2023年の急性期脳卒中(救命救急センター・集中治療センター単独治療例除)は553例で。内訳は虚血性脳卒中が400例、出血性脳卒中が150例、脳静脈閉塞症が3例でした。
虚血性脳卒中は一過性脳虚血発作(画像陰性)19例、ラクナ梗塞47例、branch atheromatous disease5例、アテローム血栓性脳梗塞/脳塞栓症70例、大動脈原性脳塞栓症9例、心房細動による心原性脳塞栓症120例、奇異性脳塞栓症15例、その他の心疾患による脳塞栓症23例、頚動脈・脳 動脈解離8例、大動脈解離5例、感染性心内膜炎7例、原因不明(複数の原因)・塞栓源不明21例、その他(がん、血液疾患など)51例と、様々な病型の虚血性脳卒中を診療しました。また、脳内出血は118例、くも膜下出血は32例でした。
2023年の脳梗塞に対する超急性期治療数(再灌流療法)は84例(rt-PA静注療法単独41例、機械的血栓回収療法単独24例、t-PA静注療法と機械的血栓回収療法併用19例)でした。残念ながら当院搬送時にすでに大きな脳梗塞が見られ、治療による出血の危険が高く、通常の急性期治療となる患者さんもいらっしゃいましたが、7割以上の患者さんは再灌流療法で後遺症なし、またはごく軽度の後遺症のみ(日常生活制限なし)まで改善されました。症状などによっては発見から4.5時間以内にrt-PA静注療法が、発症から24時間以内に機械的血栓回収療法が施行できますが、一刻も早く治療を開始することが何より重要です。脳卒中が疑われたら1秒でも早くご連絡いただければと思います。