泌尿器科

診療内容

腎臓、尿管、膀胱および尿道からなる尿路や前立腺、精巣などの男性生殖器、副腎を含む後腹膜臓器に対する全般の診療を行っています。診療を受けられる方は男性、女性を問わず、高齢者から乳幼児まで幅広いのが当科の特徴です。
対象疾患としては、泌尿器癌(前立腺癌、膀胱癌、腎癌など)、排尿機能障害(前立腺肥大症や過活動膀胱など)、腎移植などが必要な腎機能障害、男性不妊症、小児泌尿器疾患(尿道下裂、VUR、水腎症、巨大尿管、後部尿道弁、遺尿症など)、尿路結石、感染症、男性更年期障害、女性泌尿器疾患(膀胱癌、尿失禁など)などがあげられます。

診療実績

令和5年度

外来患者延数:33,653人
入院患者数:1,896人

主な手術件数
  • 副腎腫瘍
    ・腹腔鏡下副腎摘出術:11例
  • 腎腫瘍
    ・腹腔鏡下腎摘除術:20例
    ・開放根治的腎摘除術:11例
    ・ロボット支援腹腔鏡下腎部分切除術:25例
    ・開放腎部分切除術:2例
  • 上部尿路腫瘍
    ・ロボット支援腎尿管全摘術:1例
    ・腹腔鏡下腎尿管全摘除術:22例
    ・開放腎尿管全摘術:2例
  • 膀胱癌
    ・経尿道的膀胱腫瘍切除術:229例
    ・ロボット支援腹腔鏡下膀胱全摘出術:13例
    ・膀胱部分切除術:1例
  • 前立腺癌
    ・ロボット支援腹腔鏡下前立腺全摘術:110例
  • 精巣腫瘍
    ・高位精巣摘除術:18例
    ・オンコTESE:3例
  • 前立腺肥大症
    ・TUBE:7例
  • 男性不妊症(リプロダクションセンター含む)
    ・MD-TESE:101例
    ・精巣静脈瘤低位結紮術:119例
  • 小児泌尿器
    ・VUR(腹腔鏡):5例
    ・VUR(内視鏡):3例
    ・腎盂形成術(ロボット支援手術):8例
    ・腎盂形成術(腹腔鏡下手術):2例
    ・停留精巣固定術(腹腔鏡含む):22例
    ・陰嚢水腫根治術:15例
    ・経尿道的内尿道切開術:1例
    ・尿道下裂手術:10例
    ・包茎手術(環状切開):19例
  • 尿路結石
    ・経尿道的膀胱砕石術:14例
    ・TUL(経尿道的尿管結石砕石術):111例
    ・ESWL(体外衝撃波):21例
  • その他
    ・生体腎移植:25例
    ・後腹膜腫瘍摘出術:8例
    ・シャント術:3例
    ・前立腺生検:217例
    ・CAPD:22例


特色


獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科の大きな特徴として、ほとんど全ての泌尿器科疾患に対して、高度な専門治療を提供できることがあげられます。
前立腺がん、膀胱がん、腎がんなどの泌尿器科癌は、日本でもその患者数が年々増加していますが、これら泌尿器がんに対し、全てにおいて最先端の治療を提供します。
手術については、2017年12月より「ダヴィンチ‐daVinci Xi ‐」を、2021年には我が国初の手術支援ロボット「hinotoriサージカルロボットシステム」を導入し、2台のロボットを用いて、ロボット支援手術を行っています。当科には複数の認定資格医が在籍し、万全の体制を整えて手術を行っています。泌尿器科がんに対しては、腎臓がん、尿管がん、膀胱がん、前立腺がんの手術など、ほぼ全てがロボット支援手術の保険適応になっていますが、当科でも、これら全てを標準手術として行っています。また、前立腺がんに対する放射線治療も行い、免疫チェックポイント阻害剤などの最新の薬物療法とともに、患者さんの病状に合わせた集学的な治療を行っています。
男性不妊症の治療を行っていることも当科の特徴です。2015年には当院にリプロダクションセンターが開設され、連携してより高度な専門的治療を行っています。顕微鏡下に精細管を観察し高率に精子を回収することができるMicrodissection testicular sperm extraction (MD-TESE)や精索静脈瘤に対する顕微鏡下低位紮術など、病態に応じたベストなアプローチを目指しています。
小児泌尿器科疾患や腎移植など、専門性の高い治療も行っています。それぞれ専門医が在籍し、専門外来にて診療を行っています。
前立腺肥大症などの排尿機能障害や、尿路結石に対しても、最先端の治療を行っており、腎盂尿管移行部狭窄症に対しては、2023年3月よりロボット支援腹腔鏡下腎盂形成術を行っています。

特殊外来

腫瘍外来

前立腺癌や膀胱癌など、泌尿器腫瘍に対する検査・治療を行っています。

小児泌尿器科外来

尿道下裂、膀胱尿管逆流症(VUR)、水腎症、遺尿症などの小児泌尿器科疾患に対する診療を行います。他施設では治療困難な症例も多く受け入れ、良好な治療成績を残しています。小児泌尿器専門医が在籍し、積極的に腹腔鏡手術を取り入れ低侵襲治療に取り組んでいます。

排尿機能外来

前立腺肥大症や神経因性膀胱などの排尿障害に対する検査・治療を行います。

腎移植外来

平成29年12月より生体腎移植を開始しました。慢性腎臓病(CKD)患者さんにとって腎移植は透析治療と併せて腎代替療法(RRT)の治療選択の1つです。このため、新規生体腎移植のご相談や腎移植後の定期外来フォローなどいつでも最善の治療を提供するという理念をもって誠実に対応しています。
当科では、新規シャントケア外来と慢性腎不全に対する根治療法である移植医療を併せて、地域の慢性腎不全医療に一層貢献していく方針です。

そのため、腎移植専門外来では、以下への対応をいたします。

  • 新規腎移植のご相談(先行的腎移植や透析導入後からの新規腎移植)
  • 腎移植後の移植腎機能低下、拒絶反応や感染症などに対するご相談と治療
  • 腎移植後の定期外来フォロー
  • 献腎移植に対するご相談

また、腎移植専門外来は、毎週月曜日に泌尿器科外来(担当医:徳本)での診療を行なっています。

シャントケア外来

平成29年4月より透析関連施設の皆様方からのご要望の多い「シャントトラブルへの対応を行う専門外来」を新規開設致しました。透析患者さんにとってシャントは生命線であり、そのシャントが安定している事は患者さんご自身のみならず、透析治療を行うスタッフにとって大変重要な事であると認識いたしております。このため、必要な時はいつでも最善の治療を提供するという理念をもって誠実にシャントケアにあたる所存です。当科では、このシャントケア外来と慢性腎不全に対する根治療法である移植医療を併せて、地域の慢性腎不全医療に一層貢献していく方針です。
当科では、このシャントケア外来と慢性腎不全に対する根治療法である移植医療を併せて、地域の慢性腎不全医療に一層貢献していく方針です。

シャントケア外来では、以下の病態への対応をいたします。なお、基本は日帰りの処置を行いますが、必要があれば入院治療にも対応いたします。

  • シャント狭窄に対する経皮的バスキュラーアクセス拡張術
  • 動脈瘤化したシャントの修復
  • 人工血管によるシャント再建
  • 新規シャント作成

また、シャントケア外来により、透析医療機関の医療スタッフの方々並びに患者さんのご負担を軽減できればと考えており、当面は毎週月曜日に泌尿器科(担当医:徳本)での診療を行なっています。

その他

超音波診断装置、軟性膀胱鏡、軟性尿管鏡、尿流動態検査、体外衝撃波結石破砕装置、ホルミウムレーザー発生装置(ホルミウムレーザー前立腺核出術、結石破砕術)、腹腔鏡手術装置一式、乳児用内視鏡・切除鏡一式

外来担当医とその専門分野

氏名 職名 専門分野
齋藤 一隆 教授 泌尿器腫瘍
宋 成浩 教授 小児泌尿器、排尿機能、腹腔鏡手術
徳本 直彦 教授 腎移植、ロボット手術、腹腔鏡手術、シャントケア
瀬戸口 誠 講師 腎移植、ロボット手術、腹腔鏡手術、シャントケア
中山 哲成 講師 泌尿器腫瘍、腹腔鏡手術、小児手術
岩端 威之 講師 男性不妊症
泉 敬太 助教 泌尿器腫瘍、腹腔鏡手術
井上 泰之 助教(学外派遣) 尿路結石、前立腺肥大
大坂 晃由 助教 泌尿器一般、男性不妊症
杉江 美穂 助教 泌尿器一般、男性不妊症
韮塚 あす実 助教 泌尿器一般
長谷川 金太朗 助教 泌尿器一般
井上 稔 助教(学外派遣) 泌尿器一般
辻岡 博貴 助教 泌尿器一般
池添 慧梨香 レジデント 泌尿器一般
原 祐介 レジデント 泌尿器一般
岡田 弘 特任教授 排尿機能、男性不妊症
青木 慶一郎 非常勤講師 泌尿器一般、緩和ケア
福田 悠一 非常勤助教 泌尿器一般
病棟医長/泉 敬太  外来医長/瀬戸口 誠  医局長/中山 哲成

外来曜日別診療医一覧表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日

(一般外来)
齋藤一隆 教授
徳本直彦 教授
中山哲成 講師
韮塚あす実医員
(一般外来)
齋藤一隆 教授
大坂晃由 医員
韮塚あす実医員
井上 稔 医員
(一般外来)
瀬戸口誠 講師
泉 敬太 医員
井上 稔 医員
福田悠一(非)医員
(一般外来)
瀬戸口誠 講師
泉 敬太 医員
長谷川金太朗医員
辻岡博貴 医員
(一般外来)
井上泰之(非)医員
岩端威之 講師
中山哲成 講師(第2.3.4.5週)
辻岡博貴 医員(第1.3.5週)
(小児泌尿器/停留精巣外来)
宋 成浩 教授

*新患は紹介状
持参の患者さんのみ
【第1週】
(腫瘍)
齋藤一隆 教授
【第2週】
(小児泌尿器)
宋 成浩 教授
(腎移植)
瀬戸口誠 講師
【第4週】
(小児泌尿器)
宋 成浩 教授
(腎移植)
徳本直彦 教授
(一般)
中山哲成 講師
【第5週】
(一般)
中山哲成 講師

(一般外来)
中山哲成 講師
韮塚あす実医員
(腫瘍外来)
齋藤一隆 教授
(腎移植外来)
徳本直彦 教授
(一般外来)
大坂晃由 医員
韮塚あす実医員
井上 稔 医員
青木慶一郎(非)講師
(腫瘍外来)
齋藤一隆 教授
(一般外来)
泉 敬太 医員
井上 稔 医員
福田悠一(非)医員
(一般外来)
瀬戸口誠 講師
泉 敬太 医員
長谷川金太朗医員
辻岡博貴 医員
(排尿機能外来)
岡田 弘 特任教授
(一般外来)
井上泰之(非)医員
岩端威之 講師
中山哲成 講師(第2.3.4.5週)
辻岡博貴 医員(第1.3.5週)
(小児泌尿器/停留精巣外来)
宋 成浩 教授

◎ 20歳以下の精索静脈瘤は、完全予約制となります(金曜日のみ)。
◎ 21歳以上の精索静脈瘤、生殖医療(不妊治療)が目的の方はリプロダクションセンターをご予約下さい。
◎ 午後の外来は、予約の患者さんのみとなります。
◎ 腎移植外来をご希望の方は、月曜日のみの外来となります。WEBでお申し込みの際には、症状の欄に、『献腎登録希望』『ドナーが決まっている(ドナーの方の同伴をお願いします)』『移植後の経過観察』いづれかを入力して下さい。
◎ 小児泌尿器科(中学3年生のご年齢まで)をご希望の方は、金・土(第2.4)のみとなります。
● 直接来院が可能です。(精索静脈瘤を除く)
※ 4月17日(木)~19日(土)は日本泌尿器科学会総会のため予約患者さんのみとなります。

令和7年4月現在

048-965-4944