学長挨拶

学長 吉田 謙一郎
学長 吉田 謙一郎

地域・社会に貢献できる医師を目指し、獨協医科大学への入学を志望する皆さまに、本学の魅力をお伝えいたします。
獨協医科大学は、1973年に開学し、今年で開学50年を迎えました。本学が属する学校法人獨協学園のルーツは、1881年に設立された獨逸学協会を母体として、ドイツの文化と学問を学ぶ目的のもと、1883年に開校した獨逸学協会学校(旧制獨協中学校)にあります。創立以来140年の歴史を有する我が国でも有数の伝統ある学園です。現在では、獨協大学、獨協医科大学、姫路獨協大学の3つの大学、獨協中・高等学校、獨協埼玉中・高等学校の2つの中学高校を有する大規模な学園に成長いたしました。
ちなみに、獨逸学協会学校は、大正後期から昭和初期において著名な医学者を輩出しています。同校を卒業し、昭和大学産婦人科の初代教授になられた著名な俳人でもある水原秋桜子先生は、本学の開校にあたって、「礎は揺るがず雲雀上がりけり」の句を贈ってくださいました。この句には、医科大学の開学が、獨逸学協会学校の歴史の礎の上に建っているという思いが込められています。
さて、本学は北に日光・塩原・那須の山々を背負い、南に関東平野を臨む壬生の大地にあり、四季の移ろいは鮮やかで自然は豊かです。世界遺産の日光社寺群にも近く、北関東道と東北道の交差する交通の要衝に位置しております。本学所在地である壬生の地は、歴史的に見て早くから医療の先進地でありました。1800年代に鳥居藩6代目の藩主は、幕府が蘭学を禁止する中、齋藤玄昌に蘭学を学ばせ、北関東地域で初めての学術的レベルの「解剖図」が作成され、天然痘予防ワクチンである牛種痘を地域で徹底させています。
本学はこれまでに4,719名の卒業生と、1,703名の医学博士を世に送り出し、医学の進歩と、地域の医療に大きく貢献して参りました。皆さまにも、ぜひ後に続いていただきたいと思っております。
ここで、医科大学の使命である教育・研究・診療の3部門についての本学での取り組みについて触れてみます。
教育は永遠のテーマです。現在、本学は、教育の質的転換に向け、アウトカム基盤型教育とその成績評価、そして統合型カリキュラムを進めています。また、自己学習力の向上と少人数教育に向けて、少人数担任制を採用しました。加えて低学年次に自らのキャリアビジョンを創出できるようなカリキュラム編成、また「医学の厳しさや面白さ」に早期に触れるように、基礎医学と臨床医学の低学年次への前倒しを進めました。
研究については「研究は未来の医学に対する投資」と考え、先端医科学統合研究施設を開設し、再生医学研究部門の充実の他、認知・記憶研究部門、生体防御研究部門、スマート医療研究部門、生殖医学研究部門など、各種の研究部門を立ち上げました。
診療については、本学3病院の総病床数は2,322床を数え、全国でも最大級の規模を誇っています。それぞれの病院が、最新の医療設備と医療機器を揃え、臨床実習病院として、また卒業後研修する病院としても役立っています。また、地域の方々に最先端医療を提供する施設として機能しています。
本学は、創立50周年記念事業として、総合教育研究棟(仮称)の新築を予定しております。医学を学ぶ場としての獨協医科大学は、ますます充実して参ります。人間性豊かで、かつ世界に羽ばたく有能な医師を、我々と共に目指しましょう。皆さまの入学を心からお待ちしております。