てんかんセンター

センター長
白石 秀明

特徴・特色

てんかんは比較的有病率が高い神経疾患で、有病率は1%、日本国内に100万人、栃木県内に約18,000人の患者さんが存在することになります。てんかんは比較的薬物治療が効きやすい症例群と、どの様な薬剤を使ってもてんかん発作が止まらない難治症例群に分かれます。小児では8割、成人では5割が前者になりますが、残りの多くの患者さんは難治のてんかん発作を持ち生活をしていることになります。

この25年で抗てんかん発作薬の開発は非常に進み、2000年以降、それまで15種類程度であった薬剤は現在約40種類まで増えてきており、治療の可能性が増してきております。加えて、てんかん外科手術の施行により劇的に発作が減少、あるいは消失する例も増えてきております。薬物治療の選択においても、そのてんかん発作に合った、また有害事象の出来るだけ少ない治療薬を選択することが重要であり、また、てんかん外科手術の適応になる患者さんを適切に診断し、最良の治療に繋げていく必要性があります。

てんかん患者さんの適切な診断・治療方針の選択の為には多くの専門家の知識を統合させ、協働して診療に当たることが不可欠であります。今般当学脳神経外科、脳神経内科、精神神経科、救急・集中治療科、小児科の五診療科が共同して「てんかんセンター」を設立することになりました。センターの設立により診断治療において有機的な運用が出来るだけでなく、研修医、専攻医も含めたてんかんに対する知識の均てん化、加えて、各科が協働した研修プログラムを構築する事によりてんかん専門医の育成に寄与すると考えております。

栃木県はもとより全国からの患者さんを対象に広く受け入れ、患者さんを中心とした高度なてんかん治療を提供してまいります。