高齢化社会の到来に伴って認知症が急増しており、2025年には認知症患者数は700万人に達すると予測されています。とりわけ認知症の過半数を占めるといわれるアルツハイマー病は最初は「もの忘れ」から始まり、放っておくと記憶、思考、理解、判断などの知的作業の障害の他に、感情、行動、性格の変化などの精神症状が出てきます。アルツハイマー病は早い段階で気づかれることによって、その進行を薬物療法によって遅らせることが可能になってきています。また「もの忘れ」は自覚しているが、日常生活には支障はない人たちでも将来高率に認知症に進行することが明らかになっています。そのため、おかしいなと思った方は「加齢のせい」という先入観を捨てて、少しでも早く専門医の診断を受けることが大切です。
本センターは県から指定され、獨協医大病院に設置されたもので、以下の相談・診療業務を行っています。
- 専用電話:0282-87-2251によりご家族・患者さんご本人からの電話相談に応じます。(無料)
- ご家族・患者さんご本人の直接の来所相談に応じます。
- 医療機関・福祉施設・市町村などからの専門医療相談に応じます。
- 年齢を問わず「もの忘れ」を自覚されている方々、あるいは年齢のせいかと思われている方々の診断を行います(各種健康保険使用・有料)。診察は精神神経科外来、あるいは神経内科で行います。特に神経内科には「物忘れ外来」を設置し、認知症の鑑別診断と治療方針の選定を行っています。まだ市販されていない治験薬というお薬も、患者さんの病状により、またご家族の同意などをいただける場合使用することも可能です。
- 中等症以上の方には精神神経科病棟での入院加療をおこないます。(各種健康保険使用・有料)
- 認知症との見分けが困難なうつ病、意識障害(せん妄)の診断と治療も行います。(各種健康保険使用・有料)