概要
小児科医の役割は子どもが罹患する疾病への対応のみならず、子どもの健全な発育を総合的に支援することです。「小児科医は子どもの総合医である」という基本的姿勢のもと、小児科専門医の医師像は、①子どもの総合診療医、②育児・健康支援者、③子どもの代弁者、④学識・研究者、⑤医療のプロフェッショナルの5つの視点が求められています。
総合診療医とは、単一の臓器に関わる専門科ではなく子ども全体を対象とすることをさします。総合的な小児科診療の基礎を習得した上で、多彩な小児科の専門分野があります。小児科医は子どもの身体、心理、そして発育の全体像を把握して、医療の基本である「疾病を診るだけではなく、患者とその家族、さらには心理社会環境をみる」という全人的な観察姿勢で責任感を持って診療に臨んでいます。小児科専門研修ではこの総合診療の姿勢を学ぶことが目標です。