産婦人科専門医

概要

産婦人科専門医制度は、産婦人科専門医として有すべき診療能力の水準と認定のプロセスを明示する制度である。そこには医師として必要な基本的診療能力(コアコンピテンシー)と産婦人科領域の専門的診療能力が含まれる。そして、産婦人科専門医制度は、患者に信頼され、標準的な医療を提供でき、プロフェッショナルとしての誇りを持ち、患者への責任を果たせる産婦人科専門医を育成して、県民、国民の健康に資する事を目的とする。特に、本プログラムは、基幹施設である獨協医科大学埼玉医療センターにおいて高度な医療に携わり本邦の標準治療や先進的な医療を経験し学ぶとともに、地域医療を担う連携病院での研修を経て埼玉県の医療事情を理解し、地域の実情に合わせた実践的な医療も行えるように訓練され、基本的臨床能力獲得後は産婦人科専門医として埼玉県全域を支える人材の育成を行う理念を持つ。

産婦人科専門医は常に最新の情報を学び、新しい技術を習得し、標準的な医療を安全に提供し、疾病の予防、早期発見、早期治療に努め、自らの診療能力をより高めることを通じて産婦人科医療全体の水準をも高めて、女性を生涯にわたって最善の医療を提供してサポートすることを使命とする。

目標

  • 専門知識:知識を駆使して個々の患者の全身状態、社会的特性に配慮しそれぞれに最適な医療を提供する計画を立て実行する能力を修得する。
  • 専門技能(診察、検査、診断、処置、手術など):「産婦人科研修カリキュラム」に定めた技能を習得する。
  • 学問的姿勢:日常的診療から浮かび上がるクリニカルクエスチョンを日々の学習により解決し、今日のエビデンスでは解決し得ない問題は臨床研究で解決しようとする姿勢を身につける。
  • 医師としての倫理性、社会性:医師としての責務を自立的に果たし信頼されること、患者中心の医療を実践し、医の倫理・医療安全に配慮すること、チーム医療の一員として行動すること。

プログラム冊子

当専攻医研修プログラムをまとめたプログラム冊子はこちらをご覧下さい。

年次到達目標

専門研修1年目
内診、直腸診、経腟エコー、通常超音波検査、胎児心拍モニタリングの解釈ができるようになる。正常分娩を指導医・上級医の指導のもとで取り扱える。上級医の指導のもとで通常の帝王切開、子宮内容除去術、子宮付属器摘出術ができる。
専門研修2年目
妊婦健診および婦人科の一般外来ができるようになる。正常および異常な妊娠・分娩経過を判別し、問題のある症例については指導医・上級医に確実に相談できるようになる。正常分娩を一人で取り扱える。指導医・上級医の指導のもとで通常の帝王切開、腹腔鏡下手術ができる。指導医・上級医の指導のもとで患者・家族へのICができるようになる。  
専門研修3年目
3年目には専攻医の修了要件全てを満たす研修を行う。帝王切開の適応を一人で判断できるようになる。通常の帝王切開であれば同学年の専攻医と一緒にできるようになる。指導医・上級 医の指導のもとで前置胎盤症例など特殊な症例の帝王切開ができるようになる。指導医・上級医の指導のもとで癒着があるなどやや困難な症例であっても、腹式単純子宮全摘術ができる。悪性手術の手技を理解して助手ができるようになる。一人で患者・家族へのICができるようになる。

プログラム参加施設とSubspecialty領域の施設認定及び在籍専門医

基幹施設
  • 獨協医科大学埼玉医療センター(埼玉県越谷市、がん診療連携拠点病院、救命救急センター)

    認定施設:

    日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医制度指定修練施設
    日本周産期・新生児医学会母体胎児研修指定施設
    日本生殖医学会認定研修施設
    日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
    日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医制度認定研修施設
    日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医認定研修施設

    専門医:

    婦人科腫瘍専門医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医、女性ヘルスケア専門医、
    生殖医療専門医、内視鏡技術認定医

連携病院
  • 東京慈恵会医科大学附属病院(東京都港区、がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、救命救急センター)

    認定施設:

    日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医制度指定修練施設
    日本周産期・新生児医学会母体胎児研修基幹施設
    日本生殖医学会認定研修施設
    日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
    日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医制度認定研修施設

    専門医:

    婦人科腫瘍専門医、周産期(母体・胎児)専門医、生殖医療専門医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医、超音波専門医

  • 東京医科大学病院(東京都新宿区、特定機能病院、がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、災害拠点病院)

    認定施設:

    日本産科婦人科学会産婦人科専攻医指導施設、日本婦人科腫瘍学会婦人科腫瘍専門医制度指定修練施設、日本周産期・新生児医学会母体胎児研修基幹施設、日本生殖医学会生殖医療専門医制度認定研修施設、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医認定研修施設、日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医制度認定研修施設

    専門医:

    婦人科腫瘍専門医、周産期〔母体・胎児〕専門医、生殖医療専門医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医

  • 東京都立大塚病院(東京都豊島区、総合周産期医療センター)

    認定施設:

    日本周産期・新生児医学会母体胎児研修基幹施設

    専門医:

    周産期(母体・胎児)専門医、臨床遺伝専門医、細胞診専門医

  • 深谷赤十字病院(埼玉県深谷市、がん診療連携拠点病院、地域周産期母子医療センター、
    救命救急センター)

    認定施設:

    日本周産期・新生児医学会母体胎児研修指定施設

    専門医:

    周産期(母体・胎児)専門医、細胞診専門医

  • 足利赤十字病院(栃木県足利市、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点指定病院、地域周産期母子医療センター、救命救急センター、災害拠点病院)

    認定施設:

    日本周産期・新生児医学会暫定研修施設
    日本臨床細胞学会認定施設
    日本臨床細胞学会教育研修施設
    日本産科婦人科内視鏡学会認定研修施設
    日本女性医学学会認定研修施設

    専門医:

    日本臨床細胞学会細胞診専門医

  • 永井マザーズホスピタル(埼玉県三郷市)
  • 恵愛病院(埼玉県富士見市)

    専門医:

    周産期(母体・胎児)専門医、生殖医療専門医

  • 恵愛生殖医療医院(埼玉県和光市)

    専門医:

    生殖医療専門医、内視鏡技術認定医、周産期(母体・胎児)専門医

  • さいたま市立病院(埼玉県さいたま市:臨床研修指定病院、地域医療支援病院、地域がん診療連携拠点指定病院、地域周産期母子医療センター、救命救急センター、災害拠点病院)

    認定施設:

    日本産科婦人科学会産婦人科専攻医指導施設、日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医基幹研修施設、日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医認定研修施設

    専門医:

    婦人科腫瘍専門医、周産期〔母体・胎児〕専門医、細胞診専門医、女性ヘルスケア専門医、超音波専門医

  • 産婦人科菅原病院(埼玉県越谷市・地域枠)

「獨協医科大学埼玉医療センター産婦人科研修プログラム例」及び
「獨協医科大学埼玉医療センター産婦人科研修施設群」を参照下さい。