成人看護学(急性期)

領域の紹介

成人看護学(急性期)の対象は、主に手術の前・中・後の方や、事故や急病により生命が危険な状態にある方とその家族です。この方々の年齢や発達段階における特徴、身体的・心理社会的特性を総合的に理解し、合併症の予防と早期の回復、苦痛の緩和、そして社会生活への適応に向けた看護について学修します。また、人生の最期を迎える方とその家族に対して、安寧な最期を過ごすための看護について学修します。

担当科目

急性期看護援助論

健康障害が急性期にある患者とその家族を対象にした看護援助について学修します。
危機的状況および周手術期にある者とその家族の特徴を理解し、急性期看護に有用な理論や概念を活用しながら、身体侵襲を予測し、苦痛の緩和、合併症の予防、生体機能の回復、そして社会生活への適応に向けた看護援助について学修します。

終末期看護援助論

健康障害が終末期にある者とその家族を対象にした看護援助について学修します。
死の受容および悲嘆の過程を理解し、終末期にある者とその家族が安寧に過ごすための看護援助、および遺族に対するグリーフケアについて学修します。さらに、終末期における倫理的課題やデスエジュケーションについて学修します。

災害看護学

災害が人々におよぼす影響を理解し、災害サイクルや活動の場および被災者の特性に応じた看護の役割と機能について学修します。
災害発生時に特有の疾患や被災者の心理状態を理解し、災害発生直後から病院内や災害現場、避難所などにおいて、他職種と連携して行われる看護支援について学修します。

看護研究方法論

看護研究の意義と必要性、研究を実施するための一連のプロセスについて学修し、自ら看護研究に取り組むための基礎的能力を修得します。

急性期看護学実習

周手術期および危機的状況にある対象を受け持ち、看護過程を展開します。
身体侵襲を予測し、苦痛の緩和、合併症の予防、生体機能の回復、そして社会生活への適応に向けた基礎的な看護実践能力を修得します。また、健康障害を持ちながら、それぞれの環境や状況の中で生活している対象に必要な看護について学修します。

卒業研究のテーマ

  • 救命救急センターに搬送されDNARを選択した患者およびその家族に対する看護実践―救急看護師へのインタビュー調査―
  • 人工心肺を用いた心臓手術を控えた壮年期患者さんが術前に抱く思い
  • 東日本大震災時における手術室看護師の行動
  • 終末期がん患者の望みを引き出し実現させるための看護師の思考
  • 乳がんに罹患した母親の乳幼児期にある子供に対する思い-乳がん患者の手記を通してー

総合実習のテーマ

  • 救命救急センターに入院となった患者家族への心理・社会的側面に対する看護
  • 集中治療室に入室している患者さんの身体的・精神的苦痛を軽減するための看護
  • 術前から術後における手術看護と手術チーム・他部署との協働について
  • 緩和ケア病棟に入院する患者さんの苦痛緩和のための看護

社会活動

  • 胸骨圧迫(心臓マッサージ)とAED(自動体外式除細動器)の使い方の普及のための、小中学生を対象とした心肺蘇生講習会に参加しています。
  • APN(Advanced Practice Nurse)看護研究会を通して、地域の看護師を対象とした研究の講習会や研究相談に応じています。
  • 災害発生時には国際緊急援助隊やDMATとして被災地に赴き、災害支援ができる体制を整えています。さらに、日本DMAT隊員養成研修、栃木県DMAT隊員養成研修に講師として参加しています。
  • エンドオブライフケアに携わる看護師、関心を持つ学生が、終末期にある患者とその家族への看護実践能力を開発、向上させていくことを目的に、月に1回、エンドオブライフケア検討会を実施しています。

教員紹介

教授・教務部長 小西 敏子
准教授 迫田 典子
准教授 野口 貴史
講師 菱沼 秀一
助教 村岡 智美