臨床工学部

部長
高野 弘志

臨床工学部の特徴

臨床工学部は、部長(心臓血管外科教授)を筆頭に臨床工学技士22名で構成しています。我々は、医療チームの一員として生命維持管理装置の操作、管理の担当者として緊急手術や医療機器のトラブル、災害に対応するため365日24時間体制を敷いています。人員は、埼玉医療センターに16人と越谷クリニックに6人配置し、常に医療事故のないよう安全に心掛け、他の医療従事者と協力しチーム医療を推進することを理念に掲げ、患者さんへのサービスに専念し業務に取り組んでいます。

業務内容

人工心肺業務
心臓手術において、臨床工学技士は医師の指示のもと人工心肺装置の操作を担当しています。人工心肺装置の操作は、2人の臨床工学技士で対応し、年間120例程度の症例をトラブルなく安全に行っています。また、超音波血流計、自己血回収装置、心筋焼却装置などの周辺機器の操作も行います。
TAVI
カテーテルによる弁置換術(TAVI)ではハートチームの一員として、患者さんの入室から退室まで安全に治療が施行できるように様々な業務を行っています。業務内容は急変時の体外循環準備や操作と清潔野で行うクリンプ作業、ポリグラフによる圧解析やペースメーカ設定などを担当しています。
手術室業務
手術室では多数の医療機器を使用しているので、それらの装置の保守点検を計画的に実施しています。また、脳神経外科手術や耳鼻科手術で使用するナビゲーションシステムの操作や整形外科などの手術中の自己血回収装置の操作も依頼があれば施行しています。また、手術支援ロボットda Vinciでの手術件数も増加しており、その管理や準備を行い円滑な手術施行に貢献しています。
心臓カテーテル業務
心臓カテーテル検査において臨床工学技士は、循環動態の監視や治療装置の準備を担当しています。また、循環動態が不安定な場合は心臓機能を補助する循環補助装置(IABP、PCPS、IMPELLA)や体外式ペースメーカーを挿入するので、それらの生命維持管理装置の操作も行っています。最近は、血管造影と併用して各種診断装置(IVUS・FFR・OCT)を用いての血管治療が標準となっているため、それらの装置の操作も担っています。
不整脈治療業務
電気生理学検査やアブレーション治療における業務は、刺激装置や3Dマッピングシステムなどの操作、不動脈の監視や記録を行っています。また、クライオバルーンやホットバルーンを用いたアブレーションも増加しており、それらのデバイスでの治療においても安全に実施できる体制を確立しています。
デバイス業務
ペースメーカーや植込み型除細動器の植え込みや交換時は安全に手術が行えるよう周辺機器や本体の準備を行い、プログラマを操作して閾値測定や本体設定を行っています。植え込みや交換後はペースメーカ外来や遠隔モニタリングにて適切に動作しているか、医師と協力しながら定期的にチェックを行っています。
血液浄化業務
入院患者専用の透析施設である透析センターは、透析部門システムを越谷クリニックと連携させ安全に治療を行っています。業務は人工透折装置の準備・操作・保守管理やRO水作製装置・透折液作製供給装置の保守も行っています。また、透析液清浄化への取り組みや透析部門システム運営などの業務も担っています。腎移植や肝移植に伴うアフェレシス、白血球吸着、腹水濃縮などの特殊血液浄化も行っています。
越谷クリニック
越谷クリニックは外来専用の透析施設として透析部門システムを用いて100名前後の患者さんの治療を安全に行っています。業務は人工透析装置の準備・操作・保守管理やRO水作製装置・透析液作製供給装置の保守も行っています。透析液の徹底した水質管理を行い全ベッドでOn-Line HDFを施行できるので、患者さんのADLや病態を考慮し積極的に導入しています。
呼吸器業務
乳児から成人までを対象とした様々な人工呼吸器や吸入療法機器の準備や呼吸回路組み立てを行っています。人工呼吸器によるスムーズな呼吸や無理のない離脱が行えるように、人工呼吸器設定や使用状況の点検も毎日行っています。また、呼吸ケアチーム(RST)の一員として安全管理状況や人工呼吸器合併症予防対策の確認を行い使用者への提案や提言をしています。
集中治療・補助循環業務
ICU、ERICU、HCU、SCU、NICUでは患者さんの状態により様々な生命維持管理装置(PCPS・IABP・CHDFなど)やモニタリングが必要になり、医師からの依頼にあわせ装置の準備を行います。また、難治性の重症心不全症例に対して補助人工心臓治療を行う場合もあるので、補助人工心臓の管理や教育も行っています。
医療機器保守管理業務
院内にある約1,500台の医療機器は医療機器管理ソフトにてバーコードを割り振り、計画的に点検を施行し購入から廃棄までトラブルがないよう中央管理しています。使用後は看護補助者2名と協力し医療機器の回収や清拭を行い、専用測定装置を用いて医療機器の異常や性能劣化がないか点検を行なっています。点検後、問題ない医療機器は病棟からの依頼に合わせ貸出や運搬を行っています。
各学会、研修会参加
関連学会認定による認定士取得や最新の治療法や装置への対応のため、学会や研修会に参加し知識や技術の習得に努めています。また、当院で検討した技術や経験を、さまざまな学術大会等で発表や報告も行っています。
実習受け入れ
臨床工学技士養成校より実習の依頼があれば、学生の受け入れを行っています。また、他病院の臨床工学技士の研修や企業からの研修も依頼があれば受け入れています。
院内研修
臨床工学部は医療機器安全管理責任者として病院内で運用している医療機器の安全使用のために、病院内のすべての職種対象に正しい操作や管理方法の習得を目的に勉強会を適宜開催しています。

業務実績

令和元年度
  • 人工心肺症例数:130例
  • TAVI:42例
  • 自己血回収業務:427例
  • ナビゲーション業務:89例
  • da Vinci:194例
  • 透折センター透折施行数:2,601例
  • 透折センター外透折施行数:185例
  • 越谷クリニック透折施行数:13,930例
  • CHDF症例:106例
  • DHP・アファレーシス:196例
  • CAG:1,024例
  • PCI:285例
  • PPI:56例
  • EPS:13例
  • ABL:416例
  • デバイス植え込み症例数:102例
  • デバイスチェック:1,298回
  • 補助循環・人工心臓症例数:66例
  • IABP症例数:4例
  • 人工呼吸器点検数:10,685回
  • ME機器定期点検実施数:30,055回
  • 勉強会開催回数:76回
  • 勉強会参加者数:712人