老年看護学

領域の紹介

老年看護学領域では、誰しもが経験したことのない「高齢者」を理解するために、演習では普段学修している大学内において、自宅で生活する高齢者を疑似体験しています。20歳代の私の生活との違いを比較し、高齢者の心身の変化を考察します。加齢と老化を理解し、学生が高齢者をイメージしやすいよう、講義の内容を組み立てています。そこから、高齢者のもつ「できる力」を捉えるために観察する必要性をふまえ、観察点を整理しながら高齢者に必要な看護内容を考えていきます。高齢者看護の全科目を通して、情報を的確にとらえ、必要な支援を考え、看護の想像性を膨らませ、対象に必要な看護ケアについて、グループ・ディスカッションを通して自ら応えを見出していく学修を支援しています。

担当科目

高齢者看護学・高齢者看護支援論

高齢期にある者とその家族を対象に、QOLを支えるための看護について学修します。
家族形態や社会的役割の変容、加齢に伴う心身の機能低下、および避けられない死に直面し老いを生きる高齢者を理解し、様々な生活の場で暮らす高齢者とその家族に対する看護支援について学修します。さらに、高齢者の権利擁護と倫理的課題について学修します。

高齢者看護学実習

高齢期にある対象を受け持ち、看護過程を展開します。
加齢に伴う変化や健康障害のみならず、高齢者がこれまでに歩んできた人生、家族関係、地域社会での役割などを含めた包括的なアセスメントから高齢者を理解し、高齢者とその家族が、その人らしい生活を構築していくための基礎的な看護実践能力を修得します。

卒業研究のテーマ

  • 認知症高齢者の活動意欲を引き出すかかわりについての文献検討
  • 施設入居認知症高齢者の日常生活行動における意思決定支援に関する文献検討
  • 高齢者施設における看取り時に看護師が行う家族支援の文献検討
  • 介護老人保健施設で生活する高齢者の生きがいについての文献検討
  • 訪問看護における配偶者を亡くした高齢者へのグリーフケアの実態に関する文献検討
  • 急性期病院で認知症高齢者を看護する看護師の困難感についての文献検討
  • 急性期病院における高齢者のせん妄予防への看護に関する文献検討
  • 認知症高齢者のADLを維持する看護についての文献検討

総合実習のテーマ

  • 3年生の実習から得た学びをさらに発展できるよう、高齢者看護に必要なテーマをゼミグループ内で教員と共にディスカッションを通して選定します。
  • 高齢者施設で生活する高齢者、急性期病院で治療を受ける高齢者とその家族の看護を学修します。学修へのステップは、ゼミ形式で文献抄読を行いゼミメンバー間で意見交換を行います。学部で経験したことを学習したい方、編入生も含めて高齢者に興味のある方と高齢者看護について語り合いましょう。そして、高齢者とその家族への支援について、実践を通してよりよい看護を探求していきます。

社会活動

領域教員が研究しているテーマを中心に、地域をはじめ学会などから依頼があった際には、積極的に協力しています。また、学内外において実習指導者と密に連携し看護学実習を円滑に進められるよう、最新の知見などの共有を行い看護の発展に繋がるよう活動しています。

教員紹介

教授 辻 容子
講師 梶原 絢子
助教 阿蘇 寿徳
助教 髙瀬 淳