血液・腫瘍内科

診療内容

  • 当科では血液疾患全般についての診療を行っております。血液疾患には、急性・慢性白血病、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍や、再生不良性貧血などの各種貧血、血小板減少症、血友病などの出血性疾患があり、これらの疾患の多くは治療に特殊な薬剤を使用したり無菌環境が要求されるため、専門施設での診療が必要になってきます。
  • 当科では無菌室11床・完全無菌室2床を含む43床の血液疾患専用病棟を備え、患者さんの診療は日本血液学会専門医12名及び造血細胞移植認定医4名を含む血液内科専門医が担当しております。
    遺伝子診断など最先端の分子生物学の技術を導入して、総合的に血液疾患の診断にあたっています。
  • 治癒を指向した造血器腫瘍に対する化学療法、造血幹細胞移植(骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、ハプロ移植)、分子標的療法、抗体療法、細胞療法を積極的に行っています。
  • 最先端の医療を供給する体制を整えておりますが、高齢の方や合併症のある方などには、患者さんの病態に応じQOLを配慮した治療法も選択しています。治療法の選択にあたっては常に親切丁寧な説明を行い、患者さんとの心の触れ合いを大切にした医療を心がけています。  

    当科を受診される方は、紹介状のご持参及び事前予約をお願いしておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

関係する症状

・赤血球、白血球、血小板に異常があると言われた・顔色が青白い、動悸や息切れを感じる
・リンパ節が腫れている・脾臓が腫れていると言われた
・原因不明の発熱が続いている・あざ(紫斑)ができやすい
・歯肉からの出血がある、鼻血が止まりにくい

疾患名

  • 各種貧血(再生不良性貧血、溶血性貧血、悪性貧血、鉄欠乏性貧血など)
  • 各種白血病(急性白血病、慢性白血病)
  • 骨髄異形成症候群
  • 悪性リンパ腫
  • 多発性骨髄腫、原発性マクログロブリン血症
  • 骨髄増殖性腫瘍(真性赤血球増加症、骨髄線維症、本態性血小板血症)
  • 血小板減少症(特発性血小板減少性紫斑病、血栓性血小板減少性紫斑病など)
  • 血液凝固異常症(血友病など)
  • 無顆粒球症、伝染性単核球増加症、血球貪食症候群
  • 免疫不全症(AIDSを含む)

特殊外来の有無とその曜日時間、担当医、扱う疾患

特に専門外来を設けておりませんが、各種血液疾患や免疫不全の診断と治療、および造血幹細胞移植などの高度先進医療について、いずれの外来日でも対応可能です。

ただし、外来は予約制です。

主な検査とその説明

骨髄穿刺検査
骨髄の造血細胞に異常がないかどうかを調べる検査です。患者さんには、うつぶせになってもらい、骨盤骨(後腸骨稜)の穿刺部位を消毒し局所麻酔をした後に穿刺を行い骨髄液を少量吸引します。実際の検査時間は 15〜20分程度ですが、終わった後に1時間程度の安静が必要です。外来でも施行可能です。
画像診断検査(PET、CT、エコーなど)
リンパ節や肝臓・脾臓が腫れていないかどうかなどを調べる検査です。外来でも施行可能です。

得意とする治療

  • 骨髄異形成症候群では、予後予測因子の指標をもとにリスク分類し、低リスク群には免疫抑制療 法やビタミン療法、ダルべポエチン、レナリドミド、アザシチジンなどを用いた治療を行っています。高リスク群にはアザシチジン、化学療法、同種造血幹細胞移植を行っています。
  • 急性白血病では標準的化学療法に加え、適応症例は同種移植を積極的に行っています。特に、急性骨髄性白血病で標準的化学療法が非対応な場合には、ベネトクラクスを中心とした分子標的療法を行っています。
  • 慢性骨髄性白血病はチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ボスチニブ) の治療により90%以上の治療効果を得ています。
  • 骨髄増殖性腫瘍(真性多血症や本態性血小板血症など)にアナグレリド、ルキソリチニブの投与を行っています。
  • 悪性リンパ腫ではPET検査などで病期診断し、病理組織診断に基づきリツキシマブを併用した化 学療法や自家末梢血幹細胞移植を行っています。
  • 多発性骨髄腫では、初発例にはボルテゾミブ、レナリドミドを中心とした薬剤を用い、再発・難 治例には新規薬剤であるポマリドミド、パノビノスタット、カルフィルゾミブ、エロツヅマブ、ダラツムマブをボルテゾミブやレナリドミドに組み合わせた治療を行っています。
  • 2000年4月〜2022年3月までに約280例(自家移植119例、同種移植161例)に造血幹細胞移植を施行しています。2016年からはHLA半合致血縁者にも取り組んでいます。

病診連携

入院が必要と思われる患者さんのご紹介
まず、血液・腫瘍内科外来にお問合せください。外来担当医が病棟医長と連絡を取った上で対応いたします。
外来にて検査、治療可能な患者さんのご紹介
緊急の場合:血液・腫瘍内科外来にお電話ください。緊急性のない場合:外来にお電話いただき予約をお取りください。予約当日午前10時までに紹介状持参の上、来院してください。

血液・腫瘍内科外来を受診希望のみなさまへ

当科外来は、事前予約制です。
また、紹介状のご持参をお願いしておりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。
受診をご希望される方は血液・腫瘍内科外来へお問合せ下さい。

血液・腫瘍外来受付
電話受付時間:月曜日〜金曜日 14:00〜16:00
電話:(0282)-87-2193(直通)

外来曜日別診療医一覧表

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日
 仲村祐子 講師
 中村由香 講師
 三谷絹子 特任教授
 佐々木 光 准教授
 仲村祐子 講師
 鶴見茂治 医員

 今井陽一 教授
 鶴見茂治 医員
(造血幹細胞移植フォローアップ外来/PM)
 佐々木 光 准教授
 仲村祐子 講師
 中村由香 講師
 佐々木 光 准教授
 中村由香 講師
 鶴見茂治 医員
[交代制]

*初診の患者さんは火~金曜日、完全予約制・要紹介状となっております。
 [健診後受診指示も含む] ご予約は血液・腫瘍内科〔TEL:0282-87-2193(直通)〕までお問い合わせ下さい。

2024年4月現在

0282-87-2193