看護医科学(基礎)

領域の紹介

看護医科学(基礎)領域では、主に看護に関連した基礎医学系の教育を担当しており、必修および選択科目の科目責任者や講義・演習を分担しています。本学部ディプロマ・ポリシーに掲げられている「看護の対象を総合的に理解し、科学的な知識・技術に基づいた看護を実践できる」ことを主眼に置いて教育に携わっています。

担当科目

統計学
統計学は、確率論を基盤にして、集団全体の性質を一部の標本を調べることによって推定するための処理・分析方法について研究する学問です。統計の基本的な性質や考え方を理解し、研究活動の基盤となる基礎的な統計学的手法について学修します。
公衆衛生学
公衆衛生学は、現実の社会で起こっているさまざまな健康問題を、個人を取り巻く環境・社会との関連から解明する学問です。環境と健康との関連、ライフステージに応じた健康課題と保健活動について学ぶと同時に、わが国における公衆衛生活動の歴史とその成果を振り返り、社会の変容に伴う公衆衛生活動のあり方について学修します。
疫学・保健統計
疫学の概念と疾病頻度の指標、集団における疾病予防の概念とスクリーニング、および感染症やその他の疾患の疫学について学修します。また、地域集団を対象とする看護展開の基礎情報となる人口動態統計や疫学統計、保健統計などの読み取り方を学修します。
微生物学
微生物学とは、細菌をはじめとする微生物の構造やそれらが引き起こす疾病と治療法について研究する学問です。ヒトの疾病の原因となる細菌、ウイルス、真菌、寄生虫といった種々の微生物を対象として、これらの基本的性状、病原性機構、それによって生ずる病態、宿主の防御機構および感染対策について学修します。
薬理学
薬理学は、化学物質(薬物)と生体(個体~分子レベルを含む)との相互作用を探究する学問です。薬物の生体での作用機序や作用点について、および薬物の体内動態(薬物の吸収、分布、代謝、排泄)についての基本的な知識について学修します。さらに、主な疾患に対する薬物の臨床効果、副作用、禁忌、また薬物相互作用について学修します。
遺伝学
遺伝学は、生物の持ついろいろな形質が、どのような機構で子孫に伝わり、形質は各個体においてどのように発現するか研究する学問です。ヒトを理解するための身体的側面からのアプローチとして、遺伝子の構造と機能、その発現および代表的な遺伝性疾患の遺伝形式について基礎的な知識を学修します。
東洋医学と経絡
EBMに基づく現代医療の補完療法として、全人的医療のために世界の伝統医学の中で東洋医学が果たす役割と問題点について学修します。また、人体の構造と機能の中心に「経絡」の考え方を位置づけた経絡の概要とその刺激の効用(鍼灸など)について学修します。

卒業研究のテーマ

  • 水溶液の種類による一般用解熱鎮痛薬の溶解性の差について
  • 看護大学4年生の国家試験対策におけるストレスと心拍変動との関連
  • 消毒用次亜塩素酸ナトリウム液作製後における消毒効果の経時的変化
  • 各種菌における手指消毒の時間依存性に着目した消毒効果

教員紹介

教授 西連地 利己
特任教授 内田 幸介(薬理学)
准教授 藤澤 隆一(微生物学)