立ちと回復の促進]に「微生物学」「臨床薬理学」「疾病の成り立ち」「看護につながる病気の理解Ⅰ~Ⅴ」「看護につながる検査学」、[健康回復支援と社会保障制度]に「リハビリテーション論」「公衆衛生学」「家族関係論」を配置する。それらの知識を基盤に、科学的な知識・技術に基づく看護を実践するための科目として、〈専門分野〉の[看護の基盤となる科目]に「看護学概論」「基礎看護技術Ⅰ~Ⅵ」「看護理論と看護過程」「フィジカルアセスメント論」「臨床看護総論」「基礎看護学実習Ⅰ~Ⅲ」、[看護実践を支える科目]に、看護の領域である地域・在宅、成人、老年、小児、母性、精神それぞれに「概論」「基盤となる考え方」「基盤となる技術」を置く。また「領域横断科目]を新設し、「健康支援論」「薬物療法と看護」「周手術期の看護」「慢性期の看護」「終末期の看護」「健康回復支援論 1・Ⅱ」を配置する。そして[看護実践科目]に「地域・在宅看護論実習Ⅰ・Ⅱ」を配置する。
  • 保健・医療・福祉におけるチームの一員としての自覚をもとに、看護の役割と責任をもって協働できるために、〈専門基礎分野〉の[健康回復支援と社会保障制度]に「健康と保健体育」「社会保障論」「看護実践の基盤となる法律」、〈専門分野〉の[看護の統合と実践]に「看護管理概論」を配置する。
  • 看護の発展や質の向上に向けて、主体的学修能力を身につけることができるために、〈基礎科目〉の[科学的思考の基盤]に「文章表現の論理」「情報科学」「プロジェクト学習」「教育学」と〈専門分野〉の[看護の統合と実践]に「看護研究の基礎」を配置する。
  • 国際的な視野をもち看護を実践できるために、〈基礎分野〉の[人間と生活・社会の理解]に「看護英語」「コミュニケーション英語」「多様な文化の理解」を、〈専門分野〉の[看護の統合と実践]に「災害看護と国際看護」を配置する。

DP1~DP5までの学びを統合するために〈専門分野〉の[看護実践科目]として「地域・在宅看護論実習Ⅲ」「急性期看護学実習」「慢性期看護学実習」「老年看護学実習」「小児看護学実習」「母性看護学実習」「精神看護学実習」、[看護の統合と実践]に「統合実習」を配置する。

学修成果の評価
学修成果の評価は、授業の進度に合わせてシラバスに明示された到達目標と成果を示す小テスト・定期試験・レポート・グループワークや授業への参加状況、実習評価などを含め、多様な方法で総合的に行う。加えて、学生自らの授業への取り組みの主観的評価、学生の学修状況や授業評価を活用して教育方法の改善につなげていく。

アドミッション・ポリシー(入学者受け入れに関する方針)

  • 看護師を目指す意志を明確に持っている人
  • 看護学を学ぶ上で必要な基礎学力を有する人
  • 人間・健康・環境や人々の生活に関心がある人
  • 他者を尊重し人との関わりができる人
  • 自ら考え意見を表現できる人
  • 地域社会や国際社会に貢献する意欲のある人

アセスメント・ポリシー(学修成果および成績評価に関する方針)

学修成果の把握に関する方針
アドミッション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、ディプロマ・ポリシーに基づき、獨協医科大学附属看護専門学校(組織)レベル、教育課程レベル、授業科目レベルの段階で学習成果を把握し評価・検証する。
1. 獨協医科大学附属看護専門学校(組織)レベル
アドミッション・ポリシーに基づいて入学した学生が、卒業までに身につけるべき資質・能力(ディプロマ・ポリシー)を満たし、社会に貢献する人材に成長しているか評価し、アドミッション・ポリシー、ディプロマ・ポリシー、カリキュラム・ポリシーの見直し及び教育の質保証に役立てる。
2. 教育課程レベル
ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づく教育課程で編成された学習成果を上げているか、また、卒業までに身につけるべき資質・能力(ディプロマ・ポリシー)を満たす人材にどれだけ近づいているか評価し、カリキュラム改善・学習支援に役立てる。
3. 授業科目レベル
ディプロマ・ポリシー及びカリキュラム・ポリシーに基づく学修内容で構成され、学習成果を上げているか科目ごとに評価し、授業改善・学修支援に役立てる。