センター長あいさつ

獨協医科大学病院
PETセンター長
中神 佳宏(なかがみ よしひろ)

獨協医科大学病院PETセンターでは、平成17年に北関東で初めてPET/CTを導入し、主としてがんの診断や研究を行ってきています。盛んに活動するがんを画像化できる、ブドウ糖類似のFDG(フルオロデオキシグルコース)などPETの検査薬を、施設内のサイクロトロン(小型加速器)を用いて製造することができるのが、当センターの特徴のひとつです。

がんが疑われたり、がんと診断されたりした場合、がんの治療のあと、病気が落ち着いているかを判断する場合、通常CTやMRI、超音波検査などで診断します。これらの形をみる診断法はまず基本ですが、形の特徴や大きさの異常で診断を行うため限界があります。PET/CTを用いれば、がんの活動というはたらき=機能を画像化できるPETとCT画像を同時に撮れるので、正確な診断ができます。具体的には、CTのみでは良性に見えてしまうがん、がんのようにみえる良性の病気、まだ腫れていないリンパ節転移、正常構造に隣りあうがんなどが診断困難で、これらが光って見えるため診断できます。また、高安動脈炎などの大型血管炎のPET検査も保険診療で行っております。

当センターは、PET/CTを用いた診断を通して、正確な診断や治療方針の決定に役立つ情報を提供し、患者さんの診療の場で重要な役割を果たしています。PETで診断しやすい病気ばかりではありませんので、適切な利用法について啓蒙活動や読影(画像を読む)医師の研鑽などの活動を日々積み重ねています。またFDG以外の検査薬を使った研究を行うことも、大学病院PETセンターとして特徴的で重要な役割であり、これにも力を入れています。
まずは地域の中核PET施設として、さらには情報を国内、国外に発信するPETセンターとして活動してまいります。今後ともご支援をお願い申し上げます。